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ドタバタ学園生活の青春の日々

作者: 夢見長屋
掲載日:2013/09/17

「君は俺の太陽だ!ぜひ俺と付き合ってくれ!!」

昼休みに親友がいきなり大声で放ったこの言葉に、騒がしかった教室に沈黙が訪れる。

告白されているのは、先週このクラスに転校してきた女子生徒だ。

会ってまだ一週間しかたっていないのに、いきなり告白された女子は戸惑い、助けを求めるようにクラスを見渡す。

その心底困った目を見て、俺は溜息を吐くと、机の横に立てかけていたハリセンを持って親友の後ろに立ち、

「いきなりで、彼女困っているだろう!」

そう言って、おもいっきり張り線で後頭部を叩いた。

バッチン!!!

普段なかなか聞くことの無いような快音と共に、親友は面白いように吹き飛び、そのまま頭を押さえてうずくまる。

そんな親友はほっておいて、俺は告白された女子生徒に話しかける。

「ごめんな、いきなり告白されて戸惑っただろう?あいつはあいつなりで真剣に告白しただろうけど、あんまり真面目に反応しないでね」

「えっ、でも」

女子生徒は、俺とうずくまる親友を見比べる。

 「いやホント、君が真面目に反応したら馬鹿が付け上がるからさ」

その光景を見ていたクラスの女子も、俺の言葉に賛同するように同じような声がかけられる。

「うん、本当に気にしなくていいよ。私も入学したときに告白されたし」

「私は昨日告白された~」

「ウチなんかこの間告白されたのも含めて、8回告白されたことがあるよ」

クラスの女子の言葉に、戸惑っていた女子生徒は何か安心できたのか、小さくうなずく。

……しかし、今の発言を聞く限り、一体この馬鹿は何人に告白しているのだ?

ようやく後頭部の痛みが引いたのか、親友が立ちあがり涙目で俺に非難の声を上げる。

「おいブラザー、なんでいきなり叩くんだよ。今俺は彼女が頬を赤らめ、恥ずかしながら上目使いで俺の愛に答えてくれる大事な時なんだぞ!!」

……本当にこの馬鹿は、一体彼女にどれだけ期待しているんだ。

「聞く必要は無いだろう。いつも通り振られるんだよ、お前は」

冷たく言う俺に、親友は熱く否定する。

「そんなことはない!今日は告白する前にトイレの鏡で最高の笑顔を練習してきた。この輝かしいスマイルを見せたらきっと俺にメロメロになるはずだ!!」

何処の歯磨きのCMだよ、って思うほどキラーンとした歯を見せた笑顔をつくる。

……なぜこいつはこんなにも前向きなのか?

「わかった…。お前の笑顔は最高だ。だから大人しくあきらめような」

俺は優しく親友の肩を叩きそう諭す。が、

「あきらめる?馬鹿な、まだ俺の真の価値をアピールしていないのにあきらめられるか!!」

親友はいきなりシャツを脱ぎ、上半身裸となる。

そして、無駄に鍛えられた肉体美を見せつけるようにポージングを決める。

「見ろ!これが愛しの君に送る俺の愛の肉体言語『セクシーポーズ』だ!!!」

…………………………………真正の馬鹿がここにいた。

なんでそれで彼女が付き合ってくれると思うのかがわからない。

実際、目の前にいる女子は顔を真っ赤にして恥ずかしそうに下を向き、クラスにいた女子も「キャー」と悲鳴を上げる。

……なぜだろう。悲鳴を上げている割に内のクラスの女子は携帯を取り出して写メを撮っているんだ?

しかもそこの女子、なんで俺とこの馬鹿がツーショットになるように撮っているんだ!

俺はもう一度、ハリセンで親友の後頭部を殴りつける。

「お前は本当に馬鹿だ!見ろ、彼女が困っているだろう!」

俺が彼女の方を指しながら言うと、

「あの…、私は付き合っても…、いいです」

俺の怒鳴り声の影で、小さなそんな声が聞こえた。

最初幻聴かと思ったが、クラスの人間にも彼女の声が聞こえたのか、クラスに本日二度目の沈黙が訪れる。

その沈黙の中、もう一度彼女が言う。

「私でよければ…、喜んで」

この言葉で、クラスが爆発したかのような歓声と奇声が木霊する。

親友は上半身裸のまま天に向かって吠え、熱い思いのまま彼女に抱擁しようとするが、彼女はそれをかわし親友は空振りした勢いでその場に盛大にコケ、その姿を見て彼女は楽しそうに微笑む。

若干寒気がする彼女の笑みに、俺は頬が引きつりながらも、いつも馬鹿が起こす騒動に、今日からさらに混乱の種が増えたと感じてしまった。


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