想像を超えていました?
かなり前に書いたものですが、
データが出て来たので、
手直しして投稿していきます。
翌日、学校で会ったたけるはいつものたけるだった。
だから余計に昨日のたけるがありえるワケないけれど、別人に思えて仕方のない私だった。
「おはよう、麻子」
と、右手で私の頭をくしゃっとする。
「おはよう」
見上げるたけるは笑顔だ、私の好きな笑顔なのだ。
「昨日はごめんね。あんなにイヤがってた美術館引っ張りまわして」
さりげなく探りを入れてる辺り、信用してないのかな?などと思いつつ、瞳がたけるを捕らえている。
「いいって、麻子の珍しいワガママだからなっ。あっ、麻子。誕生日おめでとう」
そんな言葉と一緒に赤いリボンの掛かった包みを渡してくれる。笑顔も添えて。
私は上手く話題が変えられたことに気づいていたが、嬉しい気持ちも本当なので顔が自然にほころんでいる。
「ありがとう。開けてもいい?」
包みを受け取って聞いた私に、
「ダメ。帰ってから開けなさい」
と、命令口調でたけるが言う。
「えぇぇぇっ!?なんで?見たいよ」
「ダメったらダメっ」
「どうしても?」
「どうしてもっ!!」
何が何でも、今は開ける事を許してくれないらしい……少し膨れっ面を作る私に、
「テレるから家で見ろよ」
と、たけるは小声で呟く。
そこまでたけるに言わせたら、私も開けるわけにはいかない。
私はわかったと頷く。
それなら…..。
話しを戻しちゃおうかな?
「ねぇ?昨日ね、私驚いたんだけど、たける絵は分からないって言ってたのに、すごく詳しく解説してくれたじゃない?本当は好きなんじゃないの?」
私が気になっていたとを口にすると、たけるは一瞬ヤバイって表情をして、たけど次の瞬間何もなかったように、
「イヤ、本当にイヤなんだよ。ただ昨日はちょっとインテリのフリでもしようかと思って、前の日に覚えていったんだよ」
そんな風にちょっとだけ、テレくさそうに教えてくれた。
私は昨日一人で、色々と勘ぐっていたことが急におかしくなって、
「そうなんだ?私、昨日一人で色々考えちゃって、すごく変なこと考え出しちゃったよ」
と、笑った。
「へぇ、どんなこと考えたんだよ?聞かせろよ?」
と、たけるはいつものイジワルな瞳の笑顔をする。
「たける、絶対笑うよ」
「笑わないって、たぶん…….」
すでに笑い出しそうなたけるに、私は、
「何かね、実はたけるには双子の兄弟とかいて、入れ替わったんじゃないかってそんな風に思ったの」
そこまででたぶん、たけるの爆笑が聞こえると思っていた私の予想に反して、いつまでたっても笑い声はやってこなかった。
視線の先にいるたけるの顔からは、表情が消えていた。
えっ!?
なに?どうしたの?
「……たける?たけるってばっ」
私の何度目かの呼けびかけに、瞬き一つして時間の流れにたけるは戻ってきた。
「どうしたの?もしかして、やっぱり呆れた…..?」
私の情けない顔を見たたけるは、フッと笑って言った。
「いやいや、なかなか想像を遥かに超えていたご意見だったので、ノーコメントとしておこう」
私はバカなことを言った、自分への反省の最中で見ていなかった。
その時、たけるがものすごく神妙な顔をしていたことに…..。
毎日更新予定です。
よろしくお願いします。




