アスヒ君の過去…3
ア「僕は…弱いです…」
?「アスヒく…」
ア「でも!!僕だって…闘えるって証明したい!!守られるだけじゃダメなんです!!ぬいぐるみさん!!」
?「アスヒ君…!」
?2「ぬいぐるみじゃないかんな!よし、いくぞ、アスヒ!!!」
ア「はいっ!!」
ぬいぐるみさんと手を繋いだ瞬間、僕の右腕が光り、紋章が浮かんできた。
ア「これは…」
?2「契約した証だ!これで君も魔法使いだ!」
僕はコクっと頷いた。誰からか教えてもらった訳じゃないけど、どうすればいいかはもう分かっていた。
?2「さあ、行って来い!りまが食い止めてるうちに」
ア「はいっ!!」
僕だって…出来る!!!
ア「スターライト・シーイング!!」
?「うぐぅおおおお!!」
ズシャァァアン!!
?「アスヒ君!!」
はぁ…はぁ…
?「出来たじゃん!アスヒ君!」
ア「はい!出来ました。でも…これからどうすれば…」
両親は、よく分からないけど、悪魔界で眠らされてるらしい。
?「決まってるでしょ?」
ア「えっ…?」
?「私と一緒に行こう!」
ア「はいっ!有り難うございます!あの…聞きそびれてたんですけど…」
?「ん…?」
ア「お名前は…」
すると彼女はクスリと笑い
り「私の名前は松崎りま!ずっと昔に会ってるよ!」
それが分からなかった。さっきも言ったように、僕は彼女と会うのは今日で初めてだったはず…
り「まあ無理もないか。だって、『この姿』じゃなかったもん」
ア「えっ…?」
り「ハハッじゃあこれなら分かるかな?よっと!」
ア「?!!」
ねっ…猫!?しかも…この猫…
ア「僕が昔拾った猫…」
り「よっ…と!そう!実はその猫は私だったの!」
もう一度人の姿に戻ったりまさんは、ニパっと笑いながら言った。
り「猫の姿だと、怪しまれずに行動できるからね!でも迂闊だったな…まさかどしゃ降りが降ってきて倒れちゃうだなんて」
…そうだ。僕が小さい頃、道端で倒れている黒猫を拾って、助けたんだ…。
り「あの時はありがとね、アスヒ君!家でかくまってもらえるなんて思ってなかったよ」
ア「…だから僕の名前も分かってたんだ…」
り「そゆこと!」
?2「おら、二人共、そろそろ帰るぞ!アスヒにも家や唯世を紹介しなきゃ…」
ア「あっぬいぐるみさんの名前は…」
ル「ぬいぐるみじゃないって何度も言わすな!私はりま達のサポーターのルイだ!ぬいぐるみでも妖怪でもなく、よ・う・せ・い!だからね!」
ア「分かりましたです!えっと…これからよろしくなのです!りまさん、ルイさん!!」
理「…!うん!よろしくね、アスヒ君!!」
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ア「これが、僕とりまさんの出会いです」
晶「そう…だったんだ」
…沈黙が続く。まずい事聞いたかな…。
ア「だから…」
晶「?」
ア「だから僕は、この力全てで、りまさんを守りたいんです!」
晶「…」
ア「それで、命が尽きる事になっても…」
晶「…!!!それは流石に…!」
ア「いいんです。元々あの時りまさんに助けてもらわなかったら、無かった命ですから…。」
…俺はなんて奴だろう。こんなにも辛い思いをしている奴に、ただのライバルだと思って嫉妬してしまうなんて…。
ア「…柳瀬さんは…」
晶「ん?」
ア「…いえ、何でもないのです!それでは、僕はこっちなので…また明日、学校でお会いしましょう!」
晶「…おう!じゃあな!…アスヒ!」
ア「!…はいっ晶さん!」
アスヒは丁寧にペコリとお辞儀して小走りで帰って行った。
今は深く考えずにいよう…。あっ!
晶「俺も、なんか役にたてたらな〜」
この時の俺には想像も出来なかった。
まさか俺が、『真の力』を持っていたなんて…