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Episode1-(12)

こんばんは。藁氏です。


すいません、今回も話が動きませんでしたが次で確実に動きます。

はい、本当です、


ワタシ、ウマレテコノカタウソツイタコトナイネ。

 俺は、なおも食い下がってきた不亜を振り切り、自室のドアをバタンと勢い良く閉める。

 何か、どっと疲れが来た気がする。

 ふらふらと千鳥足でベッドに寝転がる。ベッドはそんな俺を、そのふかふかのクッション性能で優しく受け止めてくれた。

 そして、俺は緩慢とした動作でベッドの中へと潜りこむ。

 全身から瞬く間に力が抜けていくのを感じた。もう既に、頭から足の先まで痺れたような感覚に囚われてしまっている。

 開け放たれたカーテンからは、冬ながら暖かい日差しが入り込んできている。しかし、その日差しも部屋の中を暖めるほど強くは無く、手足の先が冷える。いつもなら、この日差しは普段ならば、俺の体に僅かながらの温もりを与えてくれるのだが、今まさに夢の中へと落ちようとしている時には只の邪魔な存在でしか無くなる。

 日差しから隠すために布団に顔を埋める。


 Pipipipipi! Pipipipipi! Pipipipipi! Pipipipipi!


 突如響きだす、激しい電子音。

 静かな部屋の中に、まるで工事中のドリルの音のようにやかましく響き渡る電子音は、俺の怒りを買うには十分すぎる要素だった。

「ああもうっ!?」

 半ばヤケ気味に布団を跳ね飛ばす。バサンと布団が宙を舞い、部屋の中に埃が立ちこめる。

 しかし、そんな事は気にせずに俺は怒りの原因である、電子音をけたたましく発生させている携帯電話を乱暴に手に取る。

 そして、相手の名前を見ずに通話ボタンを押すと、いきなり怒鳴る。

「あぁ!?」

『ひっ!?』

 俺のいきなりの怒声に電話越しでも、相手側の動揺が伺えた。流石に、電話の相手に失礼だったかと気不味くなり、控えめな声で謝罪する。

「すいません。それで、えーとどちら様ですか?」

 誰からの着信なのか分からなかったので、聞き返す。

『あぁ、八頭だけ――』

「あぁ!?」

『ひょっ!?』

 八頭が素っ頓狂な叫び声が上げる。しかし、怒られるのは当たり前である。まるで、狙ったかのようなタイミングの悪さ。それに合わせて、何故か既視感を感じる。そういえば、極最近にもこのような会話が繰り広げられたような気がした。

 自分の怒鳴り声で頭痛が更に悪化する。

 俺は、更に怒鳴りたい気持ちを抑えて落ち着いた声で再び話し出す。

「で、用はなんだ?」

『今から《AFO》にログイン出来るか?』

「無理」

 即答する。今の状態で《AFO》にログインするのはとてもじゃないが、多少なりとも抵抗感がある。それに、やっとの事で眠りにつけるというのに八頭に構っている暇は無かった。

『そこを何とか頼むよ! さっきは本当に悪かった。あんまり、《AFO》の操作の仕方が分からなくてついつい……。だから、頼む! 慶太がログアウトしてから、一人でちょっとやってみたんだけど中々倒せないんだよ。でも、少しは操作出来る様になったからもう迷惑かけないように出来ると思うから! アシストをお願いしたい!』

 電話の向こうで、まるでサラリーマンのように平謝りする八頭が頭に浮かび上がって、俺は少し噴出してしまった。八頭がここまでするのは、珍しいと言っても良い。この言葉に込められているのが、今までのような軽いものなのか、それとも本気で悪いと思っているのか。

 俺にはその真意を理解する事は出来なかったが、自然に口が動いていた。

「…………分かった。それじゃぁ、何処で待ち合わせする?」

『本当か!? じゃぁ、《ファンランタウン》のフィールドへ続く入り口で待ち合わせって事で! 俺は今からログインするけど、お前はどうする?』

「ん? あぁ、今からでいいよ。それじゃ、俺もログインするから向こうで会おう。じゃな」

『おう』

 ボタンを押して通話を切る。

 俺は再び静まり帰った部屋で一人苦笑する。

「なーんか、俺って損な役割っていうかお人好しっていうか……」



                        @@@



「もー、けいにぃってば全然構ってくれない!」

 けいにぃが自分の部屋に戻った後、私は一人自室に篭って項垂れていた。

 原因は勿論、けいにぃである。

 ほぼ毎日、私が誘っているにも関わらずけいにぃは私を見てくれない。さっきだって、私が心配して添い寝をしてあげようとしたにも関わらず、拒否してきた。

 もちろん、不純な動機が全く無いわけではなかったのだが、けいにぃの身体を心配したのには嘘偽りは全く無かった。

 ぐちゃぐちゃの部屋のベッドに寝転ぶ。

 脇に置いてある熊の人形がまるで、そんな私を哀れむかのように視線を投げかけてきた。

「何よぉ」

 ぺしぺしと熊の頬を平手打ちする。この熊の人形にもし気持ちが宿るとしたら、恐らくはその理不尽な痛みに顔をしかめるに違い無かった。

 カーテンが閉められているせいで、光は入ってこない暗い部屋の中。乱雑とした部屋は、義兄であるけいにぃとは似ても似つかなかった。でも、私はこれで良いと思う。何故なら、似ていないっていう事は他人でもあるっていうこと。私とけいにぃは本当に血が繋がっていないからこそ、私はけいにぃに恋する事が出来る。

 それは、私とっては嬉しい事実だった。

 はぁ、と溜息を零す。

 私はベッドから飛び跳ねると、ベッドの下に手を突っ込んで、少し大きめのある物が入っている箱を取り出した。まだ、この家に来てから何日も経ってはいないはずなのにも関わらず、もうその箱は埃を被ってしまっている状態だった。

 思いっきり取り出すと、ぶわっと埃が舞う。

「けふっけふっ!」

 空気中に舞い散る埃に顔をしかめて咳き込む。

 私は手に取った箱を初めて開けた。

 中に入っていたのは、|ヘッドフォンの形をした機械《、、、、、、、、、、、、、》。私はそれを手に取ると、少し重みのあるその機械。

 これは、私が購入したものでは無い。元々、私はこういったものにほとんど興味は無く、これが発売した日には全世界にニュースが駆け巡ったらしいのだが、発売した時間はその日の午前〇時きっかりだということ。当然、そんな時間にいっぱしの学生である私が起きているわけは無く思いっきり爆睡していたのだった。

 じゃぁ、何故その私が話題の最先端とも言えるこの機械を手に入れたか。

 それは、友人からの譲受だった。

 私の友人の一人に、ゲームマニアの女の子がいてその子が買ってきたものだったのだ。しかし、友人はそれを買った翌日にパソコンを壊したらしく、そのゲームをプレイ出来ないという事らしい。

 私はいらないといったのだが、是非にと勧められたので渋々受け取ったのだった。

 事前に公式ホームページにて新規登録は済ませてあったのだが、当初の私はもちろんこれをやる気など全く無かった。

 しかし、けいにぃが余りにも私に構ってくれないため私は暇つぶしにこの機械を使うことにしたのだった。

 一通り説明書に目を通す。

「ふむふむ……」

 私は、その機械を装着し、

「えっと……。コネクト・イン? オール・ファンタジック・オンライン?」

 何故か疑問符を着けながら私は寝ているけいにぃが起きないようにそっと呟いた。

 そして、直後私は現実の意識を失った――。

ということで、どうでしたか皆さん。


退屈だとは思いますが、もうすこしお付き合い下さい。

感想、アドバイスお待ちしておりますm(_ _)m



作者「今週も始まりました! Keiちゃ――」


慶太「慶太君と話そうのコーナーです!! わー、パチパチパチ!」


作者「……」


慶太「さぁーて、今回のゲストは誰か――」


不亜「妻の不亜です」


八頭「彼氏の竜人です」


慶太「それではまた今度!」

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