2>>歓迎します?お父さん
評価有難うございます!
スライディング土下座からの感謝です!!!
ぼちぼち書いていきます。
どすんっ。
駆け寄ってきた(突進してきた)父親に、俺は押し倒される。
父親的には俺が受け止めて再開を喜ぶ…てきな展開を期待していたんだろう。
その証拠に、驚いた顔で俺の上に馬乗りになっている。
「うおお!?大丈夫シノちゃぁああん!?」
絶叫する父親。
グワングワンと俺の肩を掴んで揺らした。
俺はといえば遠のく意識の中でこう思う。
頼む、どいてくれ…と。
だが、そんな願いは虚しく届かず俺の意識は遠のいた。
*****
最初に俺が目にしたのは、木の木目だった。
それが天井だと気づくのに要した時間は数秒。
俺はまだフラつく頭でぼんやりと現実を思い出す。
突如としてゲーム世界(女性向けのエロゲ世界)に飛ばされてしまった俺。
そして信号機色の髪をしたイケメソ三人と出会い、この環境に慣れてきた直後、父親(白いワンピース着用)が現れた。
そこで俺は父親に押し倒され、ショックと酸欠で気絶。
というところだろうか?
思い出してみると、なかなか腹が立つ。
そして俺が貧弱だ。
「……帰りてぇ…」
ついつい本音がポロッと出てしまう。
あの広くないながらも、いつも俺を支えてくれた自室。
そして沢山のエロゲ(もちろん男性向け)とネット仲間。
今思い出しても、なかなか充実した日々だった。
ああ…もう一度寝て目が覚めたら、元に戻ってないかな…。
ついついそんな夢物語まで思い描いてしまう。
「シノちゃん、起きたの!?」
物思いにふけっていた俺は、急にした声にビクッとする。
慌てて声のした方向を向くと、涙目の父親が立っていた。
「もう…目を覚まさないかと思ったよう」
大袈裟な。
だいたい、九十九%父親のせいだ。
「よかったぁ、ほんとに」
微笑む父。
ときめかないけど、やっぱりイケメソだ。
それに、こんなに心配してくれていたのだし…ありがとうと言うべきかもしれない。
「あ、あの…ありが…」
「起きたかーーーーっ!?」
「タイミング考えろきんぱつっっっ!」
俺は急に飛び込んできた金髪…リュウに、反射的に叫んでしまった。
「人が心配してたんだ!その言い方はないだろ!」
「あー、はいはい。ありがとう」
「何だその言い方!俺に感謝しろっ」
「え、なんだ楽しそうだ…僕も入れるといい」
「え、じゃあ俺も入っちゃおうかな」
「父も父も…!」
ギャーギャーと言い合っていると、気づけば全員集合!している。
正直、先程まで気絶していたので安静にしたいんだが…と言ってもこの状況。聞いてもらえないだろう。
「なんでみんな来るんだ!?シノは俺だけに心配されるんでいいんだよ!」
意味わからんことを言い始めるリュウ。
何をそんなにムキになることがあろうか…。
「僕は楽しそうなことには目がない。そう、楽しみが僕を呼んでいるから」
「シノちゃんタイプなんで…つい?」
だが、その言葉で俺は瞬時に思い出す。
違った…!リュウはまだ普通だった!と。
「二人とも変だっての!チチさんもそう思いますよね!?」
「え、俺は別に…シノちゃん愛し隊だし?」
みなさん新事実です。…ココには変な奴しかいない!
俺は心の叫びをあげつつも、四人の続く言い合いを見守る。
「厨二とホモ怖いんだよ!」
「ホモだけどなんだっていうの?ねえ」
「厨二ってなに…?」
「シノちゃん愛し隊入る?」
「ぜひ」
内容はともかく、俺の父親もすっかり打ち解けている。
…内容はともかく、微笑ましかった。
正直、俺には友達らしい友達ができたことがないのだし、こういうのには慣れていない。
唯一の話相手は家族だったのだから。
学校の男子には「男女くるな」「女子といれば?」「シノちゃん(笑)」などとからかわれた事しかない。
だから、この空間にいるということが、なんだかとても嬉しいような温かいような気がする。
…なんでだろう、らしくもないことを考えている。
でも、ほんとうに…
「ぶはぁっ!?!?」
突如、俺の顔にクッションが衝突した。
突然の事に驚きつつ、クッションを投げ返す。
見事な俺のコントロール力!クッションは見事に壁にぶつかって、落ちる。
「スキありだったぞ」
イタズラ好きな悪ガキのような笑顔でこちらを見るリュウ。
「俺たちを相手に考え事してちゃ勝てないからねー?」
「いつ勝負なんて始まったんすか!?」
「殺気」
「それ意味違う!絶対なんかオカシイ!」
「シノ愛し隊?」
「それはもういいから!」
次々と奇想天外なことを言ってくる三名プラス父。
何故俺がツッコミを…。
いや、勝手に口と体がつっこんでしまうのだ。
本能がつっこめと言っているのだ。多分。
俺はげんなりしつつそんなことを思う。
でも、ちょっと楽しいとも。
気づけば、信号機トリオはまた言い合いをしている。
それを確認してなのか、父親がすっとベッドに腰掛けた。
「ねえ、シノちゃん?」
「なに、父さん」
「この世界…意外といいんじゃないかな?」
「………」
まさか父親の口からそんな言葉が出るとは思っていなかった。
だが、その声はいつになく優しい。
それに嬉しそうだ。
それに…
「うん…好きだよ」
さっきは帰りたいなんて言ったが、俺はこの世界が好きになり始めていた。
「うん、俺も…!」
そう言う父親の声に、俺は久しぶりに素直になれた気がした。
なにこれシュール。
キャラが暴走を始めました。