序章~Prelude
「事実は小説よりも奇なり」
世の中は、小説より不思議に満ちている…なんと、これはバイロンの言葉らしい、調べてみたら。
なぜ、調べたのかって?
そりゃあ、調べたくもなりますよ。あんなことが起こったら。
…違うな。
自分のこの感情に気づいてしまったからかな?
…微妙に違う?(何故に疑問形)
何にせよ、自分はある人に恋心を抱いてしまった…らしい。
そりゃあ女の子ですから、恋の一つや二つ…これじゃ、自分が恋多き女みたいだな(苦笑)。
一通り、初恋も片思いも経験した。でも、いままでは恋をしている割にどこか冷めてる自分がいた。
一度だけ、告白されてデートもした。相手はクラスで割と人気があった彼。自分もまんざらじゃなかった。でも、帰り道でごめんなさいをした。
相手が嫌いな訳じゃない。本や漫画みたいなドラマティックな恋愛を期待していた訳でもない。ドラマはドラマ。でも、どこかで本気になれない。
彼には、悪いことをした。しかし、彼は笑っていた。
「何となくそうなるんじゃないかって、思ってた」
どのあたりから?
「う~ん、お昼を食べた後くらいから…かな。考える仕草が増えた気がしたから」
意外なほど、よく見てたね…あ、失礼だったかな?
「いや、別に気にしてないよ」
振られて、ショック?
「受けていない…と言ったら嘘になるかな。でも、あっさり受け入れている自分もいる」
本気じゃなかったの?
「もちろん本気さ。でも君の態度を見ていて、考えさせられた」
心のどこかで、何かが違うと訴えてる自分がいるの。決してあなたが嫌い、と言うわけではないの。ごめんなさい。
「わかってるさ。いい相手が早く見つかるといいね」
あれから…。
告白は何度かあったが、全て断っている。中途半端に受け入れても、後で絶対後悔するから。
しかし、あの出来事が自分の人生を変えてしまうとは思ってもみなかった。それで冒頭のバイロンの言葉に繋がってくるのだ。
そう、あの子に会ってしまったばかりに…。
いわゆる前振り?ってやつです
この次から、本当の本編ですw