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Episode1-(5)

おはようございます。

藁氏です。


そろそろ、固定ファンが付いてくれないかな? なんていう願望を持ってしまっていたり。

相変わらずの文体ですが、最後までお付き合い宜しくお願いします。

 そういえば、八頭の種族は何だったのだろうか。自分のアバターにばかり気を取られていて、八頭のアバターの細部にまでは目がいっていなかった。

 後で、聞いてみよう。流石に、今は熟睡しているだろうからそんな事でわざわざ電話して起こしてしまうのは気が引けた。

 俺は、その後も一通りプレイガイドを読み進めて公式ホームページを閉じた。

 流石、《オール・ファンタジック・オンライン》というだけはあって、恐らくは思いつく限りのファンタジー要素を取り入れたのだろう。魔法や剣技等、正に何でもありである。スキルは合計1万種類もあるらしい。それを全部確認するには、相当の時間がかかるだろう。

 そして、ここからは俺の想像の域を出ないが恐らくは種族によって、覚えられるスキルの種類やパラメータの種族補正が違っていると思う。

 そういったことが、プレイガイドに載っていないのはプレイヤー自身でそれを見極めろという事だろう。まぁ、そういった要素が無くては面白くない。

 《AFO》からログアウトしてまだ一時間程しかたっていなかったが、もっとこのゲームの世界を楽しみたいという欲望に負け、フィールプロテクターを手に取る。

「コネクト・イン! オール・ファンタジック・オンライン!」

 俺は再びゲームの世界へと入っていった――。




                    @@@




 さて……。ゲーム世界にログインした俺は辺りを見回す。プレイガイドをしっかり見る事が出来たおかげで大分、この世界が分かっていた。

 ログインした場所は、八頭とログアウトした時と同じ最初の街。一応、都市名が付いている様で、視界右上には《ファンランタウン》と表示されていた。

 その表示もすぐに消える。どうやら、一定時間経つとこういった表示は消えるようだ。

 相も変わらず、完璧なまでのグラフィックだった。どうやら、この世界にも時間という概念が存在するようで、現実世界の時間とリンクしているのかまでは断定出来なかったが、さっきよりも若干日が傾いているようにも思えた。

 そして、こちらも相変わらず。といっても、未練タラタラなのだが。自分の銀髪を撫でるようにして手に取る。それは、本当の髪のようにサラサラとしていて指の間からすうっと抜けていく。本当に、自分の髪なのかどうかも分からないくらいに、綺麗だった。

 自分で言うのも何なんだけどなぁ……。

 それから、街の中を一頻り歩いて回る。

 この容姿のせいなのかどうかは分からなかったが、とにかく注目を浴びてしまう。

 それも仕方ないだろう。

 もし、俺もこんな美少女が歩いていたら、思わず立ち止まって凝視してしまうだろう。こうやって、される側になってみると気分の良いものではないけど。

 街の中は、あまり大きく造られているわけでは無さそうで、五分もすればすぐに元の場所に戻ってくる事が出来た。初心者が集まる街という事なのだろうか。

 やたらに、武器や防具を販売する店や恐らくはHPやMPを回復するための、宿屋がそこら中に点在していた。ただ、さっき確認したところ、初期に配布されるGoldは無しらしい。

 つまりは、何らかの方法でGoldを稼がないとどうやら、そういった装備品を買う事が出来ないらしい。俺の目的はこの容姿を隠すこと。

 Goldが無いと始まらない。

 俺は、色々と考え一つの決心を固めた。

 ――よし。フィールドに出てモンスターを倒してみるか。テストも兼ねて、どういった動作をするのかも体験してみたいし。大まかな戦闘の動作は予備知識として頭に入っているから、弱いモンスターなら倒す事も可能かもしれない。

 俺は、そうと決めれば早速行動に移した。街から外へと続く道を歩いていく。すると、不意に近づいてくるキャラクターが居た。

「こんにちは。お一人ですか?」

 背の高い、男のキャラクターである。青の長い髪を後ろで一つに束ねているが、顔つきから察するにどうやら男性プレイヤーのようだった。種族は、《ヴォジャノーイ》だろう。青い髪は《ヴォジャノーイ》の特徴だからだ。

 俺ほどとはいかないまでも、そこそこに整った女顔をしている。表示されているキャラクター名は《ラルク》。

 ナンパだろうか? 今までは、遠くから眺めてみる人しかいなかったがついに実行に移ったという事か? 俺は、不信に思いつつも目の前の男に返事をする。

「こんにちは。一人です」

「そうですか。もしかして初心者の方ですか?」

「はい。ついさっき始めたばかりなんです。ラルクさんは?」

「僕もまだまだ初心者の域を出ない若輩者ですよ」

 そういうと、ラルクは軽く笑う。

「へぇ。じゃぁ、俺――」

 そこまで言って俺は言葉に詰まってしまった。そういえば、俺の外見は美少女になっているんだった。今、俺と言ってしまったが気づかれただろうか?

「はは。隠さなくても大丈夫ですよ。Keiさんが男性の方なのはなんとなく分かっていましたし」

 俺は、その言葉に思わず呆けてしまう。今の俺は、どこからどうみても完璧な美少女になっているはずなのに、どうやって男と気づいたのだろうか?

「実は、自動生成されるアバターには大まかに型があるんです。あ、これはまだあまり出回っていない情報なので、あまり広めないで下さいね? まだ20種類ぐらいしか見つけられていないんですが。ちなみに、Keiさんのアバターは男性パーツ一つと女性パーツ七つで構成されてます。男性パーツはその銀色の髪。他のは、全部女性パーツです。こういう、男性を選んだのに女性アバターのようになっている、またその逆もありですが。そういうのを、僕は《FM型》と呼ぶようにしています。まぁ、それでもそこまで美少女に近いアバターは珍しいんですけどね。というか、初めて見ましたよ」

 初めて聞いた情報だった。これは、運営側が故意にプレイガイドに載せなかった機能だろう。それを、まだ発売して数日しか経っていないのに誰かが見つける事が出来るなんて。

 やっぱり、コアなゲーマーが多数参加しているせいなのか?

「そんな貴重な情報を有難うございます。俺は、これから初めてモンスターを倒しに行くんですがラルクさんはもう経験ありですか?」

「えぇ。一応は。それなりに経験地も手に入れたので、レベルも3になりました。この辺のモンスターは初心者用に弱く設定されているようなので、お薦めです。あ、それとお互い敬語は無しにしませんか? せっかくのゲームの世界なのに堅苦しいですし。それに、お互いに実際会っている訳でも無いんだから、さん付けとか馬鹿らしくありません?」

「それもそうですね。じゃぁ、ラルク。出来れば、初めての戦闘に着いて来て貰えない? 友人とプレイしてたんだけど、あいつログアウトしちゃったんで。もし、そっちが良ければだけど……」

 本当はソロで行くはずだったのだが、ラルクの突然の登場で気が変わった。それに、経験者という事だし色々と教わる事も多いだろう。

「全然構わないさ。ってか、その為にKeiに声をかけたんだ。友人は多ければ多いほど良いし、現実では教師をやっていてね。教えるのは好きなんだ」

 教師か。何処かお堅い人のイメージがある教師もゲームは好きなのか。まぁ、このゲームだからという事もありそうだけど。何より、ラルクがOKの返事をしてくれたのが好都合だ。MMORPGでソロプレイってのは結構難易度が高い。プレイする人数は多いほうが何かと都合がいいものだ。

 ん? そういえば、教師という事は明らかに俺よりも年上……。まぁ、ゲームの中だしそんな事は別段気にすることもない。

「ありがと。じゃぁ、早速フィールドに出よう」

「ちょっと待った」

 フィールドに出ようと再び歩みを進める俺をラルクが呼び止めた。振り返ると、空中で手を動かして、なにやら操作をしているようだった。

 すると、携帯の着信音のようなベルの音が鳴り響く。

「な……何だ?」

「パーティの申請を送ったから、メインメニューから受理して」

 俺はメインメニューを呼び出すと、《パーティ》から《受理》を選択する。すると、ラルクの名前の表示色が緑から青に変わった。

 恐らくは、これで《パーティ》を組んだということだろう。

「それじゃぁ、パーティも組んだ事だしフィールドに出ようか」

「あぁ。じゃぁ、短い間だけど宜しく」

「こちらこそ宜しく。美少女と組めるなんて光栄だね」

「正確には美少年だけどね」

 俺達はそんな冗談を言い合って笑いながらフィールドへと出て行った――。

 

どうでしたでしょうか?


新キャラクター、ラルクの登場です。

これから主要人物になるかどうかは不明ですけどね。



慶太「ラルクは良い人だと思うなぁ」


八頭「気をつけろ。ネットには本当の自分を隠しているやつが大勢いるからな」


慶太「馬路か。じゃぁ、気をつけよう。忠告有難う」


八頭「お礼するならゲーム世界で抱きついてくれ」


慶太「……」


では、次の更新は来週になりますー。いや、頑張れば今日中にもう一回投稿出来るか……?



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