5話
電車のドアに身体を寄りかからせ、ガタンガタンと揺られながら思考を巡らす。
どう答えるのが正解だったのかと。
きっと彼女は気づいてしまったと思う。
今からでも否定すれば...
いや、話しかけられたことに動揺していて思考停止で返事してたことにすればいい。
そうと決まれば明日には説明しよう。
<次は川崎〜川崎で御座います、お降りの際はお忘れ物落し物ないようお気をつけ下さい>
電車のアナウンスが響く、川崎...川崎⁉︎
横浜を過ぎてる⁉︎やってしまった...引き返さないと。
どうやら僕は不測の事態というものに滅法弱いらしい。まさかこんなに考え込むとは...。
...今日は家帰ったらすぐに寝てしまおう。
「おはよう美原君!いえ、あなた...♡」
「...おはよう古川さん。」
あれから3日。
凄まじい結果になってしまいました。
あの次の日の放課後。僕は古川さんを呼び出していた。無論、告白とかいう甘いものではない。
「ぼ、僕はYuuuじゃないよ!」
「え?分かってるよ?親戚にYuuuがいるんでしょ?」
やってしまったぁぁぁ!
あれって親戚って意味だったのか!
Yuuu(親戚)みたいなね!
あーなるほど、なるほどね(親戚)ね!美味しいよね!
分かるかァァァァ⁉︎
どうしよう!誤魔化すか⁉︎
「どうしたの...?昨日言った時は呆然として今日は頭抱えちゃって...。」
「あ、いや、昨日は親戚って言ってなかったから...。」
「いやいや幾ら美原君がそっくりとはいえ誰もYuuuが男の子だとは思わないよ〜。」
「そ、そうだよね!」
「だってYuuuが男だったら国家ぐるみで隠してるレベルだよ〜。」
鋭過ぎ〜〜!その通り、国家ぐるみで隠してマース!
去年の秋の園遊会は大変でしたァ!
こ、ここは確実に返答をミスれない...!
カマをかけてる可能性もある!
「ま、まぁ、国家がグルになっても隠しきれないんじゃないかな?あれだけの人気で大変みたいだし。」
「ふぅん...大変みたい、って?」
僕のバカァァァァ!完全にYuuuのこと知ってんじゃん!クソ!関わりなんてない。って誤魔化したかったけれど、親戚と言うしかないか。
「ま、まぁ、Yuuuは親戚だから少し聞いたことがあって。」
「やっぱり!じゃあ、Yuuuも美原って苗字なのかな⁉︎Yuuuはゆうみって本名って噂は本当⁉︎年齢は⁉︎好きな食べ物は⁉︎色は⁉︎」
「こ、個人情報だから、そ、そこらへんは言えないかな。」
「むぅ...でも、美原君と結婚したら私もYuuuの親戚になれるんだよね...。」
な、何だこいつ。思想がヤバイぞ。
「よし!私、古川美月は!美原くんと結婚して!Yuuuの親戚になりますっ!」
...最早、狂気だ。
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人の文章盗むぜ怪盗!友達の名前は斉藤!
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なんでも出来るよ、山本先生‼︎
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