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仮面の独白  作者: 弥彦
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第六話「ふたつの意味で血の繋がらない兄妹」

時系列通りじゃなくてすいません

ウメは自らあの大戦のことを語ることは一切なかった

絶対に墓場まで持っていくのだと自負していた

そんなウメが初孫の前ではおのずと語ってしまった事がある、それは。

するとウメは実母であるイネについて語りだした


ウメ「人生なんてものは一枚岩ではいかないものなのよ。」と。


ウメからしてみれば、実母・イネは憎悪の対象であった、それには理由がある

イネは実の娘であるウメを置き去りにして、明神一族の当主・明神栄作(仮名)と駆け落ちしたのだ


それもイネにも夫である純平とふたりの子供ウメとマツがおり、栄作にも本妻・松子とその間に設けた5人の子どもたちがいたから話は複雑怪奇でややこしい

今で言うところのW不倫である、しかも時局は第二次大戦の真っ只中だ

そんな中、「米軍の空襲を避けるために疎開する」と偽って、イネと栄作は親戚のいる広島へと駆け落ちしたのだ、ウメを福島の炭鉱に置き去りにして。

(駆け落ち先に広島を選択するのが危険だとはこの時のふたりは知る由もないのだが)


しかし一番悔しいのはその事実ではないという

イネにはウメとマツというふたりの娘がいたが、長女であるマツだけ駆け落ちの際に一緒に連れて行ったのだ

そう、ウメは捨てられたのだ

それがどんなに悔しく、その後の人生に変化を与えたか考えても計り知れない


しかしイネの蛮行はこれだけではすなまかった

イネは栄作との不倫略奪愛を正当化するために、夫・純平がある身にも関わらず、栄作の子供を計画妊娠するというとんでもない蛮行にでる


明神敬吾(明神一族の当主・明神栄作の三男)と山下ウメから当時の話に興味深く耳を傾ける弥彦

弥彦にとって福島のいわき市に訪れた意味は大きかったようだ


話すと長いが、敬吾とウメは「ふたつの意味で」血の繋がらない兄妹なのである

それも話はとてもややこしく、山下ウメの夫であり山下一族の三男の山下敬一郎ですらそのいきさつを理解できていないほどである


次回はその「ふたつの意味で血の繋がらない兄妹」がどういういきさつで形成されたのかを読み解いていきたいと思う

続きます

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