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死にスキルを持って最弱魔物に転生した俺―友達のドラゴンが経営するダンジョンで巣作り担当やってます―  作者: 夢野又座/ゆめのマタグラ@コミカライズ企画進行中
第6話 スタンピード・ザ・総選挙

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6-1 ランキング勝負の開始

★ランキング4週目


 その日は朝から――この『黒の迷宮』周囲は、喧騒(けんそう)に包まれていた。

 朝日が昇るのを待ってから、(ほぼ男の)冒険者たちは一斉に動き出す。

 その数、およそ十数人。


「おいおい、ドラゴンは地下なんだろ。そっち行けよ」

「あの希少(レア)なブラックドラゴンを狩れるまたとない機会だぞ。お前にゆずるよ」

「――まさか、眠りの塔がドラゴンの襲撃(しゅうげき)にあうなんて……モンスター同士の仲間割れかな」

「あの“魂のオーブ”やほかの財宝だけでなく、サキュバスまで強奪(ごうだつ)するなんて――とんだエロドラゴンだな」

「ハッハッハッ。違いねぇ」

「――で、お前はどうすんだよ」

「そりゃ――塔の攻略だろ」

「だよな」


 しかし、ダンジョンを無視して塔へ登ろうとする冒険者たちには、


「ギャッ!?」

 

 結界による反射(カウンター)雷撃(らいげき)がお見舞いされる。

 黒焦(くろこ)げになる仲間の姿を見て、ほかの冒険者らは、ダンジョンの岩壁から即座に手を離す。

 

「……まぁ、そりゃ対策してるよな」

「強行突破が無理となると……やっぱダンジョン攻略しねーとダメかぁ」

「おい! なんか美味そうな匂いがする箱があるぞ!」

「ひとまず帰還魔法(リターン)巻物(スクロール)はいつでも使えるようにしとけよ」

「おーい。誰かポーション余ってねーか?」

 

 時間が経つに連れ、ダンジョンの内部へ入る者。

 ひとまず食事休憩をとる者。

 なんとか結界を突破できないかとチャレンジしようとして仲間に止められる者。


 みんな、熱意にあふれた10代から30代の男性たち。

 何度もダンジョンを攻略してきたのだろう。その瞳には、燃えさかるプライドが宿っている。

 まぁ、その目的は――サキュバスのお姉さん方なんだけどね。


 ◆ ◆ ◆


 ダンジョン本部室。

 

「うーん。さすが4位の眠りの塔のリピーターの皆さんだ。あの()()が流れてから数日も経ってないのに、もうここに来てるよ」

 

 眠りの塔ドッキング事件から翌日。

 さっそく新たなCMを撮影し、配信開始(スタート)したのだ。


◇CM映像◇

 

『我が名はシュバル、ブラックドラゴンのシュバルだ』

『人間ども――眠りの塔にある財宝はすべて、我の手中(しゅちゅう)にある!』

『きゃー』


 棒読み気味のクイーンが、エルと一緒の牢獄に、鎖で繋がれ閉じ込められている。


『くくく……エルフ姫に、サキュバスクイーン。その至宝とも言える美しさは、すべて我がモノだ』

『たすけてー』 

(うば)いたければ来るがいい。この、黒の迷宮でお前らを待っているぞ。ガッハハハッ』


◇おわり◇

 

 グリュウっぽい演技なんだけど――なんか三下(さんした)みたいで嫌だなぁ。

 シュバルには、もっと偉大な感じでドーンと構えて欲しいんだけど。


「いーんじゃない? じっさい、お客さんはたくさん来てるんだし」


 囚われているはずのサキュバスクイーン・スリーピィは、このダンジョン本部の椅子で暇そうに爪の手入れをしている。

 姫様役は、エルとシフト制になってる。

 週3交代制だ。


「フェルネに頼んでフロア拡張しといて良かったよ」


 ランキング2週目、3週目の間に、いずれ必要になると思い拡張を依頼しておいたのだ。

 ダンジョンの深さはそう変えられない。

 なので広さマシマシ、難易度ちょいカラメ。

 

 徘徊(はいかい)モンスターを倒せば、たまに秘密のお部屋(上階:眠りの塔)への招待券が拾える仕組みだ。

 

 ◆秘密の部屋・映像◆


「しくしく。クイーン様がさらわれてしまい、私たちはこうやって隠れているんです」

「ぐすぐす。ニンゲンさんたち。少しでいいから、魔力を分けて貰えないでしょうか?」


 若い冒険者は、サキュバスの手を握る。


「……普段は互いに戦う運命です。ですが、そんな理由なら任せて下さい」

「そうです。悪いドラゴンは、僕らが退治してみます!」

『きゃー、ニンゲンさん。カッコイイ♪』


 ◆おわり◆

 

 本部じゃ、あっちの様子も全部こっちに丸見えだ。

 黄色い声援(せいえん)に、若者たちは分かりやすく鼻の下、伸ばしてるよ。

 ――なんて、魔物(こっち)側が言ってもしょうがないけど。


「こういうウワサはすぐ広まるから、しばらく忙しくなると思うよー」

「そうでなくては困るけどね……で、なにしてんのスリーピィ」


 いつの間にか、俺は彼女の膝の上に乗せられていた。


「ヒマだし~、なんかお話してー」

「俺は別にヒマじゃないんだけど……」

「えー? じゃあ――交尾(セッ〇ス)する?」

「……………………しない」


 鋼の精神だ。

 耐えろ、俺の理性。


「じゃあスリーピィは、ヌメルンさんとピンクの手伝いしてきてよ。厨房(ちゅうぼう)もてんやわんやだと思うし」

「じゃー、チューしてくれたらいく」


 俺は彼女に試されているのか。

 そんな時、ガチャっと部屋のドアが開く。

 

「……お邪魔でしたか?」

「いえいえ! ほら、スリーピィも厨房(ちゅうぼう)に手伝いに行って!」

「はーい……お勤めご苦労様でーす」


 エルの冷ややかな視線もモノともせず、スリーピィは厨房(ちゅうぼう)へ――行ってくれたのかなぁ?

 ちなみに。

 彼女はどんな相手(男)でもあんな調子で接しているので、勘違いしちゃいそうなメンバーもちらほら見かける。

 ……俺も引き締めておかないと、いつかハートが完全に持ってかれそうだ。

 

「……お楽しみのところすいませんね、シロー」


 あれれーこの部屋だけ冷蔵庫の中みたいだぞー?


「……そういえば、今は檻の中じゃないの?」

「少し業務でわたくしが対応しないといけないことがあったので……すぐ戻ります」

「お疲れ様……ア、アメでも舐めます?」

「けっこうです」


 常に不機嫌そうなエルの眉間の谷が、より険しくなる。

 スリーピィ、およびサキュバスたちが来てからこんな調子である。

 これはなんとかしたいんだけど……。

7話の最後まで毎日投稿します!


読んでいただきありがとうございます。

下にある星を5つ入れて貰えれば、たいへん晩御飯が美味しくいただけます。



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