真夜中に見つけたきつねさん
それと、ボクには家族がもう1人いるんだ!
たまたま親父と真夜中に出かけてたときに、見たことないくらい白くて綺麗なきつねさんをみつけたんだよね。
「あ!親父みて、まっしろなきつねさんがいるー!あんな道のまん中でなにしてるのかな?」
「はい…?何も見えませんが…」
ボクが指さして教えても、親父には全然見えなかったみたい。
「ほら、今こっちむいたよ!もう目が悪くなっちゃったの!?」
「そう言われましても…きっと乱反射か何かですよ。…いや、そんなわけ無いですか…」
「もういーよ!ぜぷとがはなしかけてくる!」
「ちょっと、急に道路に出たら危険ですよ!!」
(ぜぷとよりきつねさんのがあぶないもん!)
「きみ、おうちは?かぞくはいるの?」
そうやって聞いたら、きつねさんが悲しそうに目を逸らした。
(どうしよう…そうだ!うちでくらせばいいんだ!)
「よかったらうちにこない?ここにいたらあぶないよ!」
「えと、一応僕が、家の主なんですけど…」
「だってぜぷとがペットかいたいって言ったら、親父ゆるしてくれるでしょ?」
「当然ですよね」
親父は親バカだから、大体のことは許可してくれるんだ。こういうときだけは助かるよね!
「じゃあいーじゃん!うちにきてもらおうよ!」
ボクはそう言ってきつねさんの頭を撫でてみた。
「でも見えないとなると少々不便で…あっ、今ぼんやりとですが見えました!」
そしたら、親父にもちょっとだけ見えるようになったんだって!
でもそのすぐ後に、きつねさんがぐったりしちゃったの。
「きつねさんどうしたの!?」
「これは…恐らく眠ってるだけだと思いますよ。清浄が撫でた事で安心したのかもしれませんね」
「そっか!よかった…」
具合が悪くなっちゃったのかって思ったけど、そうじゃないみたいで安心したよ。
「さて、連れて帰るとしましょう」
「うん!」
親父にきつねさんを抱えてもらって、ボク達は家に向かったんだ。
(やったー、またかぞくがふえるんだ!)
その途中に、親父が思い付いたように話し出した。
「あ、帰ってから数時間、この子をお預かりしても良いですか?」
「え、いいけど…なにするの?」
そしたら、親父がすごく楽しそうにこう言ったの。
「貴方の妹を作ります!」