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生き写し

一応、全員で確認のためにその金属製のカゴ(罠)に近づいて行く。


「うっ……これは!」


 男性の刑事(名前は二階堂さんという。かっこいい!)が、目をかっと開き、罠の周囲に落ちているモノに注目する。


「人間の髪の毛だ! 確かにここには、何かあった!」


 女性の刑事(名前は清水さんという。美人!)も、制服の警察官たちも、一斉に色めき立ってそこを注目する。

 でも、髪の毛って……。


「あ、ごめんなさい、それ、私が持ってきた髪の毛です」

 バツが悪そうに話す優衣。

「はあ?」という表情で我々を見つめるおまわりさん達。

「あの、えっと……翔太、説明して」


 さすがに気まずいのか、彼女はそれ以上言葉を続けられない。

 俺はため息をつきながら、慎重に言葉を選んで話し始める。

「えっと、その、俺たち、ある小動物を捕まえようとしてこの罠を作ったんですけど、そいつをおびき寄せるためにはスルメと人間の髪の毛が最適って聞いてたので、それで美容院からもらってきたそれを、その罠の中に置いたんです」

「スルメと人間の髪の毛って……ツチノコでも捕まえるつもりだったのか?」


 二階堂刑事が呆れながら聞いてくる。


「えっ……知ってたんですか?」

「やっぱりそうか……俺もこの街の出身だから、そんな噂ぐらいは知っていたさ。まあ、ツチノコが流行った当時にはもう二十歳過ぎてたし、試してみようとも思わなかったけどな」


 そういって苦笑する。俺も優衣も、ほっとしてつい笑顔になってしまう。

「二階堂さん、笑い事じゃないです! あなたたち、肝心の人間の生首はどこなの?」

 清水刑事がきつく問いただしてくる。二階堂刑事も口を閉ざした。


「えーと、それなんですけど……僕らが山を下りている間に、なくなっちゃったみたいで……誰か持っていったのかな?」

 俺の言葉に、五月後半にもかかわらず辺りにとっても冷たい風が吹いた気がした。


「まあまあ、ここで一旦話を整理しよう。君たちは、ツチノコを捕まえようと、ここにこの罠を仕掛けた。それがいつ頃の話だ?」

「えっと……そうそう、今日の午前十一時ごろです。時計見たから、間違いありません」

「今日の午前中か。その時は異常はなかったんだな?」

「はい、その通りです」

「で、君らが言う生首を見つけたのは?」

「えっと……一旦山を下りて、お好み焼きを食べに行って、それから帰ってきたから……そうそう、通報する十分ぐらい前だと思います」


 俺たちはものの数分で山を駆け下りたのだ。


「そうすると、通報があったのが午後二時十分だから、君らが見つけたのは二時ぐらいだな。つまり三時間の間に生首が罠にかかり、君たちがそれを見つけ、山を駆け下りた。今の時刻が二時四十五分。ということは、生首は四十分ほどの間に逃げ出した事になる」

「二階堂さん! まじめに考えてください!」


 あいかわらず清水刑事の怒りは続いているようだ。


「俺はわかりやすく比喩をつかって現状の説明をしているだけだよ。別に茶化すつもりはないさ。彼らが言うように、誰かが持って行ったのかもしれないし」


 とはいっても、特に血痕が残っているわけでもなく、いきなり行き詰まる。

 ていうか、「高校生のイタズラ、もしくは勘違いにふりまわされた警察官」達の、ご機嫌が悪くなって来ているのが実感できる。

 念のため全員で辺り一帯を調べてみたものの、特にこれといって手がかりになるような物は発見できず、結局その日の捜査は打ち切りになった。


 優衣は半べそだった。

 山を下りた後パトカーに乗せられて警察署に連れて行かれて、なんかいっぱい書類を作られた上、「あそこは禁猟区なんだから、たとえおもちゃのねずみ取りでも仕掛けるべきではない」とか、「遊歩道から離れた場所には入らないように」とか、いろいろ説教をされた。

 その後、元の登山口まで送ってもらい、そこから自転車で街に帰る頃には、辺りはすっかり夕暮れになっていた。

 その道中、優衣は


「絶対納得がいかない! 私たちは正直に、ありのままを話したのに、あんなに怒られるなんてひどい!」


 みたいな文句をずっと言っていた。こういうところが無ければかわいいのになあ。


「そういえば、翔太、山を下りるとき、ビデオカメラ落としたりしなかった?」

「ああ、ちゃんと持っていたよ」

「あの生首、ビデオ録画していたんじゃなかったっけ? どうして見せなかったの?」

「そういやそうだな。でも、後ろ姿しか写ってないはずだよ。それを見せたところで、かえってイタズラとしか思われなかったんじゃないかな」

「そうかなあ……とりあえず、翔太の家で見てみない? それでちゃんと写っていたら、明日もう一回警察に行って、『ほら、ウソじゃなかったでしょう』って言おうよ!」

「うん、まあ……あまり気は進まないけど」


 正直、後ろ姿だけとはいえ、あの映像を見るのは薄気味悪かった。

 もう夕方六時半を過ぎ、結構遅くなっていたので明日にしたかったが、優衣はそうさせてくれそうもなかった。


 とりあえず、俺の家に連れて行く。

 両親は現在、共に東京に長期出張中。

 俺は一人っ子だから、この一戸建ての家には、つまり俺しか住んでいない。

 そんな家に女の子が一人、のこのこと案内される。

 幸か不幸か、優衣は小学生のときからここに遊びに来ているので、警戒心はゼロだ。

 早速リビングにて四十型の液晶テレビにHDMI外部端子で接続し、再生してみる。


 この部屋は絨毯が敷いてあり、ソファーはなく、冬はコタツになる小さなテーブルがちょこんとあるだけ。

 俺と優衣は並んでクッションを座布団がわりにして座り、その映像を見つめる。


 最初は関係のない画像が連続しているので、早送りで飛ばす。

 そして罠を仕掛けるシーン。

 優衣が自分の髪の毛を切り取り、そこに収める。やっぱり、ちょっとどきっとするシーンだ。


 手ぶれもなくアップで真剣な表情がばっちり捉えられている。ふだんの天然な性格も映像にには残らない。これは永久保存版だな。

 スルメと髪の毛をちょっと燻し、その場を離れたところで一旦終了。

 その後、お好み焼き屋のおばちゃんのインタビューが続く。


 さて、次が問題のシーンだ。

 再生が始まると、そこには罠の中に、黒っぽいボールの様な物が写っている。

 しばらくそのまま映していたが、それはピクリとも動かない。

 そこで撮影を止めたはず……が、なぜか録画は続いていた。

 停止し忘れていただけだが、そのために映像の上限が反転し、そして俺の後方が写っている。右手で構えていたカメラを、だらんと下に降ろしたからだ。

 一緒にテレビを見ている優衣が、何これ、という感じで指を差した。


「いや、単なる止め忘れだよ。もうやめようか?」

「ううん、せっかくだからもうちょっと見てみよう」


 というわけで、見ているだけで酔いそうな映像がそのまま続いた。

 そこから先は、俺たちの会話は聞こえない。そう、この時は一言も話さず、恐る恐る、反対側に回り込んでその正体を確認しようとしていたのだ。

 しかし肝心のカメラは、やはり降ろした俺の右手にあり、しかも反対側を映していたので、ただ雑木林の映像が上下逆さまに表示され続けるだけだ。

 一瞬、画面が静止した。


「きゃぁあああああああぁぁぁっ!」

「うわあああぁああぁぁぁぁっ!」


 緊迫した場面だったので、その二人の大声に、再生している俺たち二人も同時に驚いて後ろにのぞけった。自分達の声に驚かされたら世話はない。

 そして画面が大きく回転し、そしてほんの一瞬、それは写った。

その後は激しく画面が揺れるだけで、何がなんだか分からない。


「翔太、いま一瞬、写ったよね?」

「ああ、そうだな。ちょっと巻き戻ししてみよう」

 そしてもう一度再生。


「きゃぁあああああああぁぁぁっ!」

「うわあああぁああぁぁぁぁっ!」


 この声にはもう飽きた……というか、何度も聞くと間抜けだ。

 隣の優衣も苦笑いしている。

 そして絶妙の箇所で一時停止。

 おお、思ったよりはっきり写っている。たまたま逃げだそうとした一瞬、静止状態になったようだ。

 そこには、上下逆さまながら、はっきりと女性の生首とわかる物体が映し出されていた。

 画面の隅の方に小さく映っているだけだが、目はしっかりと開き、顔色もいい。まるで生きているかのよう。


「ほら、ね! やっぱり女の人の生首じゃない! 明日これ、警察に持って行こうよ!」

「ああ、これだけはっきり写ってたら、少なくとも俺たちはウソを言っていなかったと、さすがに信じてくれるだろう。けど、ちょっと待ってくれよ……」


 俺には、妙に引っかかるものがあった。

 この生首、誰かに似ているような気がする……。

 カメラの機能を使い、上下を反転させ、その部分を拡大してみる。

 映し出されたその顔は……。


「えっ……これって……」

 つぶやく優衣の顔を見て、ぞっとした。

 今、隣にいる優衣と瓜二つの生首が、画面に映し出されているのだ。

「……まさか……何かの冗談よね?」

 さすがに優衣は、青ざめている。


「これって、私……私なの? 私の生首なの?」

 なんて不気味なことを、そんな表情で言うんだ! 俺まで怖くなって、返事ができないじゃないか。

「ねえ、翔太。ひょっとして私、死んでるの? 今、ここでしゃべっている私は、幽霊なの?」


 確かに、そんな映画かドラマがあったような気がする。そういうの好きな優衣にとっては、それが現実にあってもおかしくないと考えているのだろう。

 俺は彼女を安心させるために、そっとその頬に触れてみた。

(冷たい!)

 俺は思わず手を引っ込めた。

 恐怖のあまり血の気がひいた彼女の顔は、想像していたよりずっと冷たかったのだ。


「何……今の、何? ねえ、なんなの? 翔太、もっとちゃんと触れてみてよ……」

 なんかリアルに怖い。本当に幽霊じゃないだろうな……。

 俺は、もう少ししっかりと触れられて、暖かそうな、目に付く箇所を探した。


 いままで、存在が気になりながら、触れたことのなかった場所。

 その中身は本当にあるんだろうか、本物なんだろうかと考えてしまった場所。

 半ば無意識に手を伸ばし、小柄な体の割に大きな膨らみのその胸に右手を当てる。

 暖かく、柔らかい感触が掌に伝わってくる。

 ああ、やっぱり優衣は生きている。幽霊なんかじゃない。

 俺は優衣を安心させようと、笑顔を見せた。


「うぐぉうぐはあぁ!」


 次の瞬間、俺は声にならない叫びを上げた。

 優衣の水平横蹴りが、俺のみぞおちにクリティカルヒットしたのだ。

 呼吸が出来ず、もがき苦しむ俺の右手を、間髪入れずに腕ひしぎ十字固めに極める優衣。


「どさくさに紛れて何てことするのよ、このド変態!」

「ひぎぃいいい! 痛てえ、折れる! 悪かった俺が悪かった!」

「悪いのはこの手ね、この手ね!」

「ギィヤアアアァ!」

 この女、折る気だ。

「ちょっとぐっ……待てって」

「命令出来る立場だと思ってるの」

「ひっ……ひぎぎぎいぃ!」


 ますます力が強くこもってくる。彼女は関節技のエキスパートだ、マジでやばい!


「ご、ごめんなさい、許して……」

 俺のその反省の言葉を口にして、ようやく優衣はほんのちょっと緩めてくれた。

「許してあげてもいいけど、何でも一つ、私が言う命令に従うって約束できる?」

「命令って、一体なにを……ぐぎぃいい!」

「翔太からの質問は許さないわ。私が聞きたいのは、YESかNOかだけよ!」

 お前は事業仕分け人か!

「YES、YES! なんでも言うこと聞きます!」

 そこまで言うと、ようやく解放してくれた。ううっ、靱帯が伸びたようだ。


「まったく、信じられないわね。不安に怯えている女の子の胸をいきなり触るなんて、翔太がそんな変態だとは思わなかったわ」

「いや、優衣の頬がちょっと冷たかったから、次はどこか暖かそうな場所に触れて、安心させようと思っただけなんだ」

「言い訳は無し。私だって女の子なんだから、もうちょっと接し方があるでしょう?」

 ついさっき、俺の腕をへし折ろうとした暴力娘が、女の子を語る。

「じゃあ……どうすれば良かったんだ?」

「例えば……そうね、優しく抱きしめて、『大丈夫だ、俺が守る』とかって言ってくれたら、すごく心強いし、嬉しかったのに」

 へっ?

 そういうのが良かったのか? そうだと知っていれば、俺もそうしていたのに。


「……ごめん、そういうの、発想に無かったんだ。ほら、俺たちずっと小学校の頃からプロレスの技掛け合うような仲だったから、なんていうか……」

「……私達、もう高二なのよ。いつまでもそんな子供じゃないんだから、ちょっとは自覚してね」

 今しがた、俺にプロレス技かけたくせに。


「まあ、確かにさっきのは俺が悪かった。反省してるよ」

「そう。じゃ、約束守ってね。翔太は私の言うことを、なんでも一つ、聞かないといけないのよ」

「……ああ、そうだったな。で、何すればいいんだ?」

「まだ考えてない」

「考えずに、あんな条件だしたのか?」

「うん。でも、どんな無理な事も聞かないといけないのよ。たとえば、『空を飛べ』っていったら、飛ばないといけない」

「それは物理的に無理だから、やっぱり無理だ。もうちょっと別のを」

「死んでって言ったら、死なないといけない」

「それは物理的には可能だけど、現実的に無理だ。頼むから、せめて『優衣でもできる』事にしてくれないか?」

「じゃあ……結婚してっていったら、結婚しないといけない」

 ちょっと頬を赤らめてそんな要求をしてくる。

「それも無理だ」

「えっ……無理なの?」

 なぜか意外そうな表情を見せる彼女。

「だって俺たち、まだ十六だぜ? 少なくとも男は、十八歳になるまで結婚できない」

「もう、そんなの分かってるわよ。大人になったら、の話よ」

「……うん、まあ、それならできるかな」

「本当? うん、じゃあ、そうね、大人になるまで……ううん、十八になるまでこの約束、取っておくからね」

 そう言って、もとの屈託のない笑顔をみせる優衣。

 やれやれ、ようやく機嫌が直ったか。

 うん? 何かとんでもない約束をしてしまったような気がするけど……まあ、いいか。


「ところで翔太、本題に戻るけどこの生首の正体、分かる? 推理とか、好きだったよね?」

「そりゃ、そういうドラマとか見るのは好きだけど、自分で考えるのは……まあ、しょうがないか。今の時点で言えることは……仮にこれがお前の好きな、心霊写真だとか、心霊映像とかの類に分類してみる」

「ふんふん」

「否定しないんだな……そうすると、この手の物は大抵二つのパターンに分かれる。すなわち、撮影者とその協力者による捏造、もしくはたまたま映り込んだ、実際にこの世に存在する何かだ」

「捏造? だって私たち……」

「その通り。俺達が撮影し、捏造でないことは俺達が一番よく知っている。となれば、考えられる現実的な理由とすれば、偶然映り込んだ何かだ。優衣とそっくりであるというならば、たとえばそこには鏡が置かれていて、優衣の顔が映り込んでしまっているというパターンだ」

「……鏡とかあったかな? 絶対違うと思うけど」

「鏡じゃ無くても、ガラスや水晶に反射したとか、あるいは写真や液晶画面に映った映像とか」

「うーん、どれも違うと思うけど。一緒に見たでしょ、後ろ姿から、回り込んで目、鼻、口が確認できるところまで」

「そうなんだ。あれは間違いなく、そこに存在するモノだった。偶然映り込んだものなんかじゃない。……別の視点から考えてみよう。そもそもあのあやかし山には、いろいろと奇妙な言い伝えが多い。ツチノコを見たとか、妖怪を見たとか。その方面から考えるのなら……」

「うん。その方面からなら?」


 うっ……余計な事を言ってしまったか? 目を輝かせて、次の言葉を期待してるじゃないか。さっき怒らせてしまったこともあるし、ここはその期待を裏切るわけにはいかない。

「あれは一種の……超常現象?」

「やっぱり!」

 優衣は大きく一つ手を叩いて、満面の笑顔になった。何がそんなに嬉しいのか。

 うーん、機嫌は直ったみたいだけど、これはこれで面倒なことになるかもしれない。


 そのとき、本当のことを言うと、俺は直感していた。

 これは超常現象などではなく、第三者による何かしらの明確な意志表示なのだと。


 翌日、俺と優衣は、綾樫市中心部の怪しい占い店に来ていた。

 優衣の話によれば、この店はテレビでもたびたび紹介されるほどの人気店で、数人の占い師が存在するが、中でも現在最も注目されているのが水晶占いを得意とする「瞳」という名の若手霊能者だという。


 占い師で霊能者、という時点で怪しさ満点だが、それを口にすると彼女は不機嫌になるので、黙ってついてきた。

 店内に入ると、特におどろおどろしい雰囲気ではなく、落ち着いたダウンライトの光に、キャンドルが一つ点っている。照明はこれだけだ。

 椅子とテーブルは意外と質素だが、決して安っぽいわけではなく、なんというか、「西洋の民家」にいるような、割とくつろげる空間だ。


「もう、キョロキョロしないの。もうすぐ先生、いらっしゃるから」

 先生? いらっしゃる?

 やばい、優衣はすっかり信じ込んでいる。料金は三十分で三千円と、むちゃくちゃ高いわけではないが、何かウラがありそうだ。ここは俺がしっかりしなければ。

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