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不良から女になって  作者: アホです。
3/8

単車ヤローの名は瀬田 圭二

 レ〇プされそう……って、あん時はマジで必死だったから別に何も思わなかったけど、今はちょっとアレだな……。

 で、今の状況はっつーと――


 「な? そうなんだろ? あん時、喧嘩したヤツだろ? なんか面影があるもんな」


 再び壁に追い込まれた状態で、しつこく同じ質問を壊れたオモチャみてーにしてくる。ホント、ウゼー。

 一瞬、殴ってやろうかと考えたが、この身体では返り討ちにされ好き放題ヤられ……んー、コイツの場合はゼッテー無さそうだけどな。

 このままじゃ本当の事を話すまで解放してくれなさそうだし、本当の事を嫌々……マジで嫌々だからな! 話した。


 「やっぱりな、俺のカンは正しかったな……つーか、オメェ……や、何でもねぇ」

 「ア? 何だよハッキリ言えよ! このヤロー」

 「……瀬田せた 圭二けいじだ。オメェは?」


 このヤロー、話しの……何だけ? 腕? まぁ、何でも良いけどフツー自己紹介に入るか? バカじゃねーの?

 バカにしようと瀬田バカの顔を見たら、ジッーと目を見つめ返し目を逸らさない。コレって、男同士……いや、他人から見たら女と男だな。いや、それでもアウトだろ!

 でも瀬田コイツは、今まで見てきた他の不良とは何となく違って面白そうだ。ダチとしてなら別にいいや。


 「市川 隼人」


―――


 1回ある事は3度あるだっけ? 他にもナンパしようと来るバカがいるが、隣を歩いている瀬田ボディガードのおかげ……って――


 「つーか、何でテメェが付いてくんだよ! コラ」

 「ア? そりゃ決まってんだろーが! こんだけ可愛い娘が歩いてっと心配だからだ!」

 「テメェは父親かよ! これから行くトコは……って、場所変えるぞ」


 何故、場所変えようとしたのかそれは、周りの大人の視線がキツイからだ。

 どんな視線かと言うと、「あのカップルは仲が良いわね~」とか「あの頃の旦那もあんな事を言ってたのよ」とか「昼間から学校も行かずにイチャついてんな」とか誤解している大人が多く絶えきれない。

 目的地のショッピングモールに逃げ込み……余計に誤解される場所だよな……。


 「ヘェー、これから行くトコって……ショッピングモールだったのか」

 「ああ、これから買うモンはゼッテー知られたくないしオメェが見たらいけねぇモンだから、付いてくんなよ」

 「もよォ、万が一って事があんだろ?」


 今ここで、瀬田コイツをブッ殺しても世の中の女は許してくれるよな? 何故、男と一緒に下着を買わないと……コレって完全に女の台詞じゃねぇか……。


 「万が一って事も億が一って事も有り得ねぇから、付いてくんな! いいな! ゼッテーだぞ! もし、付いてきたらテメェ……マジでブッ殺す」


 こんだけ言っとけば、いくら瀬田バカでも付いて来ねぇだろ!

 つーか、女の下着とか見たり触ったりした事はあるけど、サイズとかもそんなに詳しくねーし、着けた事もね……あったら変態だな。ま、店員に聞けば分かるだろう。

 今更だが、たった1人で行くというのもちょっと抵抗があるし、瀬田バカを連れていく訳にはいかねぇーし。母親と……ってあの人も忙しいし……。


 「どこに行くのか知らねーけど、近くまでなら一緒に行ってやる」

 「なっ! テメェはマジで……」


 さっきと同じように目が合って文句を言いたかったけど、何故か瀬田バカに向かってこの時は言えなかった。

 瀬田バカとは途中で別れて、いざ未知なる世界に足を踏み入れる。


 「いらっしゃいませ!」


 ス、スゲー! こんなに大量の下着見たことねぇー! ん? あの下着有名人のあの人が――――



しばらくお待ち下さい。




 「ありがとうございました!」


 入る前の未知なる世界は抵抗があったけど入ってみたら、色んな有名人の下着姿を妄想したりして楽しかった。また、行きたいとは思わねぇけど。


 「終わったのか?」


 って、まだ居たのか瀬田コイツ。暇人なのか?

 でも、瀬田コイツが居なかったら買えなかったんだよな。マジで他の不良ヤツとは違うな。

 瀬田コイツにはカリを作りたくなかったけど、結果的は作ってしまったから何か奢ってやるか。


 「ああ。……何か奢ってやるよ、オメェが居なかったら買えなかったしな。何がいんだよ? 瀬田」

 「……フッ。 じゃ、今晩デートしようぜ! 市川」

 「はぁ? ザケんなテメェ!」

 「何か奢るより安いだろ?」


 クソちょっと認めたからってチョーシ乗りやがって! 何が「今晩デートしようぜ!」だキメェんだよ!



 でも、マジで憎めねぇんだよな。

ブックマークして下さりありがとうございます!!

これからも『不良から女になって』を宜しくお願いします!

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