幕間、ハンターズアイ
第二章、始まります
鳥が虚空を飛んでいく。日差しが身体に降り注ぐ。
その気持ちよさに目を細めてから、俺は目線を下に向けた。
俺の遥か下に浮かぶ、小さい島。
アイツ曰く、あの島はこの世界で一番大きいらしい。
「くっだらねぇ」
俺にとっては、どの島が大きいかなど関係ない。だってどれも、自分からしたら小さいからだ。
小さいってことは、弱いってことだ。自分より弱いものに、アイツはなんで興味津々なんだろうか。
「考えるだけ、無駄か。今はそんなことより…」
視線を俺の掌に、そこに置かれた手紙に向ける。
内容など今はどうでも良い。問題はそこに書かれた名だ。
「契約破棄はどうでも良いが、アイツの態度は気に食わねぇな」
その紙は、ある人間と交わしたものだ。
ひょんな事から偶然自身の存在をその人間に知られ、そいつの目的の為に自分はここにいさせられる。
いわば、利用された形だ。
それは別にいい。
人間なんてすぐ殺せるものだし、暇つぶしの遊び半分だ。
けれど、あの人間の、まるで、自分が全部を背負ってるような態度。
あれは生理的に嫌だ。
吐き気がする。
「よし決めた、憂さ晴らしするか」
歯軋りして、空気を震わす。
雲が散り、鳥たちが慌てて逃げていった。
ハーマレー島の遥か上空に、彼は居た。
その彼の瞳が、この世界で最大の島、眼下のハーマレー島をとらえた。
理不尽な怒りを浮かべ、それでなおどこか笑いを含んだ瞳。
まるで、狩人のような瞳だった。




