20話 斬る意志と、戦う意思
完璧に入ったカウンターに、全力のアールインパクト。
それでもそんなに吹っ飛んでないだけでなく、戦う気合十分の美女。もとい神様。
ってか異世界人はヤマトの神様も敵に回してたのかよ。
とばっちりを喰らうオレの気持ちと身にもなれ。
ぶっちゃけなくても、死ぬ。
「さあ、お主の次の手を見せてもらうか!」
「うわぁ、やる気が目に見える」
気が満ちている感覚が、それとなく分かる。空気が重く、そして熱い。
時間さえもそれに引きずられて、遅くなっている感じがする。
まさか、これが「ゾーン」とかいう超人領域か?
一説ではこれに入ると、とんでもなくスポーツとかうまくなるとか。
バスケットの奇跡の人たちとか、全員持ってるらしい。
『この近隣一帯による空間断絶を確認。その影響にて本来の時間との誤差の発生を確認しました』
やっぱそうか……。そうだよねー。
さすがに、そんなことはないと思ってた。うんうん。
オレが主人公みたいな能力持ちじゃないってことは。
あ、あの漫画だと主人公はその能力は持ってないみたいだからいいのか。
よし、自分への納得は完了した。
そういえばオレのスキルって何だろうな?
「では、見せてもらうぞ!」
瞬時に間合いを詰められる。
左手刀による目への突き、からの払い。
さらにそれを視界隠しに利用しての右膝のボディ。
そして--。
「はぁ……りゃっ!」
「つうぅ!」
最後に入ったのが左足による空中胴回し蹴り。
しかも着物が視界を乱す感じになり、これだけは回避ができなかった。
なんとかガードを両腕で行い捌いたが、痺れが残る。
損傷エラーがかなりの危険域を示すが、丁重に無視。
いきなり技巧派になるってのも、どうなのさ。
いや、最近のボスはそうか。
とりあえず、この攻撃に対してはさっきのようなカウンターは有効にはならない。
かといってこちらの攻撃、といきたいが、さっきの攻撃を途中まで回避したのは、見ることと回避することだけに集中したからだ。
攻撃に色目を使えば、やられることは確実だ。
「さあて、どうくる?」
「……ギブアップっていうのは、ありですか」
凶暴な猫科を思わせるような笑みに、返答する。
神様なら少しぐらい慈愛みたいなのがあっても。
いや、待て。
確かアニメ化した小説に、ラスボスが女神っていうのが会った気が。
いや、自称神か? あれ? そもそもアニメ化決定で映像は見てないか?
その女神、確か性格がめちゃくちゃ自分勝手で、現実にもしいたら、オレでもぶっ倒すと思ったものだ。
まさか、そんな神様ではあるまい。
「では、お主はここに置いといて、さっきの店に残っている奴らを倒すとしよう」
「え?」
待てよ? 店にいた奴ら、ってヒロシとアヤしかいないぞ?
あいつらはヤマトの人間だから、ヤマトの神様にやられる筋合いはないと思う。
「待ってくれませんか神様! あの店にはもうヤマトの人しかいません! 日本、いや異世界人はオレだけです!」
「ん? そんなことは知っておるよ」
さも当然、と。
にこやかに話す美女。
肉食獣の笑みがあるとすれば、目の前の神がやっている。
殺気を、戦いを楽しむ笑顔の女神。
「じゃあ」
「異世界人に味方した時点でわしの敵じゃ」
……なるほど。
ってそんなわけあるか! ダメだこいつ!
こいつはやるしか、ないか。
ヒロシとアヤが、最悪、死ぬ。
こんな変に尖った馬鹿神のせいで、それなりに嫌いじゃないいい奴らが、死ぬ。
それは、オレの命にかけて、ご免こうむるってやつだ。
とりあえず、神に弱点はないか?
いわゆるこの世界にいる限界とかあると思う。
ここがどこだか分からないが、少なくともあの神がいることが一番危ない。
時間一杯逃げ切って、後はどうにかする。
どうだ?
『情報が不足しています。また、相手の行動および言動に時間的危機感は感じられません』
情報がないなら、引き出せるか? いや、引き出した情報自体がブラフであることも否めない。
美人はそうそう信じるものじゃない。信じられるものでもない、というのがオレの持論だ。
美人局、なんてのもあるくらいだからな。
他の策は? 送り返す呪文とか魔法陣とかないのか?
『情報が不足しています』
ですよねー……。こんなことならこっちの神とか勉強しておけばよかった!
「では、さらばじゃ」
神はオレに後ろを見せると、その輪郭がおぼろげに。
ちょ! 待て! それは許さん!
「ダー! ウィ! ウェット!」
待て。思っていった言葉が、変な言葉になった!
舌がもつれた! もう一度!
「ちょっと待て!」
「……お主、やる気か」
こっちを向いた。驚いた顔をしているが、とりあえず、ヒロシとアヤはセーフ。
ああ、駄目神様。やりましょう。
「アー・ヴェ・ミト・クシェーナ」
……なんかまたもつれた。もう言い直すのやめた。
オレ、この戦いが終わったら脳外科かな? 診察受けてくるよ。脳梗塞かもしれない。
「ほう。その意気やよし!」
あのもたついた空気がもう一度。
ここ一帯が空間断絶された、が。
『武装召還可能です』
え? 本当? じゃあ、早速……と。
『syou-kan! show-time! ダスクプラウザー!』
左手に白の刀身と黒の刃のロングソード。
さらに、ここからの!
『O.K! style-change! 一・閃・瞬・殺! スラッシャー!』
剣術特化スタイルへの変更!
前のスタイルであるガンナーとは違い、こちらは元々オレAIに提案して、じっくり作った『スタイル』だ。
高速戦闘やダスクプラウザー以外の剣などでも十分に適応した接近戦を得意としている。
そして、ダスクプラウザーの裏技も使用できる『ダスクプラウザー専用スタイル』でもあるが。
「さて、やろうか神様。やっちゃいけないことを言ったあんたは、ぶっ飛ばす」
--自分とあいつらのために。本気で、戦おう。
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12月入って2日間くらい仕事で立て込むため、執筆できません。
あらかじめご容赦ください。
え? 仕事辞めれば? それはまた後日に(ぇ




