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かんぱに経営責任者☆白岡あさ ~あさが来た、その前に~  作者: 山本醍田
第一章・尊王攘夷編(1864年/あさ15歳)
7/22

ガリベン女子道


 海軍長の勝海舟。

 元藩校(大坂大学)学長の福沢諭吉。

 大坂四商の次跡取り候補である雁助に僕こと白岡信五郎、京都今井家での今井あさ。


 ただ、この後もクライアントとの約束がありますので、とか言っちゃう雁助は福沢諭吉に挨拶だけをして、早々に退席されてしまう。

 京都に全力遊学中である僕に襲いかかるのはどことない背徳感。


 まあ、そんなながらもここに一同会すのは依然として中々とんでもない面々なわけだが。


 まず始まったのは意外にも勝先生と福沢諭吉の小競り合いだった。


「そういえば、勝くんは公然と今の政権批判をしていると耳にしますが」


「政権批判じゃねえよ。正しいことは正しい。間違っていることは間違っている。それを言ってるだけだ」


「仮にも雇用主で、給料を頂いている相手のことをボロクソに言うなどというのは、人としてどうかと思うところがありますが」


「ちゃんと徳川でも分かる人のことは敬っているつもりだぜ。貧乏人だった俺に海外を行かせてくれて、神戸海軍操練所の長だなんて考えられないような立ち位置を与えてくれた度量を持った方だ。一生かかっても返せない恩を貰った育ての親だよ。けどもな、今の徳川は少し問題が多すぎる。育ての親の周りには年がら年中悪巧みを考えている悪党の取り巻きが群がりすぎている。それも代々に渡って巣作っているとんでもねえ連中だ。そいつらを一人二人頑張って引きはがしてもどうにもならねえんだ。これを親を引っ越しさせるしかねえんだよ」


「今の幕府が色々な問題をかかえていることに関しては同意しますし、抜本的な立て直しが必要なことも認めます。しかし、尊皇攘夷なる、あんな既知害な連中がそれに変わってこの国を治めるなどということは絶対にあってはいけないことです。尊皇攘夷なんてものは、ただの蛮族が天皇の名前を振りかざして暴れ回っているだけです。あんな活動のどこに民意があるというのですか。民衆の誰が、外国人を斬り付け、外国船に大砲を打ち込み、その結果として住む街を灰の海にしてくれてありがとうと言っているのですか」


「お前は根っからの学者肌だからな。ああいった連中が怖気が震うほどに毛嫌いするのは分かる。しかし、ああいう連中が暴れることで、回りはじめた車輪もあるんだよ」


「そんな車輪は一切合切なく、幻想でしかありません。彼らはこの日本という国を目茶苦茶にしようとしてるだけです」


「おめえは根っからの攘夷嫌いだからな」


「進んだ西洋諸国の本を翻訳し、学ぶ姿勢を見せるだけで命を奪われる心配をしなくてはいけないのですよ。そんな連中がこの国を治めるなど、考えるだけでおぞましいことです」


「まあ、あいつらが危ない橋を渡ってるってのは確かだわな。俺だって、いつ命を奪われるかわからねえからよ。とはいえ、命を張ってまで国のことを思ってくれてるなんて、中々出来ることじゃないありがてえことじゃねえか」


「命を狙われているのに、そんなことを悠然と言い放つ勝くんの神経は、どこか焼き切れているかもしれないですね」


 違いねえと勝先生は豪快に笑った。


「まあ、何にせよ俺なんかはもうちょっと頑張らんといかんな」


「勝くんは、幕府の金で幕府を壊しかねないと見ていてハラハラしますね」


「諭吉よ。何度も言うが、俺は育て親である徳川には感謝しかしてないさ。神武天皇が降臨してから二千年近く、戦ばかりしかしてこなかったこの国に、何百年もの平和な時代をもたらした歴史に残る快挙を果たしてくれたんだからな。親孝行な俺としては親に纏わり付く悪い取り巻きから親を守ってやるだけさ」


「懲らしめる、の間違えではないのですか」


「一体一で殴り合いが出来ればいいんだがよ。あいつらのやることといったら話し合いから逃げたり、談合して人を追いやろうだのそんなことばっかだ。あの連中のリストを攘夷派に渡して、斬るならそいつらでと頼みたくなるぜ」


 その二人のやり取りに僕はただ圧倒されるばかりだった。

 勝先生も福沢諭吉も共に咸臨丸という船でアメリカに行った仲だった。

 僕らには全く見えない関係性があるのかもしれない。

 そんなものは全然なくて単に気が全く合わないだけの関係かもしれない。


「ちょっと福沢先生、質問があるんですがええですか?」


 そんな異様な空気でも、平然と切り込むことが出来るあさはさすがは我等のKY代表だ。そこに痺れる、憧れるぅぅぅ。


 福沢諭吉はあさを見て少しだけ驚いた表情を浮かべた。


 そらそうだだろう。


 ようやく家事手伝いが一人前に出来るようになってきたというような十四歳の娘が、幕府の要人でもある人物に臆することなく話かけてきたのだから。


「はい、なんでしょうか」


「ちょっと学ぶことに関して質問があるんやけどいいですか。福沢先生は女性が学ぶことに関してどう思われますか?」


 そう聞かれた福沢諭吉は、不思議そうな表情を浮かべた。


「どう思うとは、どういうことでしょうか?」


「あ、すいません。言葉足らずでした。少しだけ背景を説明させて貰うと、うちは子供の頃から勉強が好きでした。成績も決して悪いもんではないと思ってます。けども時たま、いやしょっちゅうですね。女性が勉強してどうするんだ、みたいなことを言う輩がいます。そういうのはだいたいはうちより馬鹿なんで、馬鹿の嫉妬やと思って無視してるんですが、本当にそれを無視し続けていいもんかたまに心配になるときがあります。うちからみたら男性社会つうのは嫉妬の海みたいなもんで、それが時より人を殺すことも珍しくありません。ましてうちなんか女性です。どれだけ合理的で正しいことをしようとも、この世の不条理に押し潰されてしまうことがあるんやないかと思うことがあるんです」


 それを聞いた僕は少なからず衝撃を受けた。


 鉄の心臓を持って疑わなかったあさが、そんな人間チックな面を持ち合わせていたなんて。


 福沢諭吉はなるほど言って、ゆっくりと口を動かす。


「私は学問というのはこの世で数少ない平等な概念だと思っています。誰かが出来ないことが、その人ならが出来る。それが出来る人が少なければ少ないほど取り換えが効かなくなるということですから、価値は高く、いい給料を貰えて重宝されす。私は三歳のときに父を無くしてから、長崎、大坂とずっと貧しい環境に身を置いていましたが、語学に才があるということで幕府に抜擢され、それ以来重宝されています。そこにいる勝くんもそうで、彼のような貧乏藩士がアメリカにまで行かせて貰ったのは、ただ豪快なだけではなく、強い意志があるだけではなく、少なからず勉強することが出来るからです。そこに血や環境はあまり関係ないのではないでしょうか」


「学問は平等」


「幾ら嫉妬されようが、その人物でないと出来ないことがあれば、重宝されるということです。あとはいざという時に守ってくれる味方でしょうか。私の場合は藩校の師である大村益次郎や同士達がいました」


「そういう意味では、その娘さんの横にいるのは加野屋のぼっちゃんったりする」


「ほう」


 それを聞いた福沢諭吉は、嬉しそうな声をあげた。


「父上は役人でしたが、学問の好きな方で、いつも関孝和の『数学マニアックス』シリーズを夜遅くまで読み耽っていました。暗算、そろばん、利子勘定といった計算において右に出る者はおらず、その能力は金貸しの商人を相手にしたときに真価を発揮しました。数字を並べながら畳みかけるように話す父に、太刀打ち出来る商人など大坂を探し回ってもそうはいないのです。そんな父上が、数字の戦いにおいて唯一苦戦したと言われているのが加野屋や山王寺屋をはじめとする大坂四商の面々だと聞いています」


「偉いのはこいつの父親やけどな」


 あさが適切なツッコミを入れて、僕の株を丁寧に下げてくれた。

 ここで僕も厳しい教育環境で苦労してきて、藩校(大坂大学)に声をかけてもらったりと頭もよかったりするんだとムキにマジレスするのはただのKY。

 僕ほどまでに、調教が進むとここでえへへ( ´∀`)と笑みを浮かべながら、どうもどうも、ボンボンの生まれで、何一つ苦労することなくここまでやって来たあさの金魚の糞ですと挨拶が出来るのである。


「福沢先生、それなら女性が学ぶことに対して、ちょっとだけ思うことがあるんですが、聞いて貰ってもいいですか」


 おいおいまじかよと思った。

 うちの連れは僅か齢十四にして、福沢諭吉先生に対して物申すほどのKYゾーンに辿り着いてしまったのか。


「どうぞ」


 そんな型破りで有名な今井家四女の発言に対しても、大人の対応をする福沢先生。


「うちは今まで色んな人を見てきたけど、こつこつした作業なんかは女子の方が向いていると思うねん。そもそも、家計のやりくりは女の人がやってる家だって珍しくないしな。だから、例えば記帳やら女子が活躍するところがあると思ってるんや」


「それは一理あると思います」


「それに女子の方が男子ほど出世欲が強ないから、数字を変にいじったり、懐に入れたりするリスクは少ないはずや。あとは意外にも語学なんかが女子の方がむいてるかもしれへん」


「面白い考え方ですね」


「それに女子に成績で負けてたら、男の人もムキになって頑張れると思うんや」


 その発言は僕の胸がスキュンと貫いた。

 まさかとは思うが、あさは僕が対抗意識を燃やしていることを全部知っているのだろうか。


 いつも明日に向かって猛進しているように見えて、真後ろ僕のこともちゃんと見てたりするのか。


 もしそうなのであれば僕の顔はますますトマト色。

 穴があったら入りたい気分だ。キャッ(*/□\*)。


「そうですね。私もライバルに女性がいたとしたら今の何倍も努力を重ねたかもしれませんね」


「あとは、女性によってはいつも笑みを欠かさないような性格の子もおる。そんな女子が一人おるだけで、全員の士気があがることになる」


 これは、あさの姉であるはつ姉さんのことを言っているのだと思った。


 いつも場の雰囲気を和ましてくれるはつ姉。

 今井家はそんなはつ姉の商業的価値をも見出だしていて、山王寺家とのやり取りの窓口としてやっている。

 結構な難しい交渉事であっても、はつ姉がにこにこと笑いながら来るだけで話が纏まることが珍しくないのだ。


 福沢諭吉はそんなあさの主張を耳にしながら、何度もふむ、ふむを何度も首を縦に振っていた。


「そこまで女性教育に興味があるのでしたら、学校を作られたらいいかもしれませんね」



「学校」



「言ってみれば、女性のための藩校(大学)というところか」


 それを聞いたあさはしばらく硬直していた。


 その後、しばらくして何かに取り付かれたように学校、学校と小さく呟き始める。


 このご時世でも、女の人は高校に相当する場所に行くことは出来たが、大学相当の物は存在しなかったので進学はそこでおしまいだった。

 勝塾に関しては勝海舟がぶっとんでいるだけであさは通うことが出来ているが、僕よりも成績が優秀にも関わらず適塾(大阪大学)からは声がかかっていない。


 けども、無いなら作ればいいじゃないと言う発想は、いかにも適塾学長から蘭塾(慶應義塾)を創設した福沢諭吉先生っぽい発想だ。


「どうだ、福沢、うちの学生には面白い人材がいるだろう」


「勝くん、人はどこにでもいますよ。大坂にも、長崎にも、江戸にも、それこそ東北にも」


「相変わらずつまんねえ回答しかしねえやつだな。じゃあおまえの人生で、学問のことに関する質問や提言なんかをしてきた女子はいたのかよ」


「マアソレハ」


「何が、まあそれは、だよ。ま、こんなやつだが、残念なことに今の西洋事情において一番詳しい日本人であることは間違いない」


「帰国子女のジョン万次郎くんがいますので、日本で二番目ですかね」


「まあなんでもいいさ。とりあえずは今井あさ、何はともあれ勉強にはなったかい」


 あさは首をこくこくと縦に振る。


「また、大坂に来ることがあったら連絡をくれや」


「勝くんが海軍大将を罷免クビされて、江戸に帰ってくる方が先かもしれないですが」


「はは、違いねえ」


 その場はそこでお開きとなった。

 僕とあさは何度も深いお辞儀をして部屋を出た。





 建物を出ると昼三時ぐらいと結構いい時間になっていた。

 そのまま直帰で帰るのかと思いきや、あさがはつ姉が山王寺家に出張で出てきてるから、合流して一緒に帰るということを言い出す。


 その待ち合わせのために、堂島に向かうことになった。



 この時代、大坂の梅田近くの堂島には、巨大な先物取引市場が存在する。


 

 日々変化する米の値段に、商人が「売り」「買い」と屋号を飛ばすのである。

 ちなみにここの値段は高台からの手旗で江戸から長州まで飛んでいく。


 つまり、日本全国で同じ米価格での売り買いが行われるのだ。


 米将軍とも呼ばれた徳川吉宗が、米の値段を安定させるように、買い占めが起こらないようにと今から百三十年前に構築した世界初のおこめウォールマートである。


 堂島の米市は、さすが日本のお膝元だけあってこの時間でも活気は耐えることはなかった。

 薩摩(鹿児島)の砂糖や、土佐(高知)の鰹節、播磨(兵庫)の塩、長門(九州)の紙。海のある大坂だから可能なことで、内陸の京都ではこうもいかないだろう。


 そんなところに、見知らぬ肌黒い男連中をぞろぞろと引き連れたはつ姉が現れた。

 あまりのむさくるしい光景に、箱入いりの任侠一人娘が下々の人々の生活を鑑賞に来たのかと思ったくらいだ。


「遅れてごめんなさい。待ちました?」


「いや、今来たところや。はつ姉こそ今橋からわざわざ遠回りで悪かったな。って言いたいけどその後ろの連中は何や」


「これから買いだしに行くからって言ったら、山王寺家の人がわざわざ従者をつけて頂いて……私は大丈夫だからって断ったんだけども……」


「うっす! はつさんをこんな人の行き来の激しい場所に連れて来て、万が一怪我などをされてしまった人には、一体我々はどうすればいいか」


「いや、どうもせんやろ。はつ姉の自己責任やし」


「なんでも山王寺家の方々、買った荷物を京都まで運んでくれるって言ってるんですよ」


「はあ! 京都まで!? ここ大坂やで。まだ全然距離あるけど」


「うっす! はつさんのためなら日本のどこまでも荷物を運ばせて頂きます!」


「ちゃんと上司許可は取っとるんかいな」


「うっす! 我々皆ちゃんと頭首の許可を得て、ここまでやって参りました!」


 まじかよ。

 はつ姉どんだけ取引相手の深層心理まで掌握してるんだよ。

 しかも、仮にも相手は大坂四商の山王寺家だぞ。大丈夫なのか山王寺家。


 と、そこまで突っ込んでおいて、はっ、そういう自分もあさの金魚の糞と(ちまたでは)言われている(らしい)ことを思い出した。


 つまり、今井姉妹はたった二人で大坂四商のうちの二社を掌で転がしてるということになる。


 恐るべき今井家。


 がくがく、ぶるぶる。


「おい童貞。何さっきから一人で顔面喜怒哀楽遊びやっとんねん」


「すいません」



 それから買いだしタイムが始まった。

 こうなればはつ姉無双が始まるわけで。


 周囲をわらわらする商人達に、神速で指示を出しつづける。


「ああ、あの大根も買います。そこの煮干しも、味噌も、豆腐は二丁で」


「はい! はい! はいはい!」


 はつ姉の指示と同時に行動に移す下僕達。

 完成度の高いオタ芸を見てるようだ。


「明日の朝ごはんも買います。そこのお米、卵、鯖、ほうれん草、デザートの苺!」


「はいはいははいはいはい!」


 はつ姉が視線の方向に動くピクミン達。


「昼食はおそばにします。そば粉、鰹節、醤油!」


「ゴヤス! ゴヤス! ゴヤス、ゴヤス!」 


 そんなかんなでプロ料理人かよ、と思うような数時間にも及ぶ買いだし。

 終わる頃には借りた台車が食材でぱんぱんになる状態に。


「はは、はつ姉、ご満足したかいな?(引きつった笑顔で)」


「もう、これも美味しそうあれも美味しそうで。京都だと錦市場(当時は魚市場)もあるけど、やっぱり堂島市場の方が品揃えがいいわねえ」


 そんな家族の会話にも、モブキャラ共は平気で割り込んで来る。


「はつさん! もしまた堂島市場に来たい時があったらいつでも言ってください!」


「ええ、でもそんなの悪いですし……」


 いや、本当に。悪いわ。


 しかしながら、僕の意思とは無関係に、はつ姉の目は本当にいいのかしら?

 じゃあまたお願いしたものか、と目の奥の奥にぎらぎらした物を輝かしている。


「まあまあ、買ったとしても置き場所の問題もあるしな。ほどほどにしといた方がええんとちゃうか(引きつった笑顔で)」


 あさもこれはやばい、困るとすかさず割り込みを入れる。


 帰路は後方に野郎と荷台を引き連れながら、夜逃げのような光景。


 はつ姉さんは後ろの方で楽しそうに山王寺家の従者さんとお話を交わしている。


「大丈夫ですか? 重くないですか?」


「いやいや、こんなものいつもの仕事に比べたら朝飯前です!」


「ありがとうございます。お礼っていうほどじゃないですけど、今度、山王寺家に行くときは差し入れを持っていきますね」


「ええっ! いいんですか! ありがとうございます!」


 クソみたいなホームドラマを近距離で繰り広げられ、あさは頬を常時膨らませたストレスMAX状態。

 だが、はつ姉さんが絡んでいるということもあってか、死ぬ気で我慢してるようだ。


「そういえば……この後たぶん夕食会があるんやけどうち来るか?」 


 その影響もあってか、あさの口から謎めいた提言が出てきた。


「……家族団欒の場にいいの?」


「ん、まあシンジならみんなも知ってるし大丈夫やろ。それにはつ姉があの様子やし、どんだけ量作るか想像もつかへんしな」


「忠興さんもいるよね?」


 忠興さんとは現今井家の棟梁のことだ。


「そらおるやろ。何や苦手やったっけ?」


「いや、いつまで京都におんねんはよ大坂帰れや(意訳)的なこと言われたらどうしようと思って」


「そんなこと口には出さんやろ。内心はそう思ってるかもしれんけど」


「えー、やだー。それはそれでちょーやだー」


「まあええやんか。まあ、たまには来たらどうや?」


 普段は家庭臭をほとんど出さないあさにしつこく誘われたということもあって、僕の心は行く方向に寄っていきます。


「……じゃあ、お邪魔しようかな」


「ほいさ」



 しかし、まさかこの時の安易な発言があんな出来事を起こすなど、この時誰が予想出来ただろうか(フリだけ)!



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