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21話


ガルムと呼ばれた美少女の後について、思ったより長いトンネルを抜けると不思議な場所に出た。

桜のような樹、紅葉した樹、柳のような樹、白いものをまとった針葉樹、たくさんの樹が彩る生命力に溢れた場所と言うんだろうか?

季節感がないというか、すべての季節の樹があるというか異世界だとこの風景が普通なのかわからない。

ユッカとゼノの反応を見るけど、あまり驚いているようには見えなかった。


「【神樹】様」

「いつも、言ってるでしょう。そんなに畏まらないでと」


様子を見ていたら、突然サロイン達が跪いた。

サロイン達が向いた先からは、足下までウエーブした灰色の髪を引きずりながら、ゆったりとしたワンピースを着た美少女が現れた。


「あなたが、ヒカリね……あなたからは、ユミル姉様と同じ気配がするわ」

「どうして、名前が?」

「私の能力ね、植物はみんな我が子なのよ……あなたのことは植物を通して見ていたわ」


【神樹】様、名前はユグド・ラ・シル・フェリスと言うらしい、続いてユッカ、ゼノの名前を呼んだ。

他のユグド・ラ・シルというのが【神樹】の家名のようなもので、ユグド・ラ・シルや神樹と呼ぶよりかは、フェリスと呼んで欲しいようだった。


「フェリス、これわかる?」


幻獣の眷属であるモンスターを見せる、サロイン達が襲われていた場面も植物を通して見ていたフェリスが首を横に振る。


「植物を通しても見れない地域があるのよ、たぶんそこから来たのね」

「コイツ、幻獣の眷属らしいよ……アポカリプスの他にも、この森に幻獣いるってことじゃない?」

「アポカリプス?あぁ、【アビス霊洞】にいる子ね」


フェリス的にはアポカリプスは森に被害をださない幻獣なので、森にいついていても特に問題にしてないようだった。

木人の主である方の幻獣は森に被害がではじめているので、そちらの方が問題らしい。


「わたしが見れない領域を作れて、幻獣ってことはおそらく【ドリアード】ね」


【ドリアード】は植物の幻獣らしい。


「ヒカリに【ドリアード】退治を、お願いしたいんたけど」

「うーん」


【神樹】とはいえ、あったばかりのフェリスより、ユリィの方がボクには大事だ。

この世界の人には【神樹】が大切なんだろう、大気中に魔力を作り出し、役目を終えた魂を吸収、循環させている世界にとってなくてはならない存在。


「【アビス霊洞】にいくんでしょ?ここからだと【ドリアード】がいる場所を通り抜けた方が早いわ」

「ルート上にあるからついでに退治してってこと?」

「ついでに退治って、ヒカリちゃん」


ユッカの顔がひきつっていた。

仮に退治を引き受けたとして、退治したあとにはアポカリプスが待っているので幻獣の二連戦はキツイ気がする。


「もちろん、報酬を渡すわ」

「わかったよ」


悩んだところにフェリスからの追撃とばかりのダメ押し報酬をチラつかされて、折れました。

そして先に渡された報酬は、植物の種とフェリスの加護だった。

ユッカとゼノも加護をもらっている。


「じゃあ、お願いねヒカリ」

「報酬もらったからね、頑張るよ」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


フェリスやサロイン達と別れ、そろそろ【ドリアード】がいるであろう場所に着くはずだ。


「特に変わった場所には見えないわね」

「フェリスでも見えないって話だけど、変な感じしないね」


光を遮る木々が多く薄暗い森は、今までと変わらないように見えた。

樹木のモンスターであるトレント、先ほど戦った木人に蠢く根っこぐらいだろう。


「あの……あそこにいるトレントとか木人のことは?」

「……」

「ゼノ、察してあげて……数が多くてユッカが怯えて、見ないようにしてるだけだから」


視界を埋め尽くすほど密集してるトレントの頭(?)がカサカサと擦れあう音もだんだんと近づいて来てるし、そろそろこちらから仕掛けないとね。


「さっさと終わらせて、ユリィ助けに行くよ……ユッカは燃えうつった時に備えて消火のよういして」

「わかったわ」


ユッカに指示を飛ばしつつ、魔法の準備に入った。

足元の輝く魔法陣の光に誘われてトレント達がこちらに押し寄せて来た。


「ヒィ、きたー」

「火猿行くよ、《炎弾》」


ユッカが迫り来るトレントに怯え、ゼノがユッカの前に立ち火猿を振るう。

火猿から出た火の玉が先頭のトレントに当たると周囲のトレントを巻き込み燃えあがった。


「ユッカ消火!!」


燃えながらもゆっくりと前進してくるトレントに、ようやく立ち直ったユッカが水をかける。

消火され煙をあげるトレントに近よりゼノが双猿刀をふるって離脱する。

足を狙って倒れたトレントが邪魔になり後続のトレントの進軍が鈍ったところでボクの魔法が完成する。


トレントの周りを炎が囲い、サークル内を焼き尽くす《フレイムゲイザー》


「一応、配慮はしたつもりだけど」

「すごいね」


《フレイムゲイザー》内を動く影が3つほどあった、おそらく木人だろう。

警戒していると木人が《フレイムゲイザー》から抜け出してきた。


「私だって」


弱っている木人に向かってユッカが水魔法を当てて一体倒した。

残った木人に近づいてレヴァンティンを振るって蠢く根っこだけとなった。


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