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聖夜SS3

みなさん、よいお年を


ルイズ捜索は難航していた。

ルイズがなんの為に聖夜の町に繋げたのかが見えて来ないから、広いユグドの町を捜索しきれてないからだ。

町の機能の雪も降りはじめ、幻想的な光景に一人また一人とルイズ探索を諦めてデートへと消えて行く捜索メンバーはティーチェル、マリナ、セーラ、リング、ヴィスカルテ、セリエの

6人となっていた。


「これが雪ですか?はじめて見ました」

「セリエは見るのはじめてなんだ」

「【ルブルンド】でも降ったことあっただろう?」

「あー、たぶん発明に没頭していた間に降ったのだと思いますよ?」

「なんで疑問系なのよ」

「私が知らないからです」

「……」


みんながセリエを残念な子を見るような目であきれながら見た。


「ということは……雪遊びも知りませんね……それっ」

「雪あそ……ぶっ」

「……」


ティーチェルが雪玉を作ってセリエにぶつける、ベシャリと顔面で受け止めるセリエからみんなが距離を取った。


「なるほど、理解しました……雪玉をぶつければ良いのですね……ただぶつけて終わりではないでしょう?敗北条件は何ですか?」

「ちょっと、遊んでる場合じゃないでしょう」


セーラが注意するもみんなのルイズ捜索意欲はすでに失われてるようで瞬く間にチームわけがなされて高度な魔法雪合戦が始まった。


「セリエ、雪玉の中に石を入れるのは反則だ」

「そうなんですか?……ヴィスカルテ先生、もっと腰を入れて投げてください」

「そうは言われてもねぇ」

「うちの商会の新作魔杖をプレゼントしますよ」

「ほぅ……仕方ないね、風で砲身を作成して……電気で……」

「教頭!?……正気に戻ってください」

「なぁに、しっかり防御魔法を展開すれば良いんだよ……しっかりね」

「……」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「あれはモーキュン?」

「モキュー」


修羅場となった雪合戦に巻きこまれなかったリングとセーラがルイズ捜索を続けているとモーキュンを発見した。


モーキュンは魔素が多いところに発生する妖精のようなもので、意思があるのかないのか気ままな行動をとる事が多かった。


「モーキュンと言えばルイズが好きだったわね」

「そうだな……って待てよ」

「どうかしたの?」

「聖夜の日……モーキュン……ユグド……たぶんルイズはあそこだ」


リングにはルイズのいる場所が特定出来たようで、町のシンボルである樹の隣の塔を指さした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「そろそろかな?」

「「ルイズ」」

「あれ?二人ともどうしてここがわかったのかな?」


リングとセーラが塔の最上階にたどり着くと、探していたルイズはいた。


「ルイズ、お前の狙いはサンタモーキュンだろう?」

「さすがはリング、お見通しだったとは」

「えっと、サンタモーキュンって?」

「セーラちゃんは知らないの?……サンタモーキュンはね、ここユグドで聖夜の日にしか姿を現さないモーキュンなんだよ」

「へ、へぇー」

「サンタモーキュンを見たいが為にこんなことを仕組んだのか?」

「まさか、これは手段であって目的ではないのだよ」


ルイズはドヤ顔、リングとセーラは呆れ顔をした時に樹が発光しはじめた。


「キタキタ、サンタモーキュンちゃん!!」


光がおさまると白い体に赤い帽子と赤いリボンのような紐を体に巻き、髭があるモーキュンが宙に浮かんでいた。


「その顔がイラつくけど、続きを聞きましょう……サンタモーキュンにあってどうするの?」

「セーラちゃん、サンタモーキュンはね……願いを叶えてくれるんだ!!」

「えっ!?」

「聖夜の日にサンタモーキュンを一番楽しませた人の願いを叶えてくれるのよ」

「それでどうして、あなたの願いを叶えてくれるのよ」

「わからない?……ティーちゃんに教えてもらって転送魔法陣(ゲート)に細工をしてみんなをユグドに集めたのは私……瓦礫をどかしたり掃除したのも……光魔法で電飾や幻想的な風景を再現したのも……風魔法で雪を降らせたのも、みんな私がやったんだよ」

「だから?」

「だから、みんなを楽しませたのは私なんだから、私がサンタモーキュンを一番楽しませたことになるでしよ!!」

「バカなの」


どうだ、と言わんばかりに力説するルイズにセーラが反す


「バカって言った方が、バカなんだよ」

「わかっていたけど、ルイズは努力する方向性が間違っているわ」

「なんでよ」

「その努力を普通に勉強にあてた方が今言ったことより楽だったのよ」

「……」

「……」

「……っあ」

「試験以上に高度な事をしていることに気づいた?」

「でもっ、でもサンタモーキュンに願いを叶えてもらっても留年は免れるんだから穴はない『無理だぞ』よ……ね……っえ!?」


リングがルイズの計画に穴があった事を告げるとギギギっと音がしそうなほどゆっくりとリングの方を向く。


「サンタモーキュンの話をしたのは小さかった頃だからルイズは勘違いしてるんだ……サンタモーキュンが願いを叶えてくれるってのは本当なんだが」

「……」

「サンタモーキュンを楽しませたヤツじゃなくて、ユグドで聖夜を一番楽しんだヤツなんだ」

「っえ!?」

「つまりアイツだな」


リングが指差す方を見ればさっきまでいたサンタモーキュンはいつの間にかセリエの元にいた。


「サンタモーキュンさぁーん」


慌てて駆け出すルイズだがすでに願いは叶えられた後だった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「なにあなた?あなたも混ざりたいの?……あなたも一緒のチームね」


聖夜を一番楽しんでいたセリエの願いはサンタモーキュンと一緒の雪合戦という結果で、ルイズの野望を砕いたのだった。


犯人のルイズはというと高度な魔法を操ったことはプラス、【リンドブルム】の生徒に迷惑をかけたことはマイナスだがカップルが多く誕生したらしくあまり迷惑だったと言う声がなく、プラスマイナス0。


捜索する教師陣も遊びに走ったことであまり強く言えず、特に教頭は魔杖をもらってお小言だけで済ましてくれた。


かくしてルイズの留年はどうにか免れたのだった、学園長とセリエの長いお説教とトイレ掃除1ヶ月の刑というオマケはついたが。


光属性の効果が強まる聖夜祭の日に【奈落渓谷】を調査するのは都合が良いと判断したマリナ先生にも、生徒の事を考えるようにと小言がついたのは余談だろう。


ルメリア王国にヒカリが召喚される半年前の記録であった。

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