2-4 俺のターン!
待機部屋で、まだ出番は来ないかと待っている間。
「ポム(それで班長さんよぉ)」
「なんでしょうか、ブルーさん」
この中でも1番、ベテランの風格のあるブルーが話しかけてきた。
今更だけど。俺普通に話してるけど通じてるな――
まぁいいか。
「ポムム(従うとは言ったが、お前さんをリーダーとして認めるかどうかは別の話だ)」
「ポムポム(班長さん。この人、面倒くさいでしょ? 前の職場でも、そうやって揉めごと起こしてさぁ)」
ピンクがやれやれ――と体を振る。
というか、その短い鳴き声にどんだけの言葉詰め込んでんだよ。
「ポム!(てやんでい……魔物は強い者に従うのが原則のはずだ!)」
「まさか決闘とかするの……?」
嫌だなぁ。
身内で殴り合っても、痛いだけだしなぁ。
「ポム(こういう時は……ステータスバトルだ!)」
「ステータスバトル?」
「ポム(説明しよう。ステータスバトルとは、お互いにカードを見せ合いっこをして、より数値が高い方が、あるいは実績の重みがある方が勝者となるマウントバトル! 力が絶対の魔族の間で流行った遊びだが、これを真似する者は多い!)」
グリーンによる丁寧な解説。
なるほど。
実際に殴り合うよりはかなりマシだな。
数値化された実力を見れば、互いに戦うよりも、すぐに実力差が計れる。
「ポム(そうだ。では、こちらの先攻だ。ドロー、ステータスカード!)」
ドローもなにも、1枚しかないだろ。
とはいえ他人(他ボル?)のステータスを見れるのは、少しワクワクする。
さて、ベテランの実力はいかほどに――
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
種族:ボル(ランク10)
称号:ダンジョン勤務歴3カ月
名前:オヤカタ
レベル:3
ライフP:6
マジックP:0
ちから:3
がんじょう:2
すばやさ:2
たいりょく:3
まりょく:0
けいけんち:2
魔法:なし
スキル:なし
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「……3か月て」
研修期間終わったかどうかだぞ。
しかもレベル3。
これでベテランって、今まで何してたんだよ。
そのいかにもな頬の傷はなんだよ。
「ポム!(凄いオヤカタ! ボクらすぐに逃げちゃうから、全然レベル上がらないだよ)」
「ポム(冒険者を倒そうとしても、大抵は返り討ちにあっちゃうもんねぇ)」
「ポム(さぁ班長。おめーさんの番だ!)」
「まぁ俺のステータスも似たようなもんか――ドロー、ステータスカード」
ノリを合わせて白いカードを出現させ、テーブルの上に置く。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
種族:ボル(ランク10)
称号:ブラックドラゴンの盟友
名前:シロー
レベル:3
ライフP:12
マジックP:10
ちから:7
がんじょう:9
すばやさ:5
たいりょく:8
まりょく:3
けいけんち:3
魔法:なし
スキル:死ぬとレベルアップ
スキル:隠密LV1
説明:生物に気付かれにくくなります。
魔力を消費すると、さらに強化されます。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「あれ?」
レベルが上がってるのは――2回死んで、2回蘇生されたのがカウントされているようだ。
それはいい。
――なんかステータスの上り幅がエグくない?
あくまでオヤカタ――ブルーと比べての差だけど。
「ポム!?(はわわ……あのブラックドラゴンと!?)」
「ポム(すげーや班長! シュバル様とお友達なんだね!)」
「ポム(あらぁ……ステータスも凄い強いし……男らしくって素敵だわ)」
「いやぁ、それほどでも――」
まさかシュバルと友達になると、ステータスカードにまで反映されるとは――
でもなんでこんなにステータスも高いんだろ。
称号にボーナスポイントでも付与されてるんだろうか。
「ポム(……ふっ。さすが初日でオレらの班長になる漢だ……いいぜ。お前がリーダーだ)」
なんか認めて貰えた。




