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34話


「……やったの?」


【ユニコーン】を倒したと思われる、みんなが硬直するなか最初に動き出したユッカが声をかけてくる。


「おそらく」


いつまでたっても動きだす様子はないので、地面に刺さった【ユニコーン】の角を回収する。



【ユニコーンの角(劣)】

万能薬になる角、ただし劣化してるので効果は高くはない。



【ユニコーンの角】はゲームでも万能薬の素材になっていたが、生きてるうちに折った角は劣化しなかったはずだ。

【ユニコーンの角】が劣化するには、倒してから角を剥ぎ取ること。


「おかしいな」

「どうしたの?」

「それが……!?」


首をひねっているのにユッカが気づき問いかけてくる。

答えようとしたところで【ユニコーン】に変化が現れた。 【ユニコーン】が光に包まれると体が縮んでいく、だんだんと光が弱くなり収まったときにはペガサスが横たわっていた。


「どうゆうこと?」

「【ユニコーン】がペガサスになった!?」


ナームの話では幻獣を倒せば封印の燭台を残すはずなので、【ユニコーンの角】が劣化していたことからも、ペガサスがなんらかの要因で【ユニコーン】になっていたのだろう。


ペガサスが起き上がり暫く周りを見渡して周囲をうかがっていたが、やがて群れがいた方へと駆けていった。


「【ユニコーン】の間の記憶があるかわからないけど、見た感じ平気そうだね」


角を斬った影響を感じさせないで、元気に駆けてくペガサスを眺めながら感想をもらした。


「あの、捕まえなくて良いんですか?」

「「あっ!!そうだった」」


ペガサスが【ユニコーン】になった謎が気になるけども、とりあえずは仕事を終わらせないとね。

ボク達は慌ててペガサスの群れへと戻り、無事にペガサスを捕まえて関所へと連れ帰った。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


関所へと戻りペガサスを引き渡したボク達は、【ユニコーン】に襲われてた魔族の男のことをすっかり忘れていた。

ペガサス騎士団っていうくらいだから、もう少しペガサスの数を揃えた方が良いとのことで、近くの宿【聖乙女亭】へとやってきて昼間の疲れを癒していた。


「ほらゼノ、そんな隅っこにいないでこっちおいでよ」

「大丈夫です」


【聖乙女亭】には、大昔に勇者が堀当てた温泉があった。

異世界の露天風呂は、温泉とは男女ともに入り、自然を堪能するものとひろめたおかげで混浴(・・)しかなかった。

目の前にある温泉の誘惑にまけみんなで入ることになった。

混浴しかないのでゼノも一緒だった。

意外と着やせしていたユッカのたわわは、ゼノには刺激が強すぎたようで、顔をアプルのように真っ赤にさせながら顔の半分まで浸かりブクブクとしていた。

ゼノを観察していてよく目が合って、慌てて逸らすのが可愛らしくはあるけどね。


「はい、ヒカリちゃん」

「ありがとう、ユッカ」


ゼノには悪いけど温泉を堪能しながら、なにか忘れてる気がすると温泉を吐き出す魔法が付与された岩を見ながら考えてたら、ユッカがタライを浮かべながら近づいてきた。


ボクの身体や長い髪の手入れをしてくれたユッカがようやく自分も磨き終えたようだ、ついでに飲み物も取ってきてくれたようだった。

ユッカから受けとった木製のコップの中身を少しなめてみれば、お茶のような爽やかさの後に甘さがひろがる。

隣をみればユッカは腰に手を当てて半分くらい飲んでから一息ついた。

ユッカの真似をしながら飲み物を飲んで、癒しの風呂をあとにした。

アバター(じぶん)の体にも慣れてきたので、最高だったとだけいっておこう


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「ようやくみつけたぞ」


風呂でサッパリした後に、遅めの夕食を食べていたら、ボロボロになった魔族が現れた。


「あー、なんか忘れてると思ってたんだよね」


ペガサス捕獲の任務を優先したので、慌ててペガサスを追いかけたので魔族のことを忘れていたようだ。


「えーと……」

「我輩はアルド、見てわかる通り魔族だ」

「ボクはヒカリ」


名前聞いたっけ?と考えこんでいたら名乗ってきたので名乗り返した。

警戒してるゼノとユッカにまだ残ってる食事を部屋に運ぶように頼んで、アルドを連れて場所を変えた。

なんかボクのことを探していたみたいだけど、ここの宿の食事が美味しくて楽しかったのを邪魔してくれたんだから、それなりの話じゃないと許さない。

ヤツ当たり気味の不機嫌オーラを出してることに気づかないまま泊まる部屋へとやってきた。


「これは!?、どういうわけ?」

「うわぁ」


予想より遅く戻ってきたユッカ達が部屋の中の状況に驚いていた。

魔族の話がくだらないことだったので話を聞き終わるとついぶつけた威圧が、今までも出してた威圧より強力になり耐えきれずに倒れた魔族が横たわっている。

威圧は思いのほか強かったようだけど、ほっといて飯再開することにした。

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