夜露が落ちる
淋しさが雨のように
心を濡らして
ちっちゃな穴があく
風穴が大きくなるのも嫌だから
こんな小さな穴は
どうにか優しい言葉で埋め尽くしたい
ちょっとむねやけしそうな言葉でも
淋しさに食べられるよりはいいと思うんだ
だから自分の為にも
あの人におやすみを届けるよ
どんな孤独に落ちようとも
いつもあの人の言の葉はどんな聖なる書物より
私を優しく受け止めてくれたから
夏の夜露が月に照らされて震えて落ちる
涙だって綺麗に流れる夜だから
本当の喜びみたいな風も吹く
淋しさが雨のように心濡らして
風も夜露も涙の匂い
もう夜の間に落ちてしまうことは
あんまり怖くないと思わせてくれる
あの人の言の葉に包まれる
その言の葉を信じられる夜に
落ちる
まるい夜露とまるい涙に
まるい月がうつる夜に
カサッと
落ちる