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王に勝手に召喚されて神から成長系チート能力を貰ったのに追放されたので辺境の村を発展させに行きます。  作者: アフリカン・サワープラム


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追放されるまであと1週間の準備期間 ① 初・異世界城下町

「何事もまずは落ち着いてやるべし!」


 そう心に決めてはや5年、やっと役に立ったと嬉しがりながら、僕、祐希隼人ゆうきはやとはまずは自分の荷物をゆっくり確認するためと、冒険者ギルドを探すために歩くのだった。



 周りを見た感じだと、城の雰囲気と同じく中世のヨーロッパあたりの感じがする。

 とりあえず、この大通りを歩いて探してみるか、冒険者ギルドを。


 ピロンッ


 メニューがまた光った。今度はなんだ?


 僕はそう考えると、周りにバレない程度に視界の左を凝視した。


『マップ グラント王国を入手しました』


 そう書かれた画面を閉じると、後ろの画面にはこの街の構造と自分の位置だけが分かっているマップがあった。でも、特にどの店がどこにあるかは分からない。あくまでも上から見ただけのただの地図って感じだ。

 マップの街の外は、真っ黒になっている。

 右の説明欄では、『細かい名称がない地は、通ったところのみ描かれる』と書いてある。

 ものすごい分かりやすいなこれ、そう関心していたら、マップになにやら円形の広場があることに気づいた。


 早速行ってみよう。



 歩いている途中。何やらずっと視線を感じる。なんかこう、珍しい物を見るような目で、そうか服がおかしいのか!


 僕は、そう気づくと足早にして広場に向かった。



 広場に着くとそこは、大規模な市場だと気づいた。人も沢山いる。

 ここで、人の会話と値段を見れば、貰った少しの金貨の価値に気づけるかもしれない。そう考えた僕は、市場を歩き始めた。


 かぼちゃにじゃがいもになすと小松菜など。

 野菜を見るに、今は秋だと思う。だから城を出たときから肌寒いと感じたのか。

 瓶に詰めてある漬物系や、干し肉も売っている。冬の備えのためらしく、売っている人が長持ちするよって同じことを何度も言っている。


 ちょうどよく、いっぱい買い物している召使いらしき人が、銅貨と銀貨しか使っていなかったから、金貨がそんな安くは無いと分かった。

 異世界の定番だと、お金の価値は、銅、銀、金の順番が普通だからね。


 市場にも、服屋さんがあり、安くて似合いそうな服を聞いたら、銀貨10枚で上と下どっちも売ってくれた。モブ平民の僕に似合いそうだ。

 上下とも、ウールでできた長袖と、茶色のズボンと、皮のベルトと靴を買った。ついでに、肩にかけるカバンも買った。

 合計で、銀貨13枚なり、試しに金貨1枚を渡してみると、驚いた顔で、銀貨87枚をくれた。多いな…

 こうなると、この世界基準だと、もろもろが13000円だとしたら、金貨が10万円相当ということになる、王族は本当に金持ちだな、数十万円を投げるなんて。


 なぜ金貨を持っていたんだと聞かれたが、何となく誤魔化した。よし、次からはこの銀貨を使おう。


 1日目は、市場でお金の価値の確認をして、あとは、冒険者ギルドの位置を知っておくのと、衣食住の食事と泊まる宿を探すと決め、まずは服屋の2つ横のインフォメーション的な店で、銀貨2枚払って冒険者ギルドまで、案内してもらった。


「本当に、居酒屋みたいな雰囲気だなぁ。ずっと笑い声が聞こえる、よし、明日1番最初にここに来よう。」


 そう自分に言うと、僕は、すぐ後ろの宿屋に入った。


 床が脆くていつか突き抜ける人がでるのでは、と思いながらカウンターの店員に1泊いくらかと聞いた。


「子供の来るとこじゃねぇよ」


 確かにそうだ、俺は中学生だから。でも、泊まるところがないので、料金を倍出すと言うと顔を笑顔にしてすぐ案内してくれた。


 2階の部屋で、ベットと机と城よりかは安そうな魔法ランプがあった。ランプの光はオレンジだった。


 僕はベットに横になると、ため息をついて愚痴をこぼす。


「一日で銀貨18枚かぁ、1.5倍ぐらいにしとけばよかったなぁ。」

 心の中で後悔しながら、ふと窓から外を見ると、もうほとんど暗くなっていた。


「月が2つある…」

 もう驚く体力が無くなってきた。

 月は、大きい満月と、1つ目の半分の大きさの満月が少し重なっていた。


 家から、ここまで来たことを思い出すと、1つ、今でも理解できないのが創造神の名前だ。

『言語理解』があるにも関わらず、未だに意味がわからない。あれはなにか現象そのものを表していて、言語として理解されてないのかもしれない、そうやって勝手に納得しているとお腹がすいてきた。


 料理を頼むか…確か宿の追加料金で食べれたはず。


 僕は、疲れて動きが鈍い足を無理やり動かして、1階のカウンターへ向かう。

 1番安くて肉が入った定食を頼んだ、もちろん、値段は倍で銀貨4枚だった。


 部屋に戻り、初めての異世界料理だ、とワクワクしながら待つと、5分後にノックがなった。


「どうぞ!」


 来た料理を見ると、とにかく肉がでかい、拳2個分ぐらいだ。

 調味料は、塩と香辛料だけで、米じゃなかったけど、ライ麦のパンだと思うのがついていた。

 では早速。


「いただきます。」


 パクッ


 肉に噛み付くと、なんともジューシーで肉汁が溢れ出しそうな勢いで出てくる。塩ぐらいしか味がないから、素材の旨みもしっかり味わえる。 パンとの相性も抜群!

 現代の磨け上げられた料理の数々もいいけど、ファンタジーなこの世界にピッタリなこの料理も本当に美味い。

 木の伝票に、肉の種類が書いてあった気ががする。


「えーと、クリカボア?イノシシってこと?」


 まじか、さすが異世界。



 食べ終わると急に眠くなってきて、僕は、木の食器を机に置き、ウールのベットで寝ようとした。


「もし、これが夢だったら、次の朝には自分の部屋に戻っているのかな」


 意識が朦朧としながら、ふと、これがまだ現実だと思っていない自分がいて、びっくりしたが、何も考えられず、そのまま寝てしまった。



 2日目の朝



 日差しが目に入り、僕はスッキリ目が覚めた。


「ふぁぁ〜、良かった。まだ、異世界だ…」


 周りを見渡して、心のどこかで安心し僕は今日の予定を、顎に手を着けて考える。


「今日はまず、冒険者ギルドで登録が出来たら登録して……」


 試しにメニューのステータスを開いて、上から下まで全部見てみる。


「ギフトガチャが青白く点滅している?」


 試しにタップしてみると、説明欄がでてきた。


 左に文、右にガチャのダイヤルがあった。

 文にはこう書かれていた。


『一日1回回せます。

 基本能力か異能力が出ます。

 条件を達成したら永久に使えますが、達成 できなければ、その日に消えます。』


 そう書かれていて、その下に確率が載っていた。


 ノーマル 0%

 レア 0%

 スーパーレア 5%

 ウルトラレア 44%

 エクストリームレア 25%

 レジェンダリー 15%

 ミシック 10%


 アイテム 1%


 上から下になるほど強くなるけど。アイテムってなんだ?確率すごく低いし。

 僕は試しにダイヤルを回してみた。


 ガラン


 いつの間にか、頭の上にあった筒から、紫色のボールが落ちてきた。メニューによる説明だと、これを握り潰せばいいらしい。


 パチン


 破裂したボールの中から、青い光の粒が浮かび上がって、自分のことをすり抜けたと思ったら、消えてしまった。

 再びメニューを見ると、基本能力の所に新しい文字が追加されていた。


「ウルトラレア 解析鑑定?」


 ウルトラレアだということに驚きながら、メニューに新しい項目ができたことに気づいた。


「ミッション?」


 その項目をタップし、その下のギフトガチャミッションというのを見ると、解析鑑定という名前と横線があった。

 説明を見ると、この横線が全て黄色になると永久獲得できるらしく、今回は解析鑑定を何回かすればいいらしい。


 他の異能力を確かめたいが、まずは冒険者ギルドに行こうと考え、メニューを全て閉じて、身支度を整えると、建物の反対側に向かうのだった。


 ギルドの扉を開けると、そこは本当に賑やかだった。

 酒に酔っていて女性店員に絡むパーティーや、真剣に会議しているパーティーなんかもいる。

 城みたいに高そうなものはないが、意外と清潔感はある。驚きだ。


 僕は、真ん中のカウンターに向かうと気付いた女性店員がこっちに来た。さすが異世界、店員が全員綺麗だ。


「初めてのお客様ですよね、ご登録なさいますか?」


 はい!、と言うと、すぐカウンターのしたからカードを取りだし説明をし始めた。


「まず、水晶であなたの情報をこのカードに刻み、最後に血を1滴垂らすと登録完了です。」


 さっき、ベットの上で勇者の称号とかその他もろもろ隠したから大丈夫のはず。僕はそう考えてから、水晶に手をかざした。


「ふむふむ……え!あなた、解析鑑定を持っているのですか?」


 あれ?隠したはずなのに……そう言えば、どこかの説明で、ミッション中の能力は隠せないとか何とか書いてた気がする。


「これ、100万人に1人の確率ですよ!」


 店員が大きな声出すものだから、なんか視線が集まってきた気がする。


「へ、へぇ〜、そうなんですか」


 とっても困る。焦りながら僕は少し顔を歪ませて、早く終わらせるよう急かした。


 水晶が終わり、指の先を針で刺し、カードに血を垂らすと、カードは少し光ってすぐ収まった。


「はい、これで登録完了です。ここの左の文字がランクで、今はEですね。解析鑑定があるのでカウンターの右にある掲示板から、薬草の回収や毒キノコの捜索などをやってみてはいかがですか?戦わなければ、だいたいEランクでもできますよ」


 ここではEと言っているが、実際は全然違う文字が書いてある。ランクはEが1番下で、下から、E D C B A S SS SSS となっている。


「ありがとうございます!では、早速行っきます。」


 女性店員に手を振られながら、僕は、すぐそこの大きめの掲示板に来た。


 下の方にある、平原の薬草回収の紙を取り、カウンターの店員に渡して、早速街の外に出てみる。


 国の間では、冒険者カードがあれば、自由に移動出来るらしく、すんなり通らせてくれた。


 門をくぐると、目の前にはどこまで続いているのか分からない一本道と平原があった。


 僕は少し歩き、目的のローリカバリ草を探してみる。


 とりあえず、色々と解析鑑定してみたけど、何も見つからなかった。

そういえば、異能力で、見えない自分を作れる『経験複製体』があったから試しに使ってみる。これで、効率が上がるはずだ。

 メニューをタップする以外にも、頭の中でもう1人の自分を想像すれば現れるらしい


「本当だ、半透明な自分が目の前にいる……」


 異能力で作った自分は急に走り出し、草を取っては投げ捨てるのを繰り返し始めた。

 ふと、ミッション画面を見ると、解析鑑定のミッションがすごい速さで黄色になっていっている。

 他にも基礎能力値以外のさっき見つけた詳細ステータスの観察力が2だったのに、10秒で1ずつ増えていって、今はもう7になっている。


『経験複製体』は、その動きを止めずに走り続けていた。


(薬草を集め終わったら、すぐにギルドに戻って、『経験複製体』の説明を見るか!)

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