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翌朝

登録ありがとうございます。

これからも、頑張っていきたいと思います。

・・・・・目が覚める。


昨日はいろいろあって、ぐっすり眠ってしまった。


今日はどうするかな・・・


「・・・・あれ?」


視界の右上に緑色のバーが見える。


「なんだ・・・?」


顔を動かしてみても、視界から外れない。


「・・・・・・・・」


右上にに意識を集中してみる。


バーの横に


100/100


と表示されているのが、確認できた。


「あー・・・・・」


大体、予想できた。


だけど、昨日はこんなもの見えなかったと思うんだけど・・・


僕の目に何があったんだろう。


「・・・とりあえず起きようか」


後で双子にでも訊いてみればいいだろう。


そう思って僕は身体を起こそうとする。


「よっと」


起きれない。


両腕がやけに重い。


目だけじゃなくて、腕までもおかしく・・・


「・・・いや、違うな」


両側へ目をやる。


双子が仲良く僕の腕にくっついていた。


「またか・・・」


そういえば、この部屋にはベッドがひとつしか無いのか。


「と、いうことはこんなことが毎日起きるのか・・・」


想像して、げんなりしてしまった。


今晩から床で寝ようかな・・・


「二人を起こさないように・・・」


腕を引き抜こうとしてみたが、びくともしない。


意外と力強いんだな、この子達。


だが僕は諦めない。


非力とはいえ、一応僕も男だ。


力で負けるわけにはいかない。


「で、どうするかというと・・・」


ガンッ


「ふぁうっ!?」


ゴンッ


「ふぃあっ!?」


頭突きした。


二人を起こさない事を、早々に諦めた僕だった。


「あ・・・おはようございます」


「なんか頭痛いんですけど・・・」


目を覚ました二人は僕に言う。


どうやら、僕が頭突きしたことに気付いていないらしい。


気付かないはずないと思うけど・・・


「ねぇ、僕が頭突きしたこと、気付いてない?」


「あ、そうなんですか」


「女の子に頭突きとは・・・乱暴すぎませんか」


しまった、自分から教えてしまった。


何やってるんだ、僕。


「いや、起きたのに身動きが取れなかったから、仕方なく・・・」


と必死で弁解しようとするが、


・・・いや、だからといって頭突きはないだろう。


もっとましな方法があったはずだ。


何故もっとよく考えなかったのだ。


と、考え直してみたらなんだか罪悪感が湧いてきた。


「・・・ごめん」


思わず頭を下げてしまう。


「え、いや、謝らないでくださいよっ」


「全然怒って無いですからっ」


二人は何故か慌ててしまった。


怒らないのか。


僕だったら確実に怒る場面だけど。


と、いうかキレるけど。


・・・ちょっと善良すぎないか、この子達。


「・・・とりあえず、朝ごはんにしない?」


雰囲気を切り替えるため、僕はそう提案した。


正直、昨日何も食べてないせいで、腹ペコだ。


気を抜くと、腹の虫が鳴りそうなレベル。


「あっ、そうですねっ!」


「すぐに準備します!」


二人は僕の腕を離すと、足早に台所へ歩いていった。




 * * * * * *



「ところで、視界の右上に表示されてるバー、あれ何なんだ?」


スプーンで野菜スープを口に運びながら、僕は質問する。


出来上がった料理を食卓に運んで、僕たちは朝食を取っていた。


なんだか知らない食べ物が並んでいるけど、味は悪くない。


今口に運んでいる野菜スープも、文句のつけようがない味だ。


・・・ただ、肉が無いのはすこし残念だけど。


肉を手に入れるには、街の外の動物を狩るしかないそうだ。


女の子にそれができるとは思えないので、我慢するしかない。


「あ、ちゃんと効いたんですね、目薬」


「適応に成功して良かったです」


どこかホッとしたような二人。


だけど成功って・・・


「失敗することもあるのか?」


「はい、ごく稀にですけど・・・」


「失敗すると、失明しちゃうんです」


「そういうことは事前に言ってくれ・・・」


失敗したらどうするつもりだったんだろうか。


まあ事前に聞かされていたら、絶対に目薬を受け取らなかったが。


「でも、この世界で生きていくには必要なことなんですよ」


「あれは、自分の生命を数値化したものなんです」


「この世界では、戦闘が頻繁に起きます」


「なので、自分の残りの命が数値で見れると、何かと便利です」


「何も言わなかったことは謝りますけど、お兄ちゃんの為なんですよ?」


「・・・・・・」


・・・ま、いいか。


成功したんだし。


過ぎたことを言っても仕方ない。


「分かった。なら仕方が無いな」


そう言って、僕は話を変える。


「それで、今日はどうする予定なんだ?」


「えと、お兄ちゃんはどうしたいですか?」


「僕は、街の外を見てきたいと思うよ」


「じゃあ、そうしましょう」


あっさり同意される。


というか、二人も行くのか。


「では、少し準備してきます」


「別に、僕一人でも大丈夫だけど」


というか、一人で行きたいのだけど。


「いえ、単独での行動は危険なので」


そう言うと、既に食べ終わっていた二人は奥の部屋へ駆けていってしまった。


「・・・あの子達と行っても、安全とは言えないんだけど」


僕はそう呟いてため息をついた。







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