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聖女ドラメルと最後の竜  作者: 創作草
第六章 その墓標に黄昏を
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幕間、レコーダーズ・ピルグラム

「ええーっと次は…あっ、アルガイアかぁ……」


自分の記憶を辿って、ため息をつく。

アルガイアが死んでいるのは、空の底、奈落だ。

何故なら族長の息子の彼に、投げ落とされたから。

なんで投げ落としなんかしたのか。

おかげで、自分が奈落に行く羽目になってしまった。


「ギルギは無駄足で、アルガイアは正確な場所すら分からないときた。全く嫌になっちゃうね」


ぶつぶつと独り言を呟く。

ムロリメロ島でエルメダ・ドラメル・アーメシアを回収した所までは良かった。しかし、ギルギ・ドラメル・ボークロルは、すでに()()()()()()いた。

ハーマレー島に来たのが、完全に無駄足だった。


「面倒臭いけど…しょうがない」


誰も周りにいないことを確認して、空岸から飛び降りる。

島影が遥か上に消えるまで自由落下を続け、頃合いを見て体を力をこめる。

一瞬の意識の飛びから目覚め、自身の体が竜のそれになっていることを確認する。


「さて…彼はどこに落ちたのかな…」


呟いて、見えてきた奈落世界を見下ろす。

…赤く染まった空と、黒い大地。

…死の霧で、普通の生物は生きられない。

…地獄とも称される、禁足の世界。


大きく息を吸って止め、急降下。

地面スレスレで平行に向きを変え、霧を払いながら飛び回る。


流石巨体の同胞といったところか、アルガイアの死体は、すぐに見つかった。

死の霧が穴という穴から入り込み、体のあらゆる所を腐らせている。


(死体、残ってるんだけど…)


本来であれば、死んだ同胞は灰のようになって消えるはずだ。なのにアルガイアの死体はそのまんまだ。

地獄の死の霧がそうさせるのか。或いは『自由(かみ)』の慈悲か。


(どっちでもいいか…。早く終わらせようっと)


司祭から教わった顕魂(けんこん)の呪文を唱える。

途端に、死体の上に光る球が二つ、顕れる。


(エルメダさんもそうだったけど…やっぱり聖痕も残ってるな)


ヒトに宿り、『奇跡』を与えるとされる聖痕は、今はいらない。放っておけば自然と上空に向かい、どこか運のいいヒトに宿るだろう。

だから聖痕は無視して、今大事なのはもう一つの方。


(司祭曰く、残り物…これが?)


そう思いながら、聖痕でない方の光の球を掴み、持ってきた()に入れる。

その途端、アルガイアの死体が待っていたかのように灰になって消え出した。


(このタイミングの良さは…もしかして、見られてたな…?)


呆れてため息をつく。

今はこんな場面より、大事なことがあるんじゃないのか?

あの二柱(神々)は暇なのか?


(暇なんだろうなぁ…)


首を振って飛び上がる。いい加減、息をしないのも苦しくなってきた。

巡回者(旧機構)に見つかるのも面倒だし、早く命溢れるいつもの世界に戻ろう。

瓶を持ちながら、大きく飛び上がった。この旅も、もうすぐ終わる。

次回から、フェキシフト崩壊の回想が始まります。


長い上にバッドエンドが確定しているので、なるべく高い更新頻度で更新していきます。(出来れば毎日更新)

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