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THREE  作者: トーヤ


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2/15

爆笑されました

かなり前に書いたものですが、

データが出て来たので、

手直しして投稿していきます。

そう、あれは忘れもしない入学式の帰り道だった。


私は見事な桜吹雪きの中を花びらに包まれるように歩いていた。

淡いピンク色の世界を自分一人しかこの世にいないような錯覚に陥りながらも、なぜか幸せを感じていたのだった。


そんな時、どこからか猫の鳴き声が聞こえてきた。


キョロキョロ辺りを見回す私は、その存在を確認することが出来ず、気のせいだったのかしら?そう思い始めた、その時もう一度鳴き声が風に運ばれてきた。


突然吹いた風で、桜の花びらが私の頭上で華やかに舞った。

それは、風のイタズラだったのか、花びらを追った瞳が、ふと桜の木の枝で怯えている小さな小さな猫を捕らえた。

子猫は必死に鳴いていた。


私は考えるよりも先に、


助けなくちゃ!


と思ったのだ。


私が自発的に何かをしなければ、と思うことは非常に珍しいことと言えた。


いくら私が子猫を助けようと思ったところで、周りにはハシゴもなければ、誰の姿もない。


どうしよう……。


悩んでいた私の目に桜の木の奥の塀が映った。

塀に上れば、決して高くはない私の背でもあの枝まで届くに違いない。


私は夢中で、ただ夢中で塀に上って子猫を見事に助けた。


普段の私とは思えないくらい、何もかも順調に。

しかし、順調だったのもここまでだった。

気がつくと、私自身が塀から下りられなくなっていた……。



そこまで話したら、3人はやっぱりと言うか、案の定と言うか予想通り笑っていた。


「みんな笑わないって言った」


私は少し膨れながら抗議してみた。


「ゴメン、なんかすごくあちゃらしくて」

「それでどうしたのさ、あちゃは」


まだ少し笑いの残った口調で促されて、


「んとね、しばらく塀の上で困ってたの。

そしたら背中から声がしたの『あんた何やってんの?』って、振り向いたら背の高いハンサムな男の人が立ってたの。

後で知ったんだけどそれがたけるくんだったのね。

それで塀から下りられないことを告げると、たけるくんは大爆笑して、ホントに爆笑なの。

『あんたマヌケだね』そう言って塀から下ろしてくれたの」


私はその時のことを思い出して、ちょっと恥ずかしくなった。


「へぇ、それで黒坂(くろさか)のこと好きなんだ?」

「なんともあちゃらしいと言うか……」

「んもぉ~~~~、あんたってかわいいわ」


って里佳(りか)がぎゅって抱きしめてくれる。

これは里佳のクセで、愛情表現のひとつであることを私は知っている。


ねぇ?と美奈(みな)がみんなの注意をひいて、ものすごいことを口にした。


どのくらいすごいことかといえば、太陽が西から昇るとか、上り坂を下るとか、絶対にあるハズのない事と同じくらいすごいことだった。


「もしかして、黒坂ってあちゃのこと覚えてるんじゃない?コレ以上ないくらいのインパクトのある出逢い方だし……」


里佳とえりかは、顔を見合わせて、


「……ありえるかも?」


と、私を見る。


「まっ、まさか私みたいな目立たない子のことなんか覚えてるワケないじゃないっ」


ここはもう、逃げの一歩だ、私は自分のカバンを持ち上げて、


「あっ、それじゃあ、図書室に寄って帰るから、じゃ、じゃあね…….」


と、手を振って、こんな時ばかり逃げ足の早い私だった。

そんな私をダシに、3人がおしゃべりを繰り広げていたのを私は知らない。

私は3人のカッコウのおもちゃだったらしい…。


毎日更新予定です。

よろしくお願いします。

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