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虚無の旋律  作者: 東屋 篤呉
第八章『詠円慈愛』
53/58

0.旋律

 * In rhythm of oblivion *


 愛されたかった

 出来ることならみんなから

 叶わぬなら一人から


 独りは怖い

 二人は暖かい

 みんなといると楽しい


 だけどみんなは私が嫌い

 嫌いだけど便利だからおいてもらえた

 おいてもらえるように必死だった


 私は道具だった

 考える道具だった

 動く道具だった


 愛情があるなら道具でもよかった

 しかし道具に愛着は持っても愛情はない

 私は愛着はいらなかった

 愛情が欲しかった


 たった一人でもよかった

 一人の人間として見てほしかった


 そしてその思いは叶った


 叶ってしまったその思いは

 次第に恐怖を伴う


 嫌われたくない

 怖がられたくない

 離れたくない


 懸命にその人に尽くした

 自分の人生をなげうつ覚悟で

 その人に注いだ


 その人はそれに応えさらに慕ってくれた

 それがとてもうれしくて

 思わず抱きしめた


 そして私は恋をした

 その人が愛おしくて仕方がなかった


 だけど彼の愛は別の人へ向かっていた

 ただただ 哀しかった

 愛を愛で返してもらえなかったことが


 湧き上がる嫉妬

 堪えられぬ劣情

 止まらない愛情


 それは別の生き物のように膨れ上がる

 無理やり抑え込んだ私の心は悲鳴を上げ

 そしてそれは見事に破裂し


 (こぼ)れ 落ちた


 * Out rhythm of oblivion *


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