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異世界サークルの調査

戦いが終わり、六人はモンスターの肉や角、牙を確認する。

「これが食料や素材か……」

大地が小さなナイフ代わりの石を手に取り、ウサギの肉を切ろうとするが、なかなか簡単にはいかない。


「う、うわ……硬い、手が痛い」

悠真も枝で角を削ろうとするが、節や骨の硬さに苦戦する。


「やっぱり現代人には、この作業は辛いですね……」

真白が手元の草布で手を保護しながら言った。


「でも、頑張れば生活に役立つ食料になるし、素材も手に入る」

咲希が小声で呟き、慎重に手を動かす。


ルカとミュウも見守る中、六人は手間取りながらも、一つ一つ素材を分け、収穫物を確保した。

「ふぅ……結構骨が折れるな」

茂が小さくため息をつく。


「でも、こうやって戦って、収穫する経験が力になるんだな」

大地が笑い、仲間も頷いた。


こうして、初めての森の外での戦闘と素材収集は、六人と二体の使役モンスターに小さな成長と手応えを残した。




「よし、次はあの茂みの向こうか」

悠真が木刀を握り、前衛として確認しながら進む。

「これくらいの相手なら何とかなるが、数をこなすのが経験になるな。でも油断せずに行こう」

「任せてよ。私が索敵して一匹ずつのはぐれを探していくから」

「俺は回り込まれないようにほかのモンスターを警戒しておくぜ」

咲希と大地が索敵を受け持ってくれるおかけで、一匹ずつ戦うことができていた。


森の奥に進むと、再び一角ウサギや小型のワイルドウルフが顔を見せてきた。

「今度は大丈夫だな、連携も完璧だ」

大地はスリングで石を投げ、咲希はファイヤーアローで攻撃、真白は植物で動きを制限、ミュウも足に絡みついて妨害する。

悠真が前に出て木刀を振り、敵を次々と倒す。


戦闘は短時間で終了。

「ふぅ……少しずつ慣れてきたな」

茂がスライムを抱き上げ、軽く跳ねさせながら言う。


倒したモンスターから肉や角、牙を回収するが、やはり現代人の手には硬く、手間取る。

「うう、手が痛い……」

大地が小さなナイフ代わりの石を使い、少しずつ削り取る。


「でも、これで食料も確保できますし、素材も使えそうですね」

真白が手袋で手を保護しながら笑う。



戦闘の合間に、六人は森で目についた木の実や岩塩を集めることにした。

「リンゴは十分あるから、他の実も確保しよう」

咲希が枝を揺らして、青く小ぶりのベリーを落とす。

「これは保存食にもできそうだし、甘みもあっておやつにちょうどいいね」


真白は岩塩のある小さな露頭を指さす。

「ここから少しずつ集めれば、調味料や保存に使えます」

悠真や大地が石で砕きながら少量ずつ確保する。


「結構硬いけど、これで食料の幅が広がるな」

大地が小さな笑みを浮かべ、岩塩の粒を瓶に詰める。


「こうして少しずつ、生活に必要なものを手に入れるのも楽しいね」

みことが召喚したルカを連れて森を歩きながら言った。

「もふもふだし、索敵や探索もできるし、素晴らしい相棒ね」




戦闘と素材採取を何度か繰り返すうちに、六人と二体の使役モンスターは少しずつ自信をつけていった。

「なんだか……だんだん戦いながらでも余裕が出てきたな」

悠真が木刀を軽く振り、森の空気を切る。


「素材も揃ってきたし、食料も少しは安心だね」

真白が笑顔で手元の木の実や岩塩を確認する。


こうして、森の中での戦闘と収集は、単なる訓練に留まらず、六人の生活基盤とチームとしての経験値を着実に積む時間となった。

六人と二体のモンスターは少しずつ異世界での生活に慣れ、森の探索を進めていくのだった。




森での戦闘と素材採取を終え、六人は巨木のうろへ戻った。

「ただいまー」

咲希が元気に声を上げると、みんなが笑顔で応えた。


「ふぅ……やっと落ち着いたな」

悠真は木刀を肩にかけ、疲れを感じながらも、ほっとした表情を浮かべる。


大地は手に入れた肉や牙、角を広げ、作業の準備を始めた。

「さて……まずは肉を何とかしないとな」


咲希は手元で小さな魔力を集中させ、森で拾った岩をほんのり温める。

「岩焼きにしちゃおう!」

赤く温まった岩を囲むように肉を置くと、じんわりと熱が通り、香ばしい匂いが漂う。

「うわ……おいしそう」

みことが召喚したルカも鼻をひくひくさせる。


真白はベリーや他の木の実を切り分け、皿代わりの葉の上に並べる。

「フルーツも添えて、これで昼食の完成です」


六人は円になって座り、岩焼きステーキとフルーツを頬張る。

「うん……森の恵み、最高だな!」

悠真が木刀を横に置き、笑顔を浮かべる。



食事を終えると、大地は戦利品の牙を手に取る。

「この牙でナイフを作ろうと思ってたんだけど……硬すぎるな」

石をやすり代わりにして少しずつ削り、形を整えようとするが、思うようには進まない。


「うう……時間かかりそうだな」

大地は眉をひそめ、悠真に視線を送る。

「俺も手伝うか?」

「体力や力が上がっているのかそれほど疲れるわけではないんだけど、とにかく少しずつしか削れないんだよ。今日は残り時間これに専念していいかい?」

「もちろんだよ。でも、周辺の探索も進めなくちゃならないし、俺が護衛代わりにここに残って手伝えるようなら手伝うよ」

悠真がそう言い、真白を見る。

「わかりました。私たちで周りの探索を行いますね。大地君のことは頼みましたよ」


こうして大地と悠真は巨木のホームに残り、牙の加工と安全の見張りを担当することになった。



午後、残りの四人は再び森の中へ。

「私たちで周辺を探索しよう」

咲希が元気よく言うと、みこと、真白、茂も頷き、巨木の周囲へ歩を進めた。


「午後は少し距離を伸ばしてみましょうか」

真白が地図の代わりに頭の中で森の構造を確認しながら言う。

「危険な場所もあるけど、少しずつ素材を増やしていければ、生活にも役立つはずですね」


こうして、六人は昼食と素材加工で一息ついた後、午後は二手に分かれ、探索と収集を継続する体制を整えた。

巨木のうろは彼らの安全な拠点となり、戦闘や生活、探索の拠点として機能していく。




午後になり、咲希、みこと、真白、茂の四人は森の奥へと足を進めた。

「少し距離を伸ばすだけで、未知の素材やモンスターもいそうだね」

咲希が目を輝かせる。


木々の間を抜けると、今まで見たことのないモンスターが姿を現した。

「おお……あれは……」

真白が小声で指さす。長い尾を持つ中型のリザードモンスターだ。地面に這いつくばりながら、敏捷に動き回っている。


「慎重に……まずは動きを確認しよう」

茂がスライムを前に出すと、相手は警戒して遠くに移動。

みことは指をかざして召喚モンスターを呼び出した。

「ルカ、接近して位置を固定して!」

ルカがリザードの横に跳びつき、動きを牽制する。

「ぷるぷる……」

ミュウほどではないが、スライムの跳ね方で視覚的に動きを読みやすくなる。


咲希は遠くから小さな火力を使い、岩や地面を焦がして威嚇する。

「これで少し距離を詰めやすくなる」


連携の末、リザードは討伐され、六人は新しい素材を確認した。

「鱗や骨も使えるかも……!」

真白が鱗を手に取り、加工方法を考える。


素材の収集と生活基盤


討伐を終えると、森の中で木の実や薬草も収集する。

「リンゴ以外の木の実も増えてきたね」

咲希が枝を揺らしてベリーやナッツを落とすと、仲間が拾い集める。


岩塩のある小さな露頭も見つけ、砕いて瓶に入れる。

「これで保存食も少しずつ増える」

茂が満足そうに頷く。


一方、巨木のうろでは大地と悠真が牙や角の加工を続ける。

「まだ硬い……でも、少しずつ形になってきた」

大地は石をやすり代わりにしながら削り、悠真は護衛として周囲を警戒する。

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