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縁結びの神社

作者: 葉沢敬一

毎週日曜日午後11時にショートショート1、2編投稿中。

Kindle Unlimitedでショートショート集を出版中(葉沢敬一で検索)

 天気が良い休日。特に予定もなかったので、神社まで散歩に行くことにした。別にこれと言って謂れがあるわけでもない、八幡宮の分宮。同時に地元の氏神様を祭っている。


 帰りにコンビニ寄ってアイスでも買って帰ろうと財布とスマホを持って出る。

 10分も歩くと神社に着く。詣でて裏にある林で写真を撮った。


 あれ? 白い龍みたいのが写っている。まさかと思って、天を仰ぐと飛行機雲が空を走っていて、それに光が当たって龍に見えるようだった。


 来た道を戻っていって散歩終了。

 と、マンションのエレベーターを待っていたら後から、多分、同階に住んでるお姉さんが来た。向こうも僕に気づいたようで、


「お帰りですか?」と、声を掛けてきた。

 化粧っ気はあるのか無いのかよく分からないけど気の良い感じが滲み出ている。


「はい。今日はお休みで?」

「そうですね」


 そして、エレベーターが来て、沈黙。

「あの、お仕事は何を?」女性は聞いてきた。


 僕は起業家を輩出してるので有名なとある会社の名前を出した。

「みんな数年で辞めて会社作ったりするヤクザな会社ですよ」

「ふーん、優秀なんですね」


 たまたま入った会社そういう企業風土だっただけだ。もともと、目標とかあったわけではない。

 エレベーターは目的階に着いた。


「よかったら、ウチでお茶でものみませんか? フリーランス目指しているけどどうも上手くいかないので話聞いて欲しくて」女性は誘ってきた。


 確かに、起業の話は先輩たちから散々聞かされている。起業とフリーランスは別物だけど、上司から常に「どんな人の話だけでも聞いてこい」と言われているので断る気もしなかった。


「同居の方の迷惑にならなければいいですよ」

「あ、犬飼ってますけど一人暮らしです」


 ふと、さっき参詣した神社は縁結びの神でもあることを思い出した。


 女性が自室のドアを開けると柴犬が笑顔で尻尾振って待っていた。

 むむ、確かにドキドキする展開だけど、願ってないぞこれ……

全ての著作権は私、葉沢敬一にあり、勝手な書籍化、マンガ化、ドラマ化、映画化などは禁止します。

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