37/167
幕間、エンカウンター
走る。走る。
ただ走る。
何も考えず、がむしゃらに。
誰が走っている?
決まっている。紛れもない私だ。
どうやって走っている?
決まっている。この二の足を動かしてだ。
どこを走っている?
決まっている。見慣れた森の中だ。
いつまで走っている?
決まっている。疲れるまでだ。
では、どうして走っている?
………。
…そんなの、決まっている。
そうやって走って、走って。
逃げるように走って。
掻き消すように走って。
木の根につまづいて。洞窟に転げ落ちて。
底の底の、底まで落ち切って。
そこで、彼女と出逢ったのだ。




