図書館の伝説
この魔法高校にはある伝説がある。この学校の図書館には天使の日記という天使が直接書いた日記があるらしい。そしてその日記を読んだ者には膨大な魔力が流し込まれてくる。その魔力に耐え切れなかった者は力に飲み込まれてただ暴れることしかできなくなる。そしてその暴走を止めるための図書館の秘書がいる。そしてその秘書は物凄く強いらしい。人という枠を超えている。だから誰も近づかない。そして今まで天使の日記を探し出せたものはいないらしい。けれど私はあきらめない。天使の日記を必ず見つけ出して私のものにする。
「天魔、君はどうしてそれだけの才能がありながら授業を真面目に受けないんだ!」
そんなことも分からないなんてこいつの頭には飾りの脳みそしか詰まっていないのかしら。
「聞いているのか!天魔。」
「はい、聞いています。」
「どうして真面目に授業を受けないんだ。」
「授業の内容が詰まらなさすぎるからです。」
そう言って職員室から走って逃げた。このまま話をしていても意味がないと思ったから。このまま話していたらもっと面倒くさいことになるから。私はそのまま走って図書館に向かった。
ガチャ
扉を開く。中は静かで人の気配が全くしなかった。ただたくさんの本があるだけ。それだけだった。秘書はどこにいるのだろうか。日記はどこにあるのだろうか。その二つだけしか私は興味がなかった。だから私にとって他の物は興味がなかった。本も、人も、何もかも。
そのまま私は図書館の中を歩いていた。ただ思うがままに。そしてカウンターを見つけた。人がいる。私はそのまま走ってカウンターに向かった。
「あなたは誰?」
・・・。
無視されている。私は無視されている。
「無視しないでくれる?」
そういっても少女は無視をする。このままじゃ何も始まらないし何もわからない。だから私は無理やり話を進めた。
「私の名前は天魔梨乃。どうしてあなたみたいな小さな子が図書館にいるの?あなたは一体誰なの?」
「・・・エレミヤ。」
「えっ?」
「私の名前。」
「あぁ」
名前か。急に言うから一瞬分からなかった。
「ここで何をしているの?」
「・・・秘書。秘書をしているの。」
秘書。ん?秘書?こんな小さい子が秘書?秘書ってあれよね。あの暴走した人を止めるすごい強いって言われている・・・。
「・・・あなたも天使の日記が欲しいの?」
「え、ええ。」
「・・・そう。」
今この図書館に来る人なんて天使の日記目当てでしょ。普通に本が読みたいなら他の図書館に行くでしょ。あのとても強いって言われている秘書がいる図書館に来る人なんてほとんどいないでしょ。
「あなたは私のことが怖いと思う?」
「思わないわ。興味はあるけれど、怖くなんてないわ。」
そういうとエレミヤは少しだけ照れた。
「そう。」