第23ページ 出立
本日3話目です。
「どうして、ケイトの言うことを聞いてあげないの?従魔たちがいるのならば、この世界の過酷な環境でも大丈夫だと思うけど?」
「そう単純な話ではないんだ。ケイトの力は凄すぎる。だがそれは、武力としての側面しか持たない。武力だけでは権力に対抗できないんだ」
「あら、あなたがそう言いますか?私の為に一つの家を断絶させた、あなたが?」
「オ、オホン!とにかく、私が傍にいれば守ってやる。だが、一人旅でもさせて、何かあった時…」
「結局、心配なんですね」
「当然だろう。子どもを心配しない親なんているものか」
「ふふ、そうですね」
寝たふりをして、耳をすませていると聞こえてくる会話。
僕は父さんの言葉に静かに涙する。
でも、それでもやっぱり僕は旅にでたいんだ。
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「何?」
「だからね、僕考えたんだ!心配をかけない方法!」
「…それで?」
僕が説明したのはこういう方法。
ここに従魔の誰かを常駐させ、召喚術を使って連絡を取るのだ!
召喚した従魔に手紙か何かを持たせて、送還させる。
そうすれば僕の安否もわかるというわけだ。
「むぅ…」
それなら確かにと思っているのだろう。
あとひと押しだ。
「お願いだよ!父さんの息子なんだから大丈夫!」
「くっ」
父さんはこういう自分の息子を強調されると弱い。
「…わかった」
「ありがとう!」
心の中でガッツポーズしながら父さんに跳びかかる。
その光景を、微笑ましそうに母さんが見ていた。
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「気をつけるんだぞ!絶対に連絡すること!」
「気をつけてね」
「ダッ!」
『何かあれば飛んでいきます』
「行ってきます!」
結局村に残るのはスーとクロだ。
スーは身体が大きいし、綺麗すぎてどうしても目立ってしまう。
強さ的には一番なんだけどね。
クロはまだ幼いし、竜種を連れてるとやはり目立つ。
それもクロの種族はわからないのだ。
何かあってはいけないからね。
そうして、父さんに頼みこんだ時から一週間後。
僕は出発することになった。
見送りには家族だけでなくて、村人のほとんどが来てくれているみたいだ。
どうしよう、泣きそうだ。
オークの慰み者になっていた三人の女の人も、今ではこの村の住人になっている。
回復は良好であり、最近では笑顔でいることも増えてきた。
いいことだ。
その三人も見送りに来てくれ、次々とお礼を言ってくれている。
なんだかこしょばゆい。
もう戻らないわけではないのにね。
「行ってきます!」
もう一度そう告げて、僕は村から出る。
とりあえずは獣都に向かう予定だ。
そこからのことはまだ決めてないけど、とりあえず人族の大陸に渡ろうかなって考えている。
まぁなんとかなるさ!
僕はこれからのことに思いを馳せて、期待に胸を膨らませて村を出た。




