3話
ホームルーム開始の金がなり、入ってきた担任の荒木 舞は開口一番にため息を吐いた。
「はぁ。出席をとるぞー...」
見るからにテンションの低い担任に金髪ギャル1号が声をかける。
「舞ち〜ん、どうしたの?ため息なんかついちゃって。」
「いやぁ、実はYuuuのライブ当たってたんだが
な....」
「もしかして行けなかった感じぃ?」
「やばーもったいなさ過ぎ。」「転売の最高価格22万のもんだもんなぁ。」「荒T御愁傷様だなぁ。」「舞たその胸もみてぇなぁ。」
「だぁぁぁぁ!!!うるさい!!!!!!」
荒木先生は出席簿を教卓に叩きつけて泣き崩れた。
「ううっ...わ、わたしだって行きたかったんだよぉ...」
「分かりますっ....分かりますっその気持ち!」
「古川ぁ....」
叫び立ち上がった古川さんは泣いていた。
......感情移入激しすぎだろう。
教卓の方に歩み寄っていった古川さんは泣き崩れた先生を抱きしめ、ギャル1号のお土産を見せていた。
「先生!これは昨日のライブのセトリと同じ順番で曲が入った限定CDです!ライブで発表された新曲の試聴も入ってます!!視聴覚室で聞いて、うちの高校...いえ!うちのクラスだけでYuuuライブをやりましょう!!!!!」
アホか、1限が荒木先生の授業とはいえ流石に教師としての矜恃が
「やるしかない!!!」
なかったようだ。気づけばクラスのほとんどが泣いておりスタンディングオーベーションをしていた。
なんなんだ。アホか?
自分の歌なんて飽きるほど聞いている。
そもそもクラス全員と聞くなんて羞恥プレイみたいな真似をしなければいけないのだ。
馬鹿らしい付き合ってられない。ととっと教室から出て...
「美原くん!どこ行くの?美原くんも2-2クラス(うちのクラス)ライブ来るよね?」
行けなかった。
古川さんが教室から出ようとした僕にすぐさま声をかけて来る。
無論、ノーだと言いたい。だが、このクラスの視線はマズイ。古川さんの誘いを断ったら無視とか陰キャ呼ばわりだけではすまされない。
きっと卒業するまで僕の身の回りの物は破壊され続けるだろう。
しょうがないが行くしかないようだ。
「も、もちろん、い、行くよ....そ、その前にトイレに....ら、ライブ中行くのはし、失礼でしょ...?」
「しゃべりかたキモ...」「声ちいせぇし...」「ぶっちゃけあいついなくても良いのに」「舞たそのパイパイ舞い踊るぅ...」
行くと言ってもこれだ。
本当にめんどくさいクラスだ。
推敲してくれる人ぼしゅ
新作
なんでも出来るよ、山本先生‼︎
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