ラブレター
俺はそのあと、怒られるんじゃないかと思いながら体育館を出て、教室に戻ろうとした。
その間、廊下を歩いている時、怒られるという恐怖感と、どうして俺をほったらかしにしやがったのかと言う怒りの感情。猜疑心でぐるぐると逡巡を繰り返した。
そして教室の後ろとびらへと俺はたどり着く。扉越しから先生と生徒たちの話し声が聞こえる。
ああ、まずいな、もう始まってる。扉を開けた途端、みんな俺を一斉に見るんだろう。
そして笑ったり胡乱な目を向けるんだろう。
そして俺は先生に怒られる。
ああ、めんどくせえ。どうにでもなれ。
俺はそう思いながら扉を、細心の注意を心がけながら、開けた。扉は微塵も物音を立てずに開かれ。誰1人とも私に気づくことはなかった。
それから私は忍足でそっと、窓際の席、一番端の俺の席へと向かって歩く。
誰も気が付かない。貴様ら、どんだけ鈍いんだ?
ちなみに担任の先生は黒板に文字を書いている為、私に気がつかない。
振り返る前に俺はなんとか席にたどり着き、堂々と紛れ込んだのであった。
俺はみんなと先生の話を聞いた。学校が終わるまで俺は、何も言われず、おろか声をかけられなかった。
なにこれ怖い
俺は何か不思議な、相手から存在の認知をされない能力でも持っているのか?
あの石ころ棒のように、路傍の石ころのようなものにしか思われてないのだろうか。
何かがおかしい。どうして俺はここまで存在を認知されない。
俺はひたすら考えた。来る日も来る日も、来ない日も。俺は考える。
授業中に当てられないのは嬉しいが、手をあげても当てられない虚しさ。
俺はついに一つの答えに辿り着いた。
陰謀だ。
誰かが俺を貶めようとしている。
俺がぼっちで誰からも相手にされないのは、誰かが裏で手を引いているからに違いない。
誰かが結託し、学校の生徒、先生までも手駒に取り俺を孤立させている。
理由は特にない。
これが本当であれば俺は全力で戦おう
圧倒的力で貴様らを殲滅してくれよう
そう計画してから二ヶ月たった。
誰も現れなかった。
俺は今でも1人ぼっちだ。誰からも相手にされない。孤独。
だから俺は透明人間である。
なににも染まれないし、染まることもない
永遠のぼっち
そんなある日、俺に干渉する人間が現れた。
彼女だ。
この学校で一番の美少女にして、生徒会長であり、大企業の社長の娘である彼女。
桃山安土が俺に干渉してきた。
今日の朝、俺が学校に来て、下駄箱を開けると、ラブレターが入っていた。
これは何事か。