幕外2、エンカウンター・オブ・ザ・バックステージ
目を覚ます。
何もない、暗く昏い世界を見回す。
なんだここは。
「え?」
そこで気づいた。
困惑の声が、自分のものであると確認する。
視線を下ろすと見え、確かに触れられる自分の体。
それで余計に困惑する。
「…え…?」
だってこんなの、おかしいじゃないか。自然の摂理から外れているじゃないか。
意味がわからない。
なんで。どうして。
「なん、で…生きてるの…?」
自分は、死んだはずなのに。
「…えーっと、大丈夫?」
声に驚いて振り返る。
そこには、何かがいた。薄くぼんやりとしていて見にくいが…竜、だろうか。
「…まずは、あんなことになっちゃって、ごめん。でも、どうしても順番は変えられなかったんだ。完全に、こっちの確認不足だよ」
その竜は、いきなりそんなことを話し出した。
言葉の内容が半分も分からず、困惑が重なる。
「…あの。あなたは…?」
堪らなくなって疑問を割り込む。
ここはどこなのか。あなたは誰なのか。自分は死んだのではないのか。
「…………え」
私の疑問に、その竜は心底困惑したような顔をした。
こっちは初対面なのだから、そんな顔されても困る。
というか、さっきから困ってばかりだ。
「——あ、そっか!そうじゃん!忘れてた!あーもー自分のバカっ!!」
少しの沈黙の後、その竜は何かに思い当たってから自分を責め出した。
…本当に、何がなんだか分からない。
「それなら、説明は必須だよね…いやでも、今ここでするとかさばるし…」
その竜は自身を責めた後、今度はぶつぶつと何かを呟き出した。
さっきから置いてけぼりだ。
「…しょーがない。結論から話して、いったん切るか」
何やら解決したようだ。
それなら、早く色々説明してほしいのだが。
「…おほん。それじゃあ、レイナちゃん…いや、リトル・ラヴァーって言った方がぽいかな?」
自分の名前が呼ばれる。
確かに死んだはずなのに、確かに今ここにいる自分の名前。
「…いや、呼び方はどっちでも良いか。とにかく…」
そして、見知らぬ竜は続けて言った。
「…君にはまだ、やってほしい事があるんだ」
幕外2 終
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