表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THREE  作者: トーヤ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/15

ケンカ?しました

かなり前に書いたものですが、

データが出て来たので、

手直しして投稿していきます。

放課後、美奈(みな)たちのついて行こうか?という申し出を断って、私は一人で今ここにいる。


たけるの家のドア(メルヘンチックな喫茶店の)から中を覗くように見ると、具合が悪くて早退したはずのたけるが店にいた。


なんで!?仮病!?


私が心配すると分かっていて、たけるが仮病を使ったのだろうか…..?


そんなことする人じゃないのに…..。


私はワケが分からなくて、頭の中がグルグルしている。

中の様子を知ろうとそっと、ドアを開けた私の耳にたけるのお母さんの声が飛び込んできた。


「……なの?たくみ」


たくみ?ってダレ!?

たけるじゃないのっ?


私は反射的にドアを掴んだままの手を引いてしまい、ドアに付いている鈴を派手に鳴らしてしまった。


いらっしゃいませの声とたける(んっ!?たくみ?)の視線が入口の私を捕らえる。


麻子(あさこ)


と私のことを呼ぶ笑顔は、たけるのものだ。


間違いなくたけるのものだ。けれど…….?


私には、もう何が何だか…….。


単なる聞き間違い?それとも…..?


私の理解のキャパシティーは、限界を超えていた。


そう、もう何も受け入れられないくらいに。

たけるの言葉も理解出来ないくらいに……….。


「見舞いに来てくれたのか?悪かったな。ホントは具合悪いのは親父なんだ」


って、私がたけるだと思っていたこの人は普通に話している。


どういうことなんだろう!?


きっと今の私の瞳には不信感とか、そんな言葉が似合うような色を漂わせているに違いない。


だって、絶対変だよ。


口も聞けないくらい混乱している私の姿は、たけるにはどう映っているのだろう。

知らず知らずのうちに、後ずさりしている私に、


「麻子、どうしたんだよ。何を怯えてるんだ?」


と、近づくたけるの言葉に、私は初めて自分のこの状態を怯えていると表現することに気づいた。


震える胸を抑えながら私が、


「たくみって誰?」


そう、呟いた瞬間にたけるの顔色が変わった。


「ナ、ニ…..言ってんの?たくみなんていないよ?」


それでも、ごまかそうとしている。


「あなたはたけるなの?」

「そうだよ、当たり前だろ?」


たけるは短く答える。


じゃあ……?


「さっきお母さんはたくみって言った。あなたがたけるなら、たくみって誰なの?」


少し興奮しているらしい。


私には珍しすぎるほど、強い激しい口調の言葉を発している。

そんな私を見ても、たけるは黙ったまま何も言わない。


「どうして、何も言わないの?本当はあなたがたくみって言うんじゃないの?じゃあ、たけるはどこ?ねぇ?どうして、黙ったままでいるの?なぜ?どうして?」


ヒステリックに叫んでいる私の睨みつけているハズの瞳が歪んできた。


涙が浮かび始めている、と気づくよりも先に頬を伝って流れていく。


どのくらいの沈黙が流れたのだろうか、1分くらいだったのかほんの一瞬だったのか…..。


私には、もう何が本当で何がウソなのか、それすら分からなかった。


いつまで経っても何も言わないたけるに、


「もう…..いいっ」


の言葉を投げつけて、店を飛び出していた。


私はこぼれる涙を隠そうともせず、人の目さえも気にせずに、ただひたすら家までの距離を急ぐだけしか出来なかった。



自分の部屋に逃げ込んだ私は、ベッドの中で泣き続けた。


心配した私の母親が何度となく、私の様子を見に来たのだが、部屋に鍵を掛け私は知らん振りを決めこんだ。

誰の電話にも、もちろんたけるからの電話にも一切出ることはしなかった。


誰とも話しなどしたくはない。

今は誰の声も聞きたくない、顔も見たくないし見られたくもなかった。


一切の邪魔が入らなくなると、私の頭は妄想に取りつかれたように、ひとつのことしか考えられなくなった。


本当はたけるの兄弟は生きているんじゃないか?


入れ替わって私のことからかってるんだ…..。


それとも、入れ替わっても分からない私を笑っているんだろうか…..?


止まらない妄想が私を追い詰める。

その妄想を止めることなど私自身に出きるハズもなく、自分の思いまで揺らいでいく。


すべて忘れてしまいたい…….。


そして、泣きつかれて眠りに落ちるまで、終わらない妄想が私を苦しめ続けていた。

毎日更新予定です。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ