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幕外3、遺してきた者達の残り物

アドルオは、自身にに何が起こっているのか分からなかった。

他でもない、好いてしまった息子の温もりと共に逝けたはずだ。それなのになぜ、自分の意識はこうして生きているのだろう。


「…ここは、もしかして死後の世界…?」


何もないくらい空間を見渡して、アドルオは行き当たった予想を呟く。


「…当たらずとも遠からず、だな」


と、そんな彼の予想を訂正する声が聞こえた。声の方へ振り向くと、見たことのない竜がいた。

…その姿がはっきりと見えないのに、竜だと本能的に分かった。


「…あなたは」


「…すまない。色々話したいのだが、今は時間がない。まずは、礼を言いたい」


その竜(?)はアドルオの言葉を遮って、話し始めた。

アドルオは困惑するしかないが、本当に時間がなさそうな声色だったので、とりあえずその言葉に耳を傾ける。


「…ありがとう。まさか、こちらが干渉する前にペミー・アヌシの力を引き出すとは。さすがは、直系のドラメル族だな」


「はあ…ありがとうござい、ます?」


色々気になる単語が出て来たが、急ぎ口調が質問を許さない。だから流されるままに応えるだけだ。

質問は後にしよう、とアドルオは決めた。


「早速だが、説明しなければならないことがある。レイナ、来てくれ」


その言葉と共に、突如目の前に小さな同族が現れる。

その姿を描写しなくても、誰が来たかは分かってしまう。


「あなたは…まさか、レイナさんなのですか!?」


「…アドルオ様、ですよね?」


赤みを帯びた彼女は、頷きながらアドルオに聞き返す。

エルギオ様の話通りなら、彼女もすでに死んでいるはずだ。

アドルオの頭の中で、何かが繋がりかけたが、それを見えない竜の言葉が遮った。


「…今の君たちは、言い方は悪いがいわば残り滓のようなものだ。そして、残り滓にも役割がある」


呆然とするアドルオとレイナを見据えながら、見えない竜は続ける。


「それもしっかりとした役割が。…まあ、それをこなすのは、まだ先だが。とりあえず、今は()()に居てほしい」

幕外3 終


次 第六章

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