羊が一匹つぶされました。
どうやら今日から新学期がはじまるようです。
壇上では生徒会の西谷浩平くんが新入生に向けて挨拶をしています。
「新入生のみなさん御入学おめでとうございます、と一応言っておきましょう。私が生徒会長の西谷浩平です。
はーい、もうしゃべってくれても大丈夫ですよ。
あぁん、喋ってもいいっつたんだよ!怒鳴っていいとはいってねえ。はい、ご協力ありがとうございます。
というわけでみなさんご存知かと思いますが一応。
・・・・ゴホンッ
生徒会長の西谷だ。そこでこうちゃんとか言ったくそ副会長はあとでぼこるとして。
この猿山のボスになりたいやつあ俺らにかかってこい。ただし4人1組だ例外は認めねえ。
それと絶対ないが俺らに勝ったときには新生徒会顧問が必要なので誰かに頼んでおくように。
四天王は全員生徒会室だ。明日からならだれでも挑戦受付中だ。
あ、言っとくがバカでないことは最低条件だ。
文武両道。それでこそ東山校生だ。健闘を祈る。」
浩平くんがそう締めくくると体育館中はワッと沸いてしまいました。
先生たちがどんなに注意しても静かになりません。すると一人の生徒がマイクを持って喋りだしました。
「はーい、会長さん珍しくまじめにありがとうございました。」
すると場内はすぐに静かになりました。
決して怒鳴っているわけでもないのに自然と耳に入ってくる声が体育館中に響き渡ったのです。
まあそれよりきっとここでは珍しい女子生徒でなおかつ美人だったからという方が大きいでしょうけど。
「みなさん私のほうをむいてなんですかもうー。あ、私のことを聞きたい?後でわかりますよ。」
そういうとその女子生徒はふふふと可憐に笑いました。どこかで人の倒れる音がしましたね。ご愁傷様です。
「では、静かになったところで。次は生徒会長さんから生徒会メンバーの紹介です。生徒会のみなさんお願いします。」
そういうと周りの視線が女子生徒から壇上に移りました。
「というわけで俺が紹介していくらしいけど、まあ名前だけ紹介するからあとはマイクまわして適当にコメント頼む。左から副会長の響野哲、会計の岸谷晴、書記の山本芽依以上4名。それと忘れられない俺らのボス、生徒会顧問の山井晃先生だ。
はい、じゃあマイクまわすな。」
そういうと浩平くんはマイクを哲くんに渡しました。
「副会長の哲です!
僕ケンカとか怖いのであんまり僕にかかわらないでほしいなあなんて。
それでも僕に用があるっていうくされやろうさんは…僕が綺麗に掃除してあげますね☆」
哲くんがそう言い終わるやいなや、体育館中が騒がしくなりました。
どなり声と声援ですね。ほとんどが男子だというのに哲くんなんて恐ろしい子。
まあこれもすべて計算通りというやつでしょう。
場内が静かになるのを確認するとマイクを渡された晴君が話し始めました。
「えっと、ご紹介にあずかりました、生徒会会計の岸谷晴です。
俺はほかのメンバーと違って普通の人なので俺に用がある人は俺を見つけるところから頑張ってください。」
体育館はあいつを一番に倒そうとか不穏な話が聞こえてします。
しかしそれも次の芽依ちゃんにマイクが移るまでのことでした。
「あ、あのえっと。書記の芽依です!!別に浩ちゃんたちみたいに強かったりはしないです。
でも…私はいつもどこかにいますので、背後には十分ご注意を。」
芽依ちゃんはそう言うとにっこりとほほ笑みぺこりとお辞儀をしました。
体育館中が今日一番のざわめきをみせました。
「あれが噂のメリーさんか?」
「まさか……あんなかわいくて穏やかな顔をしてるのに。」
「あれはどこからどう見ても天使だぞ。」
「でも東山四天王紅一点のメリーさんといえば他にはいないだろ。」
あの人なら俺でも倒せそ…いや、いただけそう。」
「おいやめとけって、仮にも四天王だぞ。」
「でもみてみろよ、あの身体。まるで狙ってくださいと言わんばかりじゃないか。」
「たしかに・・・。」
なんてことが去年もあって一番狙われたのは新入生には知る由もないこと。
だって女に負けたなんて言いふらす先輩は誰もいませんからね。
「静かにしろ、俺が喋るんだ。黙って聞けないやつはその口縫合してやろうか。
よし、いい子達だ。俺が、顧問の晃だ。俺に喧嘩吹っ掛けてくるようなモノ好きはいねえと思うがいるなら相手になってやるよ。
いつもは生徒会室か生物準備室にいる。よろしく。」
体育館を冷たい空気が流れます。
晃先生怖すぎです。
生徒会が立ち去るとまた先ほどの女子生徒が壇上に立ちました。
「はーい、ありがとうございました!では次は委員長たちの紹介に移りたいと思います。
ささ、私について壇上にあがってくださいね。」
そういうと計8人の生徒が壇上に上がった。
「お察しの方もいると思いますが。放送委員長、神谷春香です。
お昼と帰りの放送とかもしてるのでよろしくねー。ちなみにライバルは哲くんで、親友は芽依ちゃんだったりします。というわけであんまり私にちょっかい出すと芽依ちゃんが怒っちゃうぞーなんてね。
はーい、じゃあ次、体育委員長の原田君ー。」
そのあとも何人かの挨拶が続いたんですが尺の都合上カーットです。まあここ以外で出てくることもないでしょう。
まあそんなこんなで無事?入学式も終わりまして、舞台は生徒会へと移るのです。
こんにちは、こんばんは、姫歌です。
まだまだつづきます。というか入学式長すぎていつ終わるのかとヒヤヒヤでした。
とりあえず主要人物の自己紹介会でした。
わたしあんまり一気に出すのは好きじゃないんですが、今回はまあ仕方ないです。
いつも通り、批判・アドバイス・感想等ぜひいただけたらなと思います。
では、綺麗な茜色がさすその日まで…