ショタ恋!
私、大沢 玲菜は今日、恋をした。
相手は……
小学生の男の子!?
「ちょっ、待って待って!私は、高校生だよ?!ま、まさか…!私はショタコンだったの!?」
「おねーちゃん、どうかしたの…?」
「ぐわっ!!!何この反則的な笑顔!!!思わず、鼻血が――!?」
「反…則?ボク、そんな悪いことしてないよぉ…ぐすっ」
「や…!泣かないでっ!……けど、そんな顔もいい!――じゃないっ!!!」
「! …ひぐっ…――!?」
「いやぁ、そそられ――何言ってんのよ、私!!?」
そんな、年下(8歳差)に恋してしまった女の子の物語…。
つーか、犯罪じゃね!?とかは、なしの方向です!
:
「僕ー?名前はなんていうのかなぁ!?」
鼻にティッシュを詰めながら、私は聞く。
「ボク、ボクね!日向って言うんだよぉー!んでね、んでね――」
「ふーん…。あ、日向君って言うのかー…あ、うん。え、今日お母さんが居ないの?で、暇だし、寂しいと。…ほ、ほぉー…」
――これは、チャンスなんじゃないかなぁ?!かなぁ!?
「よし、お姉ちゃんが……勉強を教えてあげるわ!」
「え?本当に!?ボク、嬉しいー!」
「ふふふ、任せなさいっ!私、頭はイイんだから!!!」
――よ、よっしゃぁああ!!!
これは…フラグ来たー…?
萌えシチュ…
そして、あくまで年上のお姉さんとして接することで…
彼の初めてを…Get…!?(年上の威厳はもうない)
完璧よ!完璧すぎるわっ!私!
「…お姉ちゃん?着いたよー?」
「え?ここなの?日向君の家…私と同じマンションじゃない…!」
――不覚!不覚だわ…!こんな可愛い子が、同じマンションに居たなんてっ!!!
:
ぴんぽーん
「はーい」
え、人は居るんだ…ちっ…。居なければ今日、速攻で――え!?
「西川じゃん!」
「は?!…お前、大沢…!?」
私の目の前にいたのは、同じクラスの西川だった…。
「大沢、何してんだよ…」
「いや、日向君に勉強教えてあげようと…つか、兄弟なの?」
「ああ。まぁ、上がれよ」
「ん?お姉ちゃん達、知りあいなの?」
「うん…まあね」
:
部屋の中は、綺麗に片付いていた。
「お姉ちゃん、ボクの部屋、こっちだよ!」
「…う、ん…」
――ごくり
生唾を飲み込む。
がちゃ
日向君が、部屋のドアを開ける。
「お姉ちゃん、早く早くっ!」
ああ、急かす姿もかわゆい…眩しくて、直視できません…!
「じゃあ、おじゃましまーす…」
:
「ここがね…こーなって――」
「ふんふん…あ!そっか!お姉ちゃん、賢いんだね!」
――まぁ、小学生の問題ですしね…。
がちゃ
「おい、日向…ジュース、ここおいとくぞ」
「うん!ありがとぉ、お兄ちゃん…あ!お姉ちゃんね、すっごく賢いんだよー!お兄ちゃんも教えてもらえばいいよぉ!」
「ああ、うん」
ちらっと西川はこっちを見て、
「今日は、ありがとう…な」
といった。
「あ、えっと(下心のためだし)、全然いいっていうか、(日向君と一緒にいられて)楽しいし!」
「そっか…。じゃあ、よろしく頼むわ」
がちゃ
ばたん
「お兄ちゃんね、ホントはいい人なんだよ」
「…そうだね」
:
「お姉ちゃん、今日はありがとうね!」
「ううん!私も楽しかった…!ねぇ、日向君…私ね…」
日向君の目線になって、私は日向君に精一杯の勇気を振り絞って大きい声で言った。
「日向君が、好きです!」
そして、がばっと抱きついた。
「? ボクも大好きだよ?」
ぎゅ…と、日向君も抱きしめてくれる。
「あはは、多分…そういう意味じゃないけど…まぁ――」
がちゃ
ばたん
――え、聞かれてたっ!?
「ごめ、ちょっと日向君、帰る!」
がちゃ
ドアを開けて、西川のところへ走った。
「…西川…聞いて…」
「大沢、お前……」
「私、日向君が好きなの―――」
私は、一か八かで、カミングアウトする。
「日向は女の子だぞ?」
「へ…?」
「しかも、小学生だし!…ぷっ…」
「ちょ!笑うなんて酷い!…本気だったのに…!」
これじゃ、あっち系のそっち系じゃない!!!
しかも、ショタコンじゃなくて…これって、ロリコンじゃん!!!
「もういいっ!帰る!!!」
:
「…嘘だったのに。日向は、男だよ…」
一人、ぽつりと西川は呟いた。
「俺…大沢が、好きなのかもな…」
:
そうして、私の恋は終わった。
結局、私は…なんだったんだろ…。
コロコロ…
足もとに、ボールが転がってきた。
「おねえさーん!こっち、投げて!!!」
「……」
大沢 玲菜は今日、ただいまこの瞬間に、
恋をした!!!
小学生の男の子にっ!!!
――end。
読んで下さり、ありがとうございました!
続きは、書きたかったんですが…(西川のその後とか)。
けど、まぁハッピーエンドでよかったんじゃないかな!?かな!?