捨てられた黒髪の少年
初投稿です
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ボクの名前はジン・グロックス。
父が世界の魔法使いの頂点に立つ5人(火、水、風、光、闇)の大魔法使いで光属性を貫く偉大な人だ。
ボクはその五人兄弟の三男として生まれた。
しかしボクは周りの兄弟とは少し違う・・・。光属性を極めているわが家の人々は皆、
髪の毛の色が綺麗な金色なのに対して、ボクの髪の色は黒いのだ・・・
そのせいか周りの兄弟と比べて少し避けられて、剣術や魔法の練習にあきらかに差があった。それに加えてボクは才能がなく、特に光属性など、一度もできなかった。
寝るところもボクは屋根裏部屋の小さな部屋なのに対し、周りの兄弟は一人に一つ、
設備のそろった子供には十分すぎる大きさの個室が用意されていた。
食事も家族とは一緒に食べることができず、一人屋根裏部屋で冷たい料理を食べていた。
誰にも愛されず一人孤独に生きていた。
それでもボクはよかった。
そんな生活を過ごしていたボクも明日で5才。
いまだに魔法も剣術も進歩しない・・・
しかし、どんなにひどい扱いで、才能のないボクにも誕生日だけは父上も母上も優しいのだ。
明日が楽しみだ
・・・・・・
ボクは寒さで目が覚めた
ここはどこだ?
声に出したかったができなかった。
口をタオルで覆われていたのだ、身動きもとれない。
どうやら光属性の光手錠が手と足にかけられているようだ。中級魔法だが、ボクには到底
抜け出すことはできない。
とりあえず周りを確認してみる
周りは高い木ばかりで、近くには湖があった。その湖からは白い湯気のようなものが
浮き出ていた
もしやっ!
本で読んだことがあるが、ここはきっと「生死の湖」
と、呼ばれる場所だ、生死の湖は通称自殺の湖と呼ばれ、ここにはよく
魔族や魔物、野獣が頻繁にくるのだ。この湖の水には回復効果があるらしく
その水からは白い霊気が立ち上っているという。
そして、ここにきた探索者達はだいたい殺されるのだという。
そこまで考えてやっと理解できた。
――ボクは捨てられたんだ――
ショックが大きすぎて、涙も出なかった
いっそボクの寝ている間に楽に殺してほしかった・・・
そんなことすら考えていた。
すると近くから足音が聞こえてきた
ついにボクも死ぬのだろう
足音の主は次第にボクに近づいてくる。
そしてついにぼくの真後ろまで来た
すると、なにやらその足音の主は魔法を唱えていた
呪文が終わると同時に手と足の、窮屈感がなくなった
光手錠は消えていた。
そしてボクは振り返り、呪文をといてくれた主を見た
体は2メートルはあるだろうか、とても筋肉質である
そして背中のあたりからは黒くて大きな翼が生えていた
そのでかい体で口に縛られていたタオルを優しくほどいてくれた
「ま、魔族・・・?」
「小僧知っているのか?」
「ほ、本で少し読んだ程度だけど・・・」
初めて見る魔族は迫力がありすぎて、もはや恐れることもできなかった。
「てことはオレがお前に何をしようとしているかわかるな?」
「はい・・・殺して食べるんでしょ?殺すなら苦しまずに死にたい。」
「ああそうだ、でもお前の眼を見てみて分かった。お前の過去は最悪だな。
昔のオレに似ている。気が変わったぜ、ジン。お前俺と一緒に来て強くなれ
そして昔の家族に自分の力を見せしめるんだ」
なにを言ってるんだ、この魔族は。あとなんでボクの名前や過去がわかったのだろう
「なんでボクの名前や過去のことがわかるの?、言ってもないのに・・・」
「それはこの魔眼というものを使ったからだ。」
さすが魔族。そんなことができるんだ!でも・・・
「ボクには才能がないから無理だよ・・・、剣はともかく魔法は特に・・・」
「才能がない?、バカをぬかすな!、お前は自分の本当の才能を知らないだけだ。
たしかに光属性は皆無だ。しかし、お前には‘闇属性’がある。」
「闇魔法?」
「ああ、これだ」
すると手から真っ黒な炎が燃え始めた
そして、その火を小さくして丸めて、大木に向かって投げた
一瞬ピカッと光ると
次の瞬間には当たった大木は跡形もなく消え失せていた。
「す、すごい」
「そうだろう!、お前は我以上に才能がある。これが最後だ
一緒にこないか?」
「は、はい!」
このままここにいても死んでしまうし、この魔族について行った方がまだいいはず・・・
いつかまた強くなって、父上に認めてもらうんだ
そして、父上に捨てたことを後悔させてやる!
「おう、よく言った。」
「頑張ります!」
「あと敬語で話すな。なんか慣れなくてむずむずするわい」
「はい・・・じゃなくて、うん」
現時点の能力
ジン 5才
HP 15
MP 1000
剣術 Lv2
闇属性魔法 Lv13
特殊能力
なし
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