表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不良から女になって  作者: アホです。
5/8

アレ

 女の身体になって初めての事だらけで大変だったが、今までよりも大変な事が起きた。

 悪いモノを食っていないのに朝から腹が痛く体調もあんま良くねぇーし、ゼッテー風邪だと思いながらトイレに入ると、下着にベッタリと血が付いていた。


 「コリャ……アレか……」


 中卒でクソ頭の悪い俺でも分かる。

 体調不調で悪いモノも食っていないのに腹が痛い……アレしかねぇーな。


 「原因不明の得体の知れない病気だ!」


 年少から出て性転換病になったり、原因不明の得体の知れない病気になったり、きっと俺はいつの間にか灰になって消えるんだろーな。

 せめて、美女のお姉さん数十人とあんな事やそんな事をしたかった……今そんな事したら、ただのレズプ〇イじゃねぇーか! ……でも、それはそれで……。


 「遥香! アンタ、トイレでなに騒いでんのよ?」


 ……っと、そうだった! レズプ〇イの妄想をしている場合じゃなかった! 母さんに病院に連れていて貰わねぇーと。


 「下から血が出てきて……大変なんだ! 原因不明の得体の知れない病気……ん?」


 扉越しに聞こえてきたのは母親の笑い声で、何故か嬉しそうに話し掛けてくる。

 この時まではマジで、得体の知れない謎の病気だと思い込んでいた。


――


 母親の説明で理解した事は2つだけだ。

 まず1つ目は、月1でくる大変なモノであること。

 2つ目は、完全に女になったということ。


 「ハハハ……ちょっと、お……わ、わ……私の脳内がパンクしそう……」

 「……遥香……」


 さすがの母親でも息子が性転換で女になって、しかも女の子の日まで来たなら、ショックもあるだろう。

 けど、母親このひとなら自分のショックを隠して励ましの言葉か何かをくれるだろう。


 「……シてもいいけど、ちゃんと避妊しないと子供出来ちゃうわよ」

 「……はぁ? なに言ってんの?」


 フツーそんな事、自分の子供言うか? あり得ねぇーだろう! なに考えてんだ!

 つーか、男とス……ん? 何で瀬田アイツの顔が?


 「あ! もうこんな時間! 私はそろそろ仕事に行くわね」

 「あー、ハイハイ」


 もう何処にでも勝手に行けばいい! つーか母親あのひとって、あんなキャラだったのか?

 俺も仕事……って、今日は店の定休日だったし、頭を整理するために散歩でもすっか。


 「はぁー……どーなるんだろ?」


 近くの公園をブラブラ歩きながら、これから将来さきの事を考えたらマジでいつか母親になるんじゃねーかって思う。

 出産の痛さって死ぬくらいイッテーって言うし、途中で死ぬんじゃ……なーに考えてんだ俺は?


 「んー、明るい事を考えねぇーとなァ……」


 女になってから明るく良いことなんて考えても無かったし、そもそも女にとっての良いことなんて思い付かない。

 つーか、ゴチャゴチャ考えても使える頭がねぇーから何も答えを絞り出せないんだよなぁ……。


 「ねぇねぇ、少しだけで良いから俺と付き合おうよ! ゼッテー楽しいからさ」

 「ちょ……やめて……」


 ったくよ、何で公園でしかも朝からナンパしてんだ? 発情期のサルか! まぁ、見ちまったモンは仕方ねぇーな!


 「オイ! テメェ、何してんだよ?」

 「ア? ……ヘェ、結構可愛いな! 俺と遊ばない?」


 コ、コイツ……俺の胸ガン見しやがった! ゼッテー生きて帰さねェ! 先手必勝!


 「オルラァ!」


 男の時よりかパワーがないが、急所を殺れば大抵のヤツは一発で……って、コイツ拳を防ぎやがった!


 「コリャ、女のパンチじゃねぇーぞ! でもまぁ、男から見れば大したことねーけど」


 ヘッ! 余裕でいられるのも今の内だぞ、コラ! 前に襲われた時に学習して催涙スプレーを常備してんだよ! 喰らえ!


 「んッ……ウワッ!」

 「女相手に喧嘩か?」


 ん? スゲー筋肉がある……瀬田かな? ……って、瀬田じゃねぇーのかよ! こんな時は……イカン何かヤベェー方向に向かってんな。


 「邪魔ァすんじゃねーよ、この黒髪ヤロー」

 「ウゼー」


 な!? アゴに一発入れただけで……! つーかコノ野郎、転けそうになった時に助けてくれたマジメ作業服だ!


 「大丈夫? 怪我はない? って、確かもう1人いたと思ったけど……」


 助けて(?)くれたのは良いが何故、瀬田アイツ……じゃなくて、何だけ? クソ瀬田のせいで忘れたじゃねーかよ!

 それにしてもマジメ作業服……瀬田と同じで細マッチョだな。身長は瀬田の方が上か。


 「それじゃ俺は、散歩の続きでもすっかな」

 「あのさ……ア、アリガト……」


 いや、礼じゃなくて名前を聞き出したかったのに何故、俺は礼をしたんだ? フツーは助けて……助けて貰わなくても催涙スプレーで何とかなったけど、一応礼はするよな。


 「どーいたしまして」


 何か爽やかな感じだな……。

 んー、何で瀬田アイツと比べてしまったんだろ? 今から瀬田に会ってみるか!


 このマジメ作業服が俺たちの仲に加わり、ウルサイ毎日が始まるのはもう少し先の話だ。

PV1,000突破!

ありがとうございます!


これからも『不良から女になって』を宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ