Episode1-(4)
こんばんは。藁氏です。
またもや、キリが悪いところでぶったぎりました。申し訳ございません。
宮城県で地震が起きたようで。東京在住の藁氏にも被害が来ました。恐かったので何か不吉な事が起こらない内に更新しましたw
「じゃぁ、俺達は自分の種族のリーダーが宣戦布告をしない限りは、PvsPは出来ないっていう解釈でいいのか?」
「いや、そうでもないらしいぞ。今俺達が居るような街では、保護機能が働いて相手に攻撃するという行為は行えても、実際にHPにが減る事は無い。ただし、フィールドに出れば別。保護機能は街の中にしか適用されていないから、《PK》も出来るらしい。街の中でも、双方が納得した試合ならば《決闘》コマンドで試合をする事も出来る」
ということは、基本的にこのゲームは多人数個人対戦型のゲームという事だろう。俺達のような初期レベルのプレイヤーに対しては、この機能は嬉しい。何故ならば、PvsPが出来る仕様で何処でもそれが行えてしまえば、初心者狩りをされる心配がある。
それを考えると、この保護機能さえあれば街の中では倒される事はまず無い。フィールドに出ても余程の事が無い限りは、経験地を貯めるのに集中する事が出来るだろう。
まぁ、もし自分が狩られる側ではなく狩る側であれば、この機能は欲求を満たすためには障害としか為らない様だが。
「つまりは、プレイヤーを倒したりモンスターを倒す。それに加えて不定期に行われるであろう、戦争を待つ。それが、このゲームの一般的な遊び方なんだな。じゃぁ、その戦争が起きるまではひたすらにレベルを上げて能力を高めるしかないのか」
「一応、ダンジョンもあるらしいからそれを攻略していくのも面白いかもな! それに、《ギルド》とか、《パーティ》とかそういう交流目的のシステムもあるからそれを使って、他のユーザーと一緒にプレイしてみるのもいいかもしれない」
「《ギルド》に《パーティ》か。確かに、それは面白いかも。《パーティ》はともかく、《ギルド》は初心者が入ると、逆に邪魔者扱いされかねないから、入るのならこのゲームを少しやり込んでからにしないか?」
オンラインゲームというものには、必ず上級者という存在がある。《ギルド》という一つの集団のリーダーは大体が、この上級者という存在になっている事が多い。《ギルド》の主な、活動理由は交流なのだが中には交流よりも、集団の力の底上げを優先するのも多い。そういったところは大抵、ほとんどのギルドメンバーが高レベルだったり、経験者だったりする。万が一にもそういった《ギルド》に初心者が入ってしまうと、邪魔者扱いをされてしまい、運が悪いとかなり醜悪な叩き行為に発展してしまう場合もある。
何故ならば、初心者がいると集団でモンスターを倒しに行く場合、ほとんどの確立で足手纏いになってしまうからである。数は絶対の力だというが、数があれば良いという事ではない。ただ突っ立っているだけの人間なら居ないほうがいいのである。ただでさえ、低レベルなのにも関わらずそれに加えて動き方も分からないとなると、それは非難されても仕方が無い。
実際、俺も前にやっていたオンラインゲームで一緒に敵を倒しに行った仲間が、実は友人のキャラクターを使わせてもらっていてやり方は分からないといわれた時には、ついイラっときてしまった。
「そうだな。で、今日はどうする? 時間的にはまだ大丈夫だが、正直俺は眠くてしょうがないんだが。今日が休日で良かったぜ……」
「え? お前、寝てないの?」
「おうよ! 青春に迸る興奮で気が気でなくってな! 遂に一睡もせずにこのゲームの世界に入るのを今か今かと待っていたのさ!」
成程。解釈の仕方によっては若干危ない台詞だった気がする。それにしても、一睡もしないっていうのは問題だ。いくら、八頭だからといっても無理をさせることは出来ない。俺は、もう少しこのゲームについて知っておきたいから一旦ログアウトして公式ホームページをじっくり閲覧しようと思っていた。
「俺は、一旦ログアウトして公式ホームページを見たいんだよね。そしたら、もう一回ログインしようと思うけど……。八頭はどうするんだ? 流石に、寝ないのは不味いんじゃないか? このゲーム、結構疲労溜まりそうだし。一旦休んだほうがいいんじゃないか?」
「それもそうだな……。じゃぁ、俺は寝かせてもらうよ。また後で連絡する」
そういうと、八頭は何やら空中で画面を操作する。恐らくは、さっきのメニューからログアウトを選択しているのだろう。
どうやら、他のプレイヤーからは見えないようだった。
――そして、一瞬にして消える。
ログアウトしたのかな? 今頃は、自分の部屋の布団の中で日向でまどろんでいる猫のようになっていることだろう。
俺も、指を振ってメインメニューを呼び出す。一番下の欄のログアウトにタッチすると、周りの光景が急にブレ始める。恐らくは、ゲームとの回線を切ったのだろう。次第に、ブレも収まり真っ暗な空間に変わっていく。ゲームの世界に入った時のように、光の輪の中をくぐっていく。
――――そして、気づいたときには俺はベッドに横たわっていた。少し時間が経ってしまったせいなのか、フィールプロテクターを着けた時に明るかった空には、少し陰りが見えていた。それが、時間の経過なのか天気の変化なのかは分からない。
「うぅ、身体が少しダルい……?」
ベッドから起き上がると、身体の重心がとても低くなってしまったかのように、脚の辺りにズンとした重みがある。
予想通り、このフィールプロテクターは結構身体に負担がかかるようだ。恐らくは、脳に色々と信号が与えられているせいだろう。
何か、後遺症が残らないか心配だなぁ。
俺は、ギシギシと軋む身体を動かして、立ち上げっぱなしだったパソコンを操作する。勿論、開くのは《AFO》公式ホームページ。
プレイガイドをクリックすると、三ページ程に渡ってこのゲームのおおまかな説明が載っていた。俺はその中から知りたい情報のみを頭の中にインプットしていく。
やはり、気になったのは種族について。《ギルド》や《パーティ》等は大体が、他のゲームと変わらない機能だったので特に気にせずにスルーした。
種族については、丸々一ページ分が使用されている。
まず、種族毎の容姿について。基本的には顔や身体は人間がモチーフになっているらしい。間違っても 魔王のように巨大な身体になったり、はたまた魔物顔負けのグロテスクな容姿になることは無い。まぁ、それはそれで面白そうだが。種族ごとにワンポイントはあるらしい。
そして、容姿の格好の良さや可愛さは全くもって種族に関係ないということだ。全て、何万種類ものパターンからランダムで組み合わされたパーツによって自動的に決まるらしい。そして、良いパーツほど出る確率が低くなる仕様になっていて、このゲームで、最初にあまり良くないアバターになってしまった人が、それなりの容姿を手に入れるには相当課金するしかないらしい。
つまりは、俺がランダムで当てられたアバターはその貴重なパーツが上手くマッチングして作られた、いわば至高の一品である。
そう言われると、改めてこのゲームのシステムを恨む気持ちが強くなる。
何故、格好良いアバターにしてくれなかったんだ! どうせ、当たるなら可愛いよりも格好良いが良かったよ!?
そして、種族の簡単な説明。
《ケットシー》は俺の記憶が正しかったようで、アイルランドで猫の妖精を表す。ワンポイントは猫耳がが生えている事。
《クーシー》はスコットランドの犬の妖精。番犬のような存在になっており、非常に獰猛。ワンポイントは犬耳。《ケットシー》との判別が難しい。こんな種族を出すのなら、メジャーな《エルフ》を出してもいいんじゃないか?
《カリカンジャロス》というのは、ギリシャの《ゴブリン》に似た生き物。地の精になっていて、ワンポイントは浅黒い肌。
――《ゴブリン》に似たような生き物なら《ゴブリン》でも良かったのでは?
そして、気になっていた俺自身が選択した種族の《レーシー》。どうやら、世界各地に住んでいる森の精らしい。ワンポイントは碧眼。それに、比較的小柄という事。成程、眼の色までは気づかなかったが俺のアバターが他に比べて小さいのは仕様らしい。
そして、最後の種族が《ヴォジャノーイ》。東欧に伝わる水の精らしい。四精にもなっている《ウンディーネ》とは、違うらしい。ワンポイントは、青い髪。水の精ということで、この色にしたのだろう。ぴったりである。
どうでしたでしょうか?
本当に、文才無くてすいません><
それでは! 次回はいつになるのかなぁ。。今週もう一話投稿できるかなぁ。。
感想、アドバイスお待ちしております!