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竜怜のハーフ  作者: ナウ
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【人間】リゴーシュ[スライム]

人間界の西方地域にあったリゴーシュ

魔王軍に攻撃され捕らえられた王や王妃、王女マライアは身分を剥奪され貧民層に落とされた

しかし急に出現した古代種スライムと魔王軍との戦いにより魔王軍は敗退

ライオネルを拠点として周辺はスライム群に次々と飲みこまれれいった

とはいっても現在はまだ西方全域が支配地になった訳ではなく魔王軍が支配したイート、ソーニナ、リゴーシュの地域に限られていた

スライムの王・オズとしてもスライム側の戦力が整っていないため、今だ西方にある人間の国々の侵略は行えていないのが現状だ


スライム側の主力としてはブラックスライムの軍団を差す

ブラックスライムには大別して4ついる

一つは全てのブラックスライムの祖となるオズの12配下の一匹であるブラックスライム0の存在

その能力はしもべたる下位ブラックスライムを生みだせる事と電撃系魔法や攻撃が一切効かない特性を持つ

電撃系攻撃無効についてはブラック0だけでなく下位ブラックスライムも同等であり、これはブラック0の能力を継いだものである


次にブラックスライム1、知能は余りなくドロドロの液体の姿をしていて地を這うスライム

大した戦闘能力はないが、相手に付着する事により相手の皮膚を食らう

一度付着されると中々剥がす事が出来ないため厄介である


三つ目はブラック2、地を這うドロドロスライムから人間の女の容姿になり二足歩行が可能になっている

戦闘能力はブラック1よりはあるし、知能も少しだけ高い

しかし喋れず、その容姿も不安定でよく崩れる


四つ目はブラック3、知能は比較的あり、喋れる

女の容姿を崩す事無く継続可能で戦闘能力も比較的高い

このクラスになると複数を生み出すのが難しく、数は少数になる

兵士ではなく隊長クラスとして存在し、指揮官としてのスキルを併せ持つ



コツン、コツン、コツン

赤色のドレスに身を包んだ人間の若い女が城の通路を歩いている

付き従うのはブラック2の二体


「・・・・・」


無表情のまま女は城の謁見室に向かって歩く

女の名前はマライア

今はない小国リゴーシュ国の王女である

魔王軍敗退後、スライムに殺されそうになっていたが命乞いして助かった

しかしそれと引き換えに魔族の女であるアリスからスライムの食糧となる人間の管理を任される事になった

しかもその保管庫として指名された地はリゴーシュである

何やら鬱陶しいが、受けなければ自分達がスライムどもの餌食になるだけのため快く引き受けた

そもそもマライアに国民を守るという意識はまるでない

むしろ自分の為ならば民は死ねと言いたい


これによりリゴーシュは人間を収容する地となり、マライアも父リゴーシュ王や母である王妃と共にスライムに人肉を提供する管理者としての役職に就いている

父は少々気にしている素振りを見せたりしているが、マライアはまったく気にしていない

食われるのが誰であろうと関係無い

自分や両親の身さえ安全であるならどうでも良い

それが確保されれば誰が死のうが大した問題ではない

あのくそったれの屑女であるターリィナに一時的に最下級身分に落とされたものの再び浮上できたのはスライムのお陰だ

まったくスライム様々である

今は忌ま忌ましいその時のうさを気に入らない人間を殴る蹴るして晴らしたりしている



コツン・・・


開け放たれた扉を潜りマライアは歩を進める

目の前の玉座には艶々しいピンク色のスライム嬢が座っていた



「マライアちゃ~ん、な~に?」


「パークどもが性懲りもなくやってきましたわ」


「へぇ~、懲りないわねぇ~」


「27区域でブラック1と交戦中ですわ」


「ブラック2ちゃん達が行くから大丈夫じゃなぃ~?」


「いえ・・バイオさんが向かわれました」


それを聞きピンクの体が少しプルンと揺れる


「バイオちゃんが~?」


「そう、トドメを刺すとかおっしゃっていました」


「あらら、ならパークちゃん達もう終わりね~

うふふ♡、もうちょっと楽しみたかったんだけど~」


そう言って笑むピンク

二年前のライオネルでのオズ復活から生み出されたピンクはここリゴーシュにて人間救出に動いていたパーク達冒険者達と何度も戦いを繰り広げてきたからだ


スライムの跳梁に人間国側も黙って見ていた訳ではない

現在のスライム支配領域と人間国側の境付近では度々戦闘あり、人間側もスライム側もダメージを負っていた

とはいえスライム側が投入するのはスライム1か精々2程度であり、3及び12配下は投入されていない

オズとしては現在支配下に置いている地を全て把握したい事と支配地の整備を優先させたい考えの結果、支配地拡大にはまだ乗り出していないのが現状だ

もし12配下の誰かでも動いていれば人間国の小国など一気に壊滅できる

しかしブラック1や2しか戦った事のない人間側は本気を出せばスライムを殲滅出来ると信じていた

だがそんな人間側にもスライム側の手強さを多少なりとも理解しているグループもいる

それは冒険者と呼ばれるグループだ

魔王軍との激戦で多くの西方冒険者が命を落としたが、魔王軍敗退後はそのままスライム軍との戦闘に切り変わった

とはいえその人数は多いとは言えなかったが、スライム群に捕まっている人間達を解放するべく度々リゴーシュに戦いを挑んでいる

冒険者のリーダーはパーク


ピンクはパーク率いる冒険者達と戦って撃退して・・・というか単に追い払ってるだけで殲滅する気は更々ない

本気で戦えば一瞬で付く決着だが、弱小なのに挑んでくる冒険者相手が面白くて手を抜いて可愛がっているという感じだが

しかしそれによってブラックスライム兵の数が減ったりしてブラックに怒られたりしているもののピンクは一向に気にしていない

ただ今回偶然遊びにきたバイオレットが向かったとなれば、最早パーク達も一貫の終わりであろう


「面白い玩具がなくなっちゃう~♡」


足をブラブラさせピンクは不服そうな顔をした





27区域ではブラック1と戦っていた冒険者30人がブラック2を引き連れたバイオレットと遭遇

既に半数が殺されその戦闘能力の差に愕然としていた


「化け物が・・・」


大剣グレードソードを杖代わりにパークが立ち上がる

しかし全身は傷だらけで満身創痍だ


「な~に?、ピンクがいつも逃がしているから手強いと思っていたのにつまらないわ・・・まったくあの子はお遊びが過ぎるわね」


「くそ!!」


「言っておくけど私は逃がさないわよ?、ピンクのように甘々じゃないから」


パークは歯ぎしりし隣にいるナトリーやドートナーに目配せした

長い付き合いだ、パークの言わんとしている事は分かる

火炎魔法を叩きつければまだ勝機はある・・・と


「いくぞ!!」


パークは大剣を構えた


この二年前ずっと戦い続けてきた

去った者、死んだ者、逃げ出した者、色々だ

アダージュはアリーズンとエルフ界に行った

ラグドンは二年前に既に死んでいる

ルセルはエルフ界に帰った

アリスは・・・アリスは西方を捨てた

東方のアウランズに一緒に来ないかと何度も誘われたが、パークは断った

アリスと決別しドートナーやナトリーと共に他の冒険者達に声を掛け部隊を作って戦ってきた

それが正しかったのかは分からない

ただ戦い続ける道を選んだ

だからパークは思った

ドートナー、ナトリー、そして付いてきてくれた仲間の皆、すまない・・・と


「うおぉぉぉーーーー!!!!」


自らを奮い立たせパークはバイオに斬りかかった







「ただいま~」


暫くして城にバイオが帰ってきた


「バイオちゃん~、どうだった~?」


桃色の体を揺すりピンクがバイオに声を掛ける


「貴女の玩具は壊したわよ」


「え~、それは残念~」


「はい、おみあげ」


そう言うとバイオは手に持つパークの首を床に転がした


「あらら~、パークちゃん、可哀想」


転がった首を抱え持ち、パークの頭をなでなでするピンク


「他は~?」


「一匹を残して全て毒で片づけたわ」


「一匹って~?」


「冒険者の中に一匹女が混じってたのよ」


「あ~、確かナトリーちゃんね」


「名前は知らないけど魔法使いよ」


「それはナトリーちゃんよ」


「痺れ毒で捕獲したわ」


「あ~、もしかして食べる~?」


「足からね」


「やぁ~ん、狙ってたのに~」


「なら一緒に食べましょう」


「うん、生きたまま~?」


「私はどちらでも」


「なら生きたままね~、ナトリーちゃんとお話しながら~」


そう言うとピンクは舌を出しペロリと唇を嘗めた

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