現状確認(2)
難しい・・・
「・・・君たちにも、此処が何処だか分からないのか?」
まだ、現状を把握できていない僕は、二人へ質問する。
地球で無いなら、此処は何処だ。
何故こんなところへ来てしまったのか。
・・・いや、それ以前に。
「どうやって僕は此処へ来たんだ?」
連続で質問してしまったが、二人は後の質問に答えた。
「空に亀裂が走って、割れ目から落ちてきたんですよ」
・・・いまいち現実味が無いな。
まぁ既にありえない事が起きているからな。
なんでもありなのだろう。
それにしても・・・・
「・・・君たちは、今までどうやって生活してきたんだい?」
生まれてすぐに此処に来たのなら、決して彼女達だけでは生きてこられなかったはずだ。
少なくとも、この二人を育ててくれていた人がいたのではないか。
「・・・・・・・・・」
二人は顔を見合わせて黙り込んでしまった。
何か言いづらいことでもあるのだろうか。
もしかして彼女達を育てていた人はもう・・・・・
「・・・いや、答えづらいなら今答えてくれなくても構わないよ。この質問は保留にしよう。
君たちが言えるときに聞かせてくれ」
また心の準備が出来たときに、聞かせてもらおう。
さて、次に聞くべきことは・・・・
「外はどうなっているんだい?」
この世界はどういう世界なのか。
今僕たちがいる部屋は、どこにでもあるアパートの一室といったところだが。
敷布団の上に座っている僕には、外の景色は見ることが出来ない。
というか、この部屋には窓が無かった。
・・・換気ができないな。
「・・・実際に見てもらったほうが早いでしょう」
と片方が言うので、僕は外に出るために立ち上がる。
・・・・・立ち上がろうとする。
「・・・離してくれないかな」
未だ僕の両腕にくっついたままの双子にそう言った。
「えー、いいじゃないですか」
といいながらも、離してくれた。
いくら女の子といっても、二人は流石に重い。
・・・二人は体重もほぼ同じだった。
「・・・よいしょ」
僕は立ち上がって、玄関へ向かう。
錆びたドアノブを回して。
ゆっくりとドアを開けた。
「・・・・・あー」
目の前に広がったのは。
「とんでもない世界に来てしまった・・・・・・」
住人の気配が無い廃れた街と、
数多くの龍が飛び回っている、雲ひとつ無い真っ青な空だった。
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