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幕間、マリッジ
凡庸な少女がいた。
普通の家で生まれ、普通の教養を身につけて育った。
普通の初恋をし、普通の失恋をし、その後に普通の結婚をした。
その日、彼女は人生の絶頂にいた。
白いドレスに身を包み、白いヴェールを頭にかけて。
扉を開くと、広い部屋。
多くの人が、手を叩いて祝福をしてくれている。
待ちに待った、婚約の儀。
一歩ずつ、部屋の最奥まであるいていく。
そこには神父さまと、契りを交わす相手がいる。
普通だけど優しくて、大好きな彼。
ふと足を止めて、天井の天窓を見上げる。
窓の向こうの空は、この日を歓ぶように、どこまでも青くて。
ああ、今日は人生で最高の日だと、彼女は思ったのだった。
凡庸な少女がいた。
普通の家で生まれ、普通の教養を身につけて育った。
普通の初恋をし、普通の失恋をし、その後に普通の結婚をした。
彼女の名は、エルメダ・ドラメル・アーメシア。
後に、ロスト・ブライドという竜名を授かる、まだ十八の若嫁だった。
第一章 終
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