醜くて美しい気持悪かっこいい男
その男の見た目は醜悪に感じた。
見るものすべては目をそらすほどに。
その男の精神はいたって普通の物だったが、容姿のせいで
周りは彼を普通に扱うことができなかった。
彼はそんな状況が嫌で嫌でたまらない、
心が苦しくて苦しくてたまらない。
ある長期休暇にて、その男は海外に行くことにした。
たまには、いつもしていないことをして見ようと思ったのだ。
そしてその男が海外につき、町を歩いていると。
「あの人かっこよくない?」
そう聞いた、それが自分に向けられたものだと男は気づいたが
にわかには信じがたい。
出身国では、醜い醜いといわれ続けた容姿がかっこいいなど。
しかし、男の周りに人が「こっち向いて―!」や「結婚してください」
などと言いながらあつまるたび、ああここでは自分はかっこいいんだ。
と男は理解していく。
しかし、自分の出身国での扱いを思うと複雑な気分になるのであった。