第0部 目次
「我々の住むこの世界はどのような構造であり,如何なる理により成り立っているのか?」世界学とは上の疑問の解決を目指し始まった学問である。それを探究した者たちの数は数え切れずその歴史は長い。この第1章ではそれを記述する。第1章の構成は以下の通りである。
●第1部〈世界学の始まり−草創期の思想〉
この部では世界の誕生後2000万年後までの,いわゆる"草創期"の世界学についてまとめる。その頃の社会の中心は神族であったが,それ以外の種族の思想についても考証する。
●第2部〈種族の多様化と衝突−騒乱期の思想と科学的検証の始まり〉
この部では創造暦20083429年に開始した第1次種族騒乱(第1次神魔戦争)から38724691年からの第3次種族騒乱(第3次神魔戦争)の間の約1800万年間の騒乱期の世界学についてまとめる。また,この頃はそれまでの哲学的な視点からの世界学だけでなく科学的な研究に基づく世界学が発展した。
●第3部〈平和と融和の時代−高度成長期の思想〉
この部では騒乱後の平和と種族間交流により実現した高度成長期の世界学を紹介する。この成長期には魔術・科学がともに発展した時代であり,種族間の交流が開始した時期である。
●第4部〈世界間渡航の実現とその隆盛−大航界時代の世界学〉
この部では49253721年の魔導学士ディスバウロ=メルトアの世界初の世界間渡航の実現から,以後2500万年間にわたり続く大航界時代の世界学についてまとめる。それまでは想像の範疇であった異世界との実際の交流が世界学に如何なる影響を与えたのかを見ていく。
●第5部〈帝国主義の時代−侵略の時代〉
この部では大航界時代の晩期から始まった以後4000万年間続く央界による周辺世界の侵略の中の世界学をまとめる。この頃は央界は神聖帝国により統一され,その帝国が周辺世界の侵略を行っていた。領土拡大による帝国黄金期の世界学をナショナリズムと神族・央界至上主義との関係から記述する。
●第6部〈帝国の凋落と分裂−神族中心主義からの脱却〉
この部では創造暦159371867年の北方6州独立戦争から始まる帝国の分裂期とその後の小国の乱立の時代の世界学についてまとめる。小国乱立の戦乱期に突入した結果,世界学には多くの新たな視点がもたらされた。
●第7部〈五大国の台頭と勢力均衡の平和−5大学派の隆盛〉
この部では戦乱の後に台頭した五大国の勢力均衡の平和の中で,それぞれの国が支援した世界学の学派を中心に見ていく。この五大国はいずれもかつての神聖帝国の5つの王家を元首とした国家であるが,それぞれ政体や経済体制,思想などもさまざまな国家である。その五大国が勢力均衡方式で平和を維持する現代につながる体制が始まった時代である。
●第8部〈外界の発見と新興国家の発展−さらなる世界学の広がり〉
この部では創造歴268938524年のリュウグウ皇国ニース公によって外界が発見された後から現代の世界学についてまとめる。この外界の発見に成功したリュウグウ皇国は五大国の従属国でない新興国家である。他にもいくつかの新興独立国家がこの頃に誕生した。現代までの世界学をここには記した。