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32話


「わかりました、協力させていただきます」

「悪いけど、貴女以外に頼めそうな人いないのよ」

「気をつけてね、ヒカリ」


ボクのことを呼びにきた兵士は、リリアンヌ皇女の使いだった。

アキレス・ユミル亡き後にシンディウス皇子が皇帝として即位したのだが、つい先日サウザー皇子が反旗を掲げたそうだ。

その結果、リリアンヌ皇女へのアプローチが両者からあって密かに進めてた計画が実行されることになり、女帝として立つことを決めたようだ。

すぐにユリィに譲るんじゃないかと思わせる言動があったが、見事に御家騒動になってしまった。


リリアンヌ皇女が女帝となるについて用意する手柄に、かつて存在していた、【ペガサス騎兵団】の復活を狙っているらしい。

伝説の部隊を復活させたら女帝への道を阻むものはなくなる程の大手柄になるようだ。


【ペガサス騎兵団】を復活するために必要なのがペガサスを捕獲するところかららしく、かつていたペガサスは幻獣にやられたり、主人がやられて野生にかえったりと今の帝国には一騎もいないのが現状だ。

そこで野生のペガサスを捕まえて来て調教するって話だったらボクが態々関わることはなかったのだけど幻獣が絡んでくるらしかった。


白き雷獣(ユニコーン)】がペガサスの住み処近くにいるらしいのだ、ペガサスの住み処にいこうとすると立ち塞がるようにやって来るらしい。


「そういえば、ユニコーンって清らかな乙女?じゃないと近づかせないとか話ない?」


ペガサス捕獲部隊には男もいたらしいから、【白き雷獣】が男に反応した可能性もあるのかな?

ナームの話では幻獣は元人間なのでそんなことないかとすぐに考えを変えた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「止まれ、これより先は危険なところゆえ、引き返すがよかろう」

「リリアンヌ皇女の指示で来たんだけど、通してもらえるかな?」

「おまえたち……いや、貴方達が!?」


ペガサスの領域に近づかなければ襲って来ないらしいので、無闇に近づかないように関所のような囲いをして警告をしているようだ。

リリアンヌ皇女から話が来ているらしく、すごく驚かれたが通してもらえた。


「でも、ヒカリ姉が言ってたみたいに、男がいるとダメって話だとボクはいない方が良いんじゃないの?」

「それだったらボクもアウトだよ」

「えっ!?」

「なんでもない……ナームの話聞いたでしょ、ボクの知っているユニコーンと違うようだからたぶん平気」

「二人とも、ちょっと待って、休憩させて」


ゼノと話しながら進んでいるとユッカから待ったの声がかかった。

ユッカは魔力制御の鍛練をしながら進んでいたのだが限界らしく、今日はここらで野営をすることにした。


「どんな感じなの?」

「前よりも魔力が多くなってるのは実感できるわ、さすが古代の鍛練法ね」


ナームから教えてもらった鍛練法で魔力の質が上がるようで、急激なレベルアップをしてるようだ、ユッカが戦力になるなら余程のことがない限り大丈夫だろう。


いつものように《異空庫》からテントやテーブル等を出していると、一瞬空が光すぐに轟音が聞こえてきた。


「な、なに!?」

「これって……」


カミナリが落ちた!?

光と音の間隔から、そう離れてない場所でカミナリが落ちた時のようだ。


「でも、晴れてるのにカミナリ?」

「【ユニコーン】じゃないかな?雷獣って言われてるくらいだし」


ユッカと喋っている間にまたカミナリが落ちた。


「ボク達が見つかったわけでは無さそうだけど」

「【ユニコーン】がカミナリを落としたとして、何に対して落としたのかが気になるわね」


ユッカが冷静に分析をしていた。

以前のユッカなら慌てていたと思うが、成長したユッカに感心しながらも準備の手は止めない。

出した物を《異空庫》へとしまい様子を見に行くとしよう。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


【ユニコーン】がいると思われる場所へと向かっている間にも、カミナリが数度落ちていた。

【ユニコーン】の攻撃手段なら何かと戦っていることになる。


「あっ、あれ見て」


ゼノが示した方を見ると背中から翼の生えた馬、ペガサスが群れていた。

カミナリに怯えた風には見えないので、ひょっとしてペガサスがカミナリを落とした可能性もあるかもしれない。


ペガサスはこちらに気づいた様子もなく、近づこうとしたら別の場所にカミナリが落ちた。


「ペガサスも大事だけど、まずはカミナリを落としてるヤツからなんとかしよう」

「そうね」


ペガサスの群れから離れてカミナリの落ちる場所へと急いだ。

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