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悪役令嬢は人狼かしら?  作者: 塩麴とまと
ループ3:悪役令嬢の反撃
24/34

金の髪飾り

6月9日、火曜日。

朝の食堂は、貴族子女たちのざわめきで賑わっていた。


「聖女様、今日も輝いていらっしゃいますわね。」

「でも、お友達を処刑させたとか。」

「まあ、怖い。」

「でも、人狼への切り札なんでしょ、聖女様。」

「真実が気になりますわ。」

人狼の新たな犠牲者が出て考察が入り乱れている中、聖女リリィは話題の中心だった。


リリィが聖女ぶった笑顔を振りまく中、彼女の金髪にキラリと光る髪飾りが目に入る。


――あの金の髪飾りね。本来、レオナルドが私、クリスティーネに贈るはずだったもの。リリィが横流ししてもらった、校則違反の証拠品ってヤツ。


婚約破棄された翌日に、見せつけるように証拠品。こんなチャンス、逃すはずがない。

私は優雅に立ち上がり、扇を広げて皆の視線を集める。


「リリィさん、素敵な髪飾りですわね。…でも、下級貴族のあなたには金は不釣り合いね。しかも、どこかで見た気がするわ。レオナルド様、覚えてらっしゃるかしら? 私に贈るはずだった金の髪飾り、そっくりですわ!」


私の声が食堂に響き、ざわめきがピタリと止まる。レオナルドがコーヒーカップをカチャリと置き、リリィの笑顔が一瞬凍る。今、動揺したわね、聖女様。


「クリスティーネ、それは…」


レオナルドが口ごもる中、リリィがハンカチを握りしめ、か細い声で答える。


「これは…レオナルド様が、私に…親睦の印として…」


「ふふ、親睦? 校則違反の品を、聖女が身に着けるなんて、意外ですわね。」

私は扇で口元を隠し、冷たく微笑む。生徒たちがざわつき始める。


「聖女様が校則違反?」

「レオナルド様、クリスティーネ様を裏切ったの?」


エリザベスが私の耳元で囁く。

「クリスティーネ様、完璧ですわ! リリィさん、完全に動揺してます!」

「ふふ、当然よ。この程度で終わりませんことよ。」

クリスティーネは笑いを隠せない。


「昨日婚約破棄を宣言したのって、そちらの不義を冤罪でごまかそうとしたのかしら?」


私は彼女に微笑み、次の手を考える。リリィの聖女イメージに傷をつけただけじゃ足りない。彼女の取り巻きたちの信頼を揺さぶり、孤立させるわ。

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