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仮面の独白  作者: 弥彦
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第四話「時系列と年表で語る弥彦の出自とルーツ~福島県いわき市の炭鉱編~」

炎の女が独白する時・・・

時は遡り、昭和元年。

元号は大正から昭和へと改元された

そう弥彦の生まれた激動の昭和の時代のはじまりであった

関東大震災・昭和恐慌・第一次大戦、と時代はめまぐるしく動いていた


南相馬市からいわき市の炭鉱に出稼ぎに来ていた弥彦の曽祖父・豆塚純平(17)

純平は炭鉱夫として日々労働に勤しんでいた

そんなある日、イネ(16)という女性の炭鉱労働者と出会う

これが全ての悪夢のはじまりだと純平は知る由もなかった


イネは青森県の松前藩出身だと語った

まだこの頃の時代は廃藩置県の名残がまだあり「どこの藩の人?」という会話も珍しくはなかったという

この時純平はすぐに察した、それは嘘だと。

あながち間違ってはいないが微妙に違っているのに気付いたのだ


女の身で炭鉱に出稼ぎにくるのには訳があるだろうと純平は察しており、あえてそれ以上言及することはしなかった

だがイネは私の祖母・山下ウメが曰く


「まるで炎のようなひとだったわ。」


というように必要がないのに何もかも純平に打ち明けた


「ここならアイヌでも関係ないでしょう?ね?」


純平の顔を下から覗き込むようにしてそっと耳元でそう呟いたイネ

イネの突然の独白にも、純平は動揺するような事は決してしなかった


純平「そうだよ。ここではそんなこと気にする必要はないんだよ。」


イネと純平、昭和元年のいわきの炭鉱での出逢い、そんなふたりが結ばれるのに時間はかからなかった


翌、昭和2年、イネは豆塚純平の妻として生きる決意を固めたのだった

簡素ながらもふたりの祝言は執り行われ、役場に婚姻届を提出したことにより、イネは晴れて「豆塚イネ」と名乗る事になる

しかし純平は知らなかったのだ、全てはイネの策のうちにある事を。


この時、イネは純平の子を身篭っていた


まだこれは序章にしかすぎない

ありふれた幸せを掴んだかに見えたイネだったが、その胸の内には燃えるような炎の感情を抱いていた・・・


イネの炎が純平の運命を狂わしていく・・・・

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