1-5 依頼完了報告
ヒトミが石を投げるなどして魔物の注意を他所へ向けて時間を稼ぐ間に、アキラとニーナが蝙蝠の魔物であるスロウバットを四匹倒す。
戦闘内容は、誰もダメージを負わなかったという意味では十分満足できるものであり、戦闘時間の面では四半刻に渡るそれはゲーム序盤にあるまじき長さだ。
幸い、今倒したばかりの蝙蝠以外に周囲に魔物はいなかったようで、戦闘音で呼び寄せてしまう事もなかった。比較的消耗の浅いヒトミが周囲の警戒を担当し、三人は束の間の休息を挟む。
「さすがに、こんな棒では火力がないな」
火力とは本来は銃火器の威力を示す言葉だが、転じて攻撃力あるいは殲滅力を意味する俗語でもある。元の意味と対さない用法の俗語なので、女性陣二人にも通じないという事はなかった。
「武器性能も問題だけど、ターゲットが分散してるのもねぇ」
苦笑いで問題点を指摘するニーナの言葉に、ヒトミもうんうんと頷いている。
全員が装備している旅人の杖の物理攻撃力補正は+1。無装備状態で最大物理攻撃力は15なのだから、杖による補正は貧弱であると言って差し支えない。
しかし、アキラが気にしたのはその点ではなかった。
「ミソなのは、『最大攻撃力』だろうな。明らかに攻撃回数も戦闘時間にも差がでていたし」
二人の戦闘時間には、数分以上の差があった。手数を優先して浅い踏み込みや下がりながらの攻撃が多かったニーナに対し、回避の後しっかり踏み込んで攻撃したアキラの方が攻撃回数が少ないのはもちろん、戦闘時間も短かったからである。
もちろん、攻撃と攻撃の間の隙が小さな魔物も今後現れるであろうし、どちらの戦い方が必ずしも優れているとは言えないのだが。
「可能な限り攻撃をあてた回数などの条件も揃えていきたいし、しっかり踏み込んで攻撃する事を意識してみてくれ」
幸い、蝙蝠の攻撃パターンは距離をとってからの体当たりのみだった。距離をつめられた場合も、体当たり議見にすれ違って突破して距離を稼ぐという比較的単純な戦法だ。『距離をつめられ続ける限り反撃できない』といった状況を回避する措置なのかも知れないが、『ダメージ=攻撃力*技補正−防御力*命中部位補正 といった単純な演算式ではない』という仮定が正しければ、体重差や加速距離の問題によってその攻撃力は脅威ではないと考えられる。
攻撃回数を調節する事に比べれば、攻撃を受ける回数を調整する方が現状簡単であるという事も考慮して、アキラは先程の提案を行った。
どこまで理解したのかは不明だが、彼女は二つ返事で了承し何度か素振りをして見せる。ほんの数回でその風切り音はずいぶんと鋭さを増した。
「わぁ、ニーナ、すごい!」
子供のようにはしゃぐヒトミと照れて頬を染めるニーナがしばらく戯れていると、無数の羽音が洞窟の奥から迫ってくる。蝙蝠と再遭遇したらしい。
アキラが素早くその数を把握し、ヒトミは小石を集め始める。ニーナも新たな敵に備えて息を潜めた。
◆
それから三時間程が経過した頃。一戦毎に戦闘時間は短くなり、一行は順調にクエストに必要なアイテムの収拾を達成していた。スモールヴァンパイアラットとの遭遇数が少なかったので、ケイプラットやスロウバットの討伐数が多くなってしまったが、実験としては十分な成果が得られたといえる。
結果からいえば、可能な限り条件を揃えても、アキラの方がステータス上昇が早かったのである。その差は最大時でも僅かケイプラット三匹分ではあったが、戦闘内容による誤差として説明がつかない差である事は間違いなかった。特に顕著なのは、HPとSPの伸びだ。なお、差が開き始めたのは討伐開始からしばらく経過してからであり、二匹分の開きが安定して発生するようになってからはほとんど変化しなかった。
ちなみに、三人の中で唯一アキラだけが照明の魔法と休憩時の回復魔法を使っていたにも関わらず、関連しそうなステータスの上昇には至らなかった。戦闘中の経験が成長に繋がりやすいのか、魔法関係のステータスそのものが成長しにくいのか、単に試行回数が少なすぎるのか。
それらを検証すべき事項として記憶して、息を整える。
HPやSPの現在地の値は最大値と等しいが、心身は意識に休息を求めていた。メニューウィンドウで確認できるステータスには『空腹』と『疲労』の悪性補助効果が表示されている。『疲労』は数時間に渡る探索の中で幾度か挟んだ休憩により解消されることが確認できていたが、『空腹』は時間を置いても解消されなかった。
ステータスに表示される『空腹』をタップして確認したところ、SPとMPの消耗が大きくなることに加え、休憩による回復効果が半減するらしい。放置すればやがて『飢餓』へと変化し、時間の経過に伴ってダメージを受けるようになる他、身体能力が低下するようだ。解消には十分な食事が必要との事。
しかし、現代日本人の感性としては、手元にある鼠や蝙蝠の肉を生で食する気にはなれない。いや、調理したからといって、元の素材を知ってなお口にできるかは疑わしい。『空腹』状態による欲求は、小腹が空いた程度の感覚なので当分我慢はできそうだったのは幸いだった。
『最低限の目的は達したので街に帰って食事をとろう』という意見が賛成二棄権一で可決され、一行は洞窟を後にした。棄権である一票の持ち主は『飢餓状態を検証したいと思うが、別に洞窟の中である必要性も感じないのでどちらでも構わない』という意見だ。
戦闘行動に慣れてからの帰り道の洞窟内部で戦った最後の一匹まで、討伐に必要な攻撃回数が減る事はなかった。
◆
「まだこんな時間か」
三人が街につく頃には、かなり日が傾いていた。通りの人通りも、すっかり少なくなっている。
電化製品のないこの世界での夜間の照明は篝火と大量の蝋燭だ。明かりを確保する手間や費用は現実世界のそれとは大きな差があるに違いない。特に用事がなければ日の出とともに起きだし、日の入りとともに眠る生活を送っているのだろう。山陰へと日が沈もうとしているこの時間、屋外で活動している人元が少ないのも納得である。
そんな街の様子にも関わらず、メニューウィンドウが示す現実世界での時間は、ログインした頃から大してかわっていなかった。
夢を利用したまさに夢の技術である『体感時間の湾曲』は公式の発表によれば、脳への負担を十分に考慮してなお二十四倍速でのゲームへの接続を可能にしている。現実世界での一時間がゲーム内での二十四時間にあたるということだ。一日遊んで一時間なのだから、昼間から日が暮れるまで冒険していても現実世界では一時間も経過しているはずがない。
「とりあえず、おなか空いたね」
ニーナがそういうが、まだ現実世界では二時にもなっていない。
しかし、残る二人は首肯する事で同意を示した。
アキラが昼食をとったのがほぼ正午なので、この空腹感はゲームによるものだ。そもそも、現実世界での肉体が強い空腹を感じるような状態になっているならば、ゲームハードによって強制的にログアウトさせられるのだが。
「飲食店どころか、宿もいまから取れるかな……」
同意を受けたニーナは三人を代表して不安を口にするが、いざとなればログアウトして三十分後に集合すればゲーム内部では十二時間が経過している事になるので、深刻な問題ではなかった。ログイン時間が五分ずれただけで内部で二時間の待ちぼうけになる事が難点ではあるが。
報酬と情報交換さえ行ってしまえば別れてしまっても問題はないと割り切って、アキラは次を提案する。
「とにかく、クエストの報告と素材の換金をしよう。店がやってるかどうかなんて一般常識程度の情報なら、ギルドでも手に入るだろうさ」
二手に分かれようにも、クエストを受けているのも所持金があるのもアキラだけである。この世界の魔物を倒しても直接お金を遺す事はなかったので、素材や遺されたアイテムをいちいち換金する必要があったからだ。
ある意味、財布を握っているアキラの意見に対して二人は異を唱える事はなく、冒険者ギルドへと直行する。
一行が冒険者ギルドへと足を運ぶと、さすがに情報屋の少女の姿は既になかったが、街の様子とは対照的にギルド内部は昼間以上の賑わいを見せていた。そのほとんどの人物が簡単な服の上から防具を一つ纏うか盾を背負っているのを見て、アキラは背景事情を推察する。
「彼らも新米冒険者のようだな」
漏れ聞こえてくる会話から察するに、ゲームのリアルさやAIの柔軟さ、そしてゲームの不親切さが話題の中心らしい。NPCの耳目がある中でシステム的な会話をすることにアキラは何となく抵抗感を感じるのだが、彼らにそのような遠慮は存在しないようだった。
特に盗み聞きをする趣味もないので、三人は空いているカウンターへと向かう。
「いかが致しましたか?」
そこにいたのは、昼間に言葉を交えた職員ではなかった。自然な笑顔が相手の笑顔を誘う温和な雰囲気の女性職員だ。時間によって従業員が入れ替わるらしい。細かい演出だ。
「クエストの完了を報告しにきた」
三人を代表してアキラがそう告げると、彼女は資料を束ねた分厚い冊子をカウンターの下から取り出す。
「失礼ですが、ご登録いただいている冒険者様のお名前と、完了したクエストの管理番号または内容を教えて頂けますか?」
事前にティアから説明を受けていたので、アキラは焦る事なくクエスト管理番号を応え、事務的なやり取りは円滑に進む。
完了したクエストについてできるだけ詳しく説明し、証拠としてアイテムもアイテムストレージから取り出した。
一つ一つのアイテムは小さいが、巨大ネズミのシッポ二種合計二十本、牙四十本、巨大コウモリの羽十対ともなれば、受付のカウンターに乗るような量ではない。三人で抱える事になる。
その様に、女性職員は慌てて他の職員を集めた。五人の職員が呼びかけに応じ、アイテムを受け取ってカウンター脇の通路の奥へと運んで行く。自分に続くよう促して彼女自身もその後を追った。
「この通路の奥にある鑑定所で採取証明を発行しておりますので、次回以降のこういったクエストの際はご利用くださいね」
振り返ってそう注意する彼女の声には、険しさよりも微笑ましさが含まれている。
「了解だ」
謝罪するアキラの後ろで、なぜか二人の女性は声を押し殺して笑っていた。
そのまま一行は、換金所へと案内もとい連行された。複数ある部屋のうち、扉にかけられ札が『未使用』となっている部屋へと案内される。札をひっくり返して『鑑定中』へと変えた部屋の中へ、女性職員は三人を招き入れた。
「トラブル回避のための措置ですね」
事前に説明を一通り受けていたアキラはともかく、その後ろで首を傾げる二人へ女性職員はそう説明した。
どんな魔物をいつどれほど倒したのか、入手した素材の状態はどうか、どんなクエストを達成したのか。
それらの情報は、その冒険者がどの程度の実力と資金を持っているか判断する材料になる。悪意あるものに知られれば、法の及ばない場所で襲われる可能性さえあるような情報だという。
また、素材の状態による買い取り価格の変動などによって不平不満を訴える者もいるため、現在の形に落ち着いたらしい。
そんな説明を受けている間に、招集された五人の職員は室内のカウンターにアイテムをおいて退室していた。
「こちらの部屋のカウンターでしたら、広さは十分にあるのでアイテムを広げてもらって構いません。まれに、大型モンスターの首を丸ごとなど持ち帰ってくる方もいらっしゃいますが……そういったものは専門店へお願いします。ギルドで取り扱うには事前に解体して頂くか、解体代行費用が鑑定費用の他に必要となります」
さらに彼女は、換金所の利用についていくつか注意点を列挙する。
一匹から複数の部位を採取し、討伐数をごまかそうとしても職員は見抜けるため、発覚の際は信用の低下が発生する。
また、発行された採取証明書や品質証明書はそのまま売買が可能であるが、再発行は行われない。長期間換金されなかったアイテムは、自動的に換金され冒険者のギルドで保管される。このため、一定期間が経過した各証明書は無効になる。
なお、トラブル回避のため期間経過直前の各証明書を発行ギルド以外で換金することは禁止されている。
「以上で利用の際の注意点の説明は終わりですが、何か質問はありますか?」
「自動で換金されるとの事だが、期間やレートはどうなるんだ?」
丁寧な説明を受けて、アキラは前回と同様の疑問を口にする。
「そうですね、アイテムの種類によって劣化のしやすさはかわりますので、自動で換金されるまでの期間も異なります。もともとギルドでの換金レートは高くありません。『多少品質が落ちてからでも転売が可能である程度』のレートに設定されているからですね。品質の高い状態で専門の業者に卸せば、倍とまではいきませんが、割り増し価格での取引が可能ではないかと思われます」
得られた回答は、文言は違えど同様のものだった。低レートである事を隠すつもりは全くないらしく、彼女はすらすらと答える。
あくまでも、クエストの報告を潤滑に行えるようにするための措置でしかないようだ。品質証明書を持ち込むだけでアイテムの売却ができるというなら、大量のアイテムを何度も鑑定してもらう手間と時間は省ける。
追加の質問がない事を確認して、それではこれで、と彼女も退室した。新米冒険者三人と、カウンター越しの換金所の老職員が取り残される。
換金所の職員はこれもトラブル回避のためか、素材アイテムに触れる事なく三人をカウンターへ手招きした。
促されるままにカウンターへ三人が着くと、老職員はそれではと切り出す。
「ご要望はクエスト報告用の素材アイテムの鑑定でお間違いありませんか? 必要分以上の素材などもありましたら、別途鑑定し証明書を発行いたしますが」
そう問いかける彼の手元には、アキラが受注したクエストの依頼書が並べられていた。五人の職員のうちの誰かが彼に渡したのだろう。続けられた台詞は、ほとんど定型句なのかもしれない。
クエスト報告用アイテムを集める仮定で、報告用アイテムのみを入手するという事は考えづらい。一匹の魔物から入手できる素材はひとつではないし、標的の魔物のみと遭遇できる可能性は、必要討伐数と反比例するように低くなることは言うまでもないからだ。
「何かに使えるかも知れないが……腐ってからでは意味がないか。頼もう」
それらは素材アイテムといわれているのだから、薬や装身具の素材として利用される可能性は高い。市民に必要な道具の素材であり、冒険者にとって無用の長物であるという可能性もあるが。
どちらにしても、用途が判明するまで手元においているうちに腐敗や摩耗で使い物にならなくなっていては本末転倒だった。
近くの狩場の弱い魔物という事で、欲しければいつでも手に入れられると判断し他アキラは、他の素材アイテムもアイテムストレージから取り出してカウンターにある素材の山に上乗せする。後の二人もそれに倣って、初めの山の十倍ほどの体積に膨れ上がった。
それを見た老職員は感嘆の声を漏らし、ひとつ頷くと声にやる気をのせて確認をとる。
「これほどの量の素材、入手するには相当の時間を要した事でしょう。私の方でもよい仕事をさせて頂きたいと思います。本日はもう遅い事ですし、明日の朝までにどなたかの貸し出し倉庫へ証明書をおさめさせて頂くという形は如何でしょうか」
それは長時間拘束してしまう事への配慮なのだろう。アキラは他の二人に視線をやって首肯によって意思を確認すると、詳細の注文を行う。
「クエスト分については今この場でお願いしたい。他の素材については三等分になるようにしてくれ。鑑定費用は俺の取り分から引いてくれて構わない。後ろの二人はヒトミとニーナだ」
「承知致しました。それでは、ヒトミ様、ニーナ様、登録証の提示をお願い致します」
身分証明と簡単な手続きを二人が行う間に、老職員はクエスト報告分の素材を選り分けて、証明書を作成してくれた。
さらにアキラはクエスト達成報酬と、討伐自体が目的だった為に余ってしまったモンスターの素材の品質証明書の清算を依頼する。
老職員はこの場で換金するのは勿体ないと渋ったが、急いで換金したいと主張するアキラに説得され、小降りの袋に選り分けた素材を詰めてカウンター奥の扉から出て行った。老職員が部屋を出る前にした説明によると、この場にはそれほどの大金が用意されていないので、数分待っている必要があるらしい。
その背を見送ったヒトミが、目を輝かせてニーナの袖を引く。
「すごいですね、あの袋! どう見ても入りきらないと思いました!」
彼女が感動しているのは、老職員が素材を詰めた小振りな袋だろう。袋の大きさから推測できる容量の、倍はある素材を詰めてなお袋は張る事すらなかった。詰める量と膨らみ具合に釣り合いが取れていないのだ。
対して、ニーナは冷静……というか冷めた態度を取っている。
「ゲームなんだから、見た目と内容量にいちいち突っ込んでても仕方ないんじゃない? それを言い出したら、私たちなんかそこに積んである素材を全部持ち歩きながら戦闘してたんだし」
彼女が指差す素材の山は少し削られてなお、人ひとりが埋まるには十分な体積を誇っている。
友人の珍しくクールな態度にあてられたのか、あるいは指摘の内容がもっとも過ぎて恥ずかしくなったのか、ヒトミはあっという間に落ち着きを取り戻す。
「そう、ですね。すみません、取り乱しました」
ところが今度は冷静を通り越して落ち込んでしまったようで、暗い表情で俯いてしまう。十分な明るさが確保されているとはいえ、その全ての光源が蝋燭の揺らめく光だ。慣れていない現代人の感覚から見れば、軽くホラーでさえある。
そんな彼女が醸し出す雰囲気に気圧されたわけではないが、アキラはニーナの意見を否定する言葉を口にした。
「いや、あの袋はすごいアイテムだろうな」
その台詞に、二人の視線が集まるのは自然な流れだった。
「仮に、袋の口にさえ入れば体積も質量も無視して運べることが一般的であるとすると、運搬系クエストの存在意義がほとんどなくなるだろう? もし可能なら、大工達も重たい角材をそういった袋に詰めて運んでいたはずだしな」
「では、体積は無視できても質量は変化しないのという事も考えられますね」
「それもどうだろうな。まぁ、今分かっている情報だけから判断すると、ああいった道具は使用できる回数や状況が限定されていて、そこそこに高級なはずという事だ」
「どうして分かるんだ?」
「エントランスの受付でアイテムを取り出したとき、受付の職員はしまうように要求せずにわざわざ他の職員を呼びつけて分担させただろう。気軽に使える物であるなら、そういった対応をするとは思えない」
ヒトミの相槌とニーナの質問に答えている間に、老職員は硬貨を載せた盆を手に戻ってきた。三等分された小さな硬貨の山は全て銀色だが、老職員の説明によると、小さな一cr硬貨と大きな百cr硬貨が混ざっているらしい。
「なるほど、確かに」
「ありがとうございます」
「気が利くね」
三者三様に礼を述べて、山をひとつ受け取ってメニューへ仕舞う。
その一部始終を見ていたろう職員が何も言わないあたり、『そういった方法』自体が存在しないわけではないらしい。どういった解釈をされているのか気になったが、『今俺たちが何をしたのか説明してみろ』などと怪しい欲求をするわけにもいかない。
「では、残りは明日の朝に」
アキラは会釈とともにそれだけを告げ、部屋を後にした。
▼内容
・vs蝙蝠戦
・依頼報告
・報酬の会得
・アイテム格納の不思議